ふみのなりたちのおくところのまとめ
● ふみのなりたちのおくところ
ふみのなりたちのおくところは、ふつうつぎのようにきまる。
① あるじのうごきをあらはすことば・のべるところ……ふみのおはりにくる。
(たとへ) こどもが おほやけの そので あそんでいる (のべるところ) 。
② あるじをあらはすことば・あるじのところ、
ことばのまへにつきくはしくすることば・ことばのまへにつきくはしくすることばのところとは、
あるじのうごきをあらはすことば・のべるところよりまへにくる。
あるじをあらはすことば・あるじのところとことばのまへにつきくはしくすることば・ことばのまへにつきくはしくすることばのところのならぶならびかたはきまってない（いれかえできる）。
(たとへ) こどもが あるじをあらはすことば おほやけのそので ことばのまへにつきくはしくすることば あそんでいる のべるところ 。
③ ふみとふみをつなぐことば・つなぎつづけるところ、ひとりだちことば・ひとりだちのところ……ふみのはじめがおほい。
(たとへ) いつも掃除しているので つなぎつづけるところ 、きれいだ。
(たとへ) ああひとりだちことば 、この部屋はきれいだな。
● たをれおく・はぶく
ふみのなりたちは、たをれおくまたははぶかれることがある。
① たをれおく……あるじのうごきをあらはすことばとほかのなりたちのならびかたがさかさになる。
(たとへ) だれだ(あるじのうごきをあらはすことば)、ガラスを わったのは (あるじのところ) 。
② はぶかれる……ふみのなりたちがはぶかれる。
(たとへ) そんなことをいわれても。（あるじのうごきをあらはすことば・のべるところのはぶかれる）
ときあかし
ふみをくみたてているをのをののなりたちのおくところがどのようにしてきまるかをみてみましょう。
１ ふみのなりたちのおくところ
ふみは、いくつかのもと（ふみのなりたち）によってくみたてられています。
そして、あるふみのなりたちがふみのどのおくところにくるかは、そのなりたちのたちば（たぐい）によってちがってきます。
ふみのなりたちのおくところは、ふつうつぎのようにしてきまります。
(1) あるじのうごきをあらはすことば・のべるところのおくところ
あるじのうごきをあらはすことば・のべるところは、ふみのおはりにきます。
こどもがおほやけのそのでたのしそうに あそんでいる (のべるところ) 。
うへのたとへのふみでは、「あそんでいる」がのべるところで、ふみのおはりにきています。
あとのべるように、あるじのうごきをあらはすことばがほかのなりたちよりもまへにくるときもあります（たをれおく）。
(2) あるじをあらはすことば・あるじのところ、
ことばのまへにつきくはしくすることば・ことばのまへにつきくはしくすることばのところのおくところ
あるじをあらはすことば・あるじのところやことばのまへにつきくはしくすることば・ことばのまへにつきくはしくすることばのところは、
あるじのうごきをあらはすことば・のべるところよりもまへにきます。
こどもが (あるじをあらはすことば) おほやけのそので (ことばのまへにつきくはしくすることば) たのしそうに (ことばのまへにつきくはしくすることば) あそんでいる (のべるところ) 。
うへのたとへのふみでは、「こどもが」があるじをあらはすことばで、
「おほやけのそので」と「たのしそうに」がことばのまへにつきくはしくすることばです。
これらのなりたちは、すべてのべるところのまへにきています。
うへのたとへのふみで、のべるところのほかのなりたちのならぶならびかたをいれかえてみると、つぎのおもてのようになります。
【おもて】あるじをあらはすことば・ことばのまへにつきくはしくすることばのおくところ
これらのふみは、どれもふみのこころがおなじです。
このように、あるじをあらはすことば・あるじのところとことばのまへにつきくはしくすることば・ことばのまへにつきくはしくすることばのところ、
あるいは、ことばのまへにつきくはしくすることば・ことばのまへにつきくはしくすることばのところどうしがならぶならびかたはきまっていません。
つまり、それらのならびかたをいれかえることができます。
たいていのふみのとき、あるじのうごきをあらはすことば・のべるところのほかのなりたちのならぶならびかたはいれかえることができて、
また、それらのならびかたによってふみのこころがかわることはありません。
しかし、あるじをあらはすことば・あるじのところやことばのまへにつきくはしくすることば・ことばのまへにつきくはしくすることばのところのならびかたでふみのくみたて・ふみのこころがはっきりしたりあいまいになったりするときもあります。
そのようなときには、ただしいところにいきつぎのしるし（、）をうったり、
ふみのなりたちのならびかたをかえたりして、あいまいにならないようにすることです。
(3) ふみとふみをつなぐことば・つなぎつづけるところ、ひとりだちことば・ひとりだちのところのおきどころ
ふみとふみをつなぐことば・つなぎつづけるところやひとりだちことば・ひとりだちのところは、
ふみのはじめにくることがおほいなりたちです。
ただ、かならずしもふみのもっともはじめにくるとはかぎらず、
ふみのなかにおかれることもあります。
いつも掃除しているので (つなぎつづけるところ) 、部屋がきれいだ。
部屋が、いつも掃除しているので (つなぎつづけるところ) 、きれいだ。
うへのふたつのたとへのふみは、つなぎつづけるところのおくところがそれぞれちがっていますが、どちらもおなじこころです。
ああ(ひとりだちことば) 、この部屋はいつもきれいだな。
この部屋は、(ああひとりだちことば) 、いつもきれいだな。
うへのふたつのたとへのふみは、ひとりだちことばのおくところがそれぞれちがっていますが、どちらもおなじこころです。
＊
うへのなかみをまとめると、つぎのようになります。
① あるじのうごきをあらはすことば・のべるところは、ふみのおはりにくる。
② あるじをあらはすことば・あるじのところやことばのまへにつきくはしくすることば・ことばのまへにつきくはしくすることばのところは、あるじのうごきをあらはすことば・のべるところよりもまへにくる。
③ あるじをあらはすことば・あるじのところとことばのまへにつきくはしくすることば・ことばのまへにつきくはしくすることばのところのならぶならびかたはきまっていない。
④ ふみとふみをつなぐことば・つなぎつづけるところやひとりだちことば・ひとりだちのところは、ふみのはじめにくることがおほい。
２ たをれおくとはぶく
ふみのなりたちのならびかたがふつうとはさかさになったり、はぶかれたりするときがあります。
(1) たをれおく
ふつうのふみでは、あるじのうごきをあらはすことば・のべるところはふみのおはりにきます。
しかし、あるじのうごきをあらはすことば・のべるところがほかのなりたちよりもまへにくることもあります。
つぎのたとへのふみをみてください。
【ひとつめ】だれだ(あるじのうごきをあらはすことば)、ガラスをわったのは あるじのところ 。
【ふたつめ】やりなおしましょう (あるじのうごきをあらはすことば) 、もっともはじめから (ことばのまへにつきくはしくすることば) 。
ひとつめのふみでは、「だれだ」があるじのところで、「ガラスをわったのは」があるじのうごきをあらはすことばです。
したがって、もとからであれば、あるじのうごきをあらはすことばの「だれだ」がふみのおはりにきて、
あるじのところの「ガラスをわったのは」が「だれだ」よりもまへにくるはずです。
しかし、ひとつめのふみではならびかたがさかさになっています。
ふたつめのふみでは、「もっともはじめから」があるじのうごきをあらはすことばの「やりなおしましょう」をことばのまへにつきくはしくすることばのかかはりにあります。
したがって、もとからであれば、「やりなほしましょう」がふみのおはりにきて、「もっともはじめから」が「やりなほしましょう」よりもまへにくるはずです。
しかし、ふたつめのふみもならびかたがさかさになっています。
このように、あるじのうごきをあらはすことば・のべるところとほかのなりたちとのならびかたをふつうとはさかさにすることをたをれおくといいます。
たをれおくは、いいたいことをつよくつたえるあらはしかたです。
(2) はぶく
ふみのなりたちは、はぶかれることがよくあります。
つぎのたとへのふみをみてください。
【ひとつめ】この料理はおいしい。しかも、やすい。
【ふたつめ】そんなことをいわれても。
Ａのふみ章では、あとのふみのあるじのうごきをあらはすことばである「やすい」にかかわるあるじをあらはすことば・あるじのところがありません。
しかし、「しかも」というふみとふみをつなぐことばがあるので、まへのふみの「この料理」についてのべていることがわかります。
つまり、あとのふみでは、「この料理は」というあるじのところがはぶかれています。
また、ふたつめのふみは、「そんなことをいわれても」というつらねるふみのふしめしかなく、
あるじのうごきをあらはすことば・のべるところにあたるふみのふしめがありません。
これは、もとからならふたつめのふみのすゑにあるはずのあるじのうごきをあらはすことば・のべるところにあたるふみのふしめ（たとえば、「こまる」「むりだ」）がはぶかれているからです。
このように、まへあとのつながりやときやばあひによってあらはしかたしなくてもわかるところやあらはしかたしないほうがよいところがあるとき、
そのところがはぶかれることがあります。
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