「事故物件 恐い間取り」が上質なミステリーに変わる一冊
「事故物件 恐い間取り」が上質なミステリーに変わる一冊
事故物件住みます芸人松原タニシ原作の「事故物件 恐い間取り」が映画化した。
はたして亀梨で顔面偏差値を上げる必要はあったのかタニシからヤマメに進化する必要はあったのか既にツッコミどころ満載だが、ホラーコメディとして見ればそこそこ楽しめる出来らしい。
私は原作しか読んでないが普通に文章上手くて面白かった。内容も怖いと言えば怖い……素直に怖いと断言できないのは本人のいまいち緊迫感に欠けるとぼけた人柄のせいなのか、割と生きてる人間怖い系に傾いてるからか。ガチでめちゃくちゃ怖ッ!てかんじではないのでこれから読もうとしてる人は安心してほしい。本書で一番怖いのはアポロキャップ被った若作りの爺さんの防犯録画だ。
松原タニシといえば、事故物件公示サイトの管理人・大島てるとやってる「事故物件ラボ」のほうも面白い。
それはさておき、本日は「事故物件 恐い間取り」が原作・映画ともに10倍楽しくなる隠れたおススメ本を紹介したい。
それがこちら
「事故物件芸人のお部屋いって視るんです!」は事故物件住みます芸人・松原タニシとコスプレ霊能者・育代(テニプリの不二ファン)と怖がり漫画家・おがたちえのトリオが、エグい殺人や自殺があった部屋を訪ねて霊視していく実録オカルトギャグ。
ジャンルでいえばギャグの入ったホラーに非ず、ホラーが入ったギャグ。
何故「事故物件 恐い間取り」と併せておすすめなのかというと、タニシ持ち込み企画で「恐い間取り~」に出てた「孔子」が霊視され、その来歴が全部まるっと暴かれちゃうからである。
しかも孔子の意志で3人が職人を辿り、行方不明だった胴体が完成することになるのだ。この経緯が非常にドラマチックで、下手なミステリーよりミステリーで面白い。
というか「事故物件 怖い間取り」既読なら必読。
あちらで書かれた孔子・菊姫・みゆき・板碑の由来、カメラに映った謎の老人の正体が全部説明される。
特に菊姫&孔子の職人が判明するエピソードは感動。水子の霊も成長する、写真に紛れ込むのは撮影者に縁のある霊とか、目から鱗の情報が盛り沢山。
言われてみれば幽霊がカメラ目線なら撮影者に伝えたいメッセージがあるって事だよな。最初はテンションが高すぎて微妙だったが、慣れてくると面白おかしく脚色された幽霊との掛け合いが楽しくなる。
なおホラーが苦手なホラー漫画家が描いてるので死体描写はグロい。腐乱死体や縊死体に蛆虫がたかってる。
霊能者の育代さんは「霊能者と事故物件視てきました」にも出てくる育代さんで相変わらずのタロット無双。
タニシ氏の著書を読んでいると「これ〇〇で出たトコだ!」な予習済み感が凄い。
しかもそっちではうやむやにされた顛末が育代さんの霊視で補填され伏線回収の快感に酔える。
ちなみにこの漫画で一番衝撃受けたのもやはりアポロキャップ爺さんの正体だった。
知りたくなかった。
アカウントを作成 して、もっと沢山の記事を読みませんか?
この記事にコメントをしてみませんか?