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鬱になりたいあなたにおすすめ鬱漫画

鬱になりたいあなたにおすすめ鬱漫画


鬱漫画は好きだろうか。私は結構好きだ。

現実の暗いニュースは気が滅入るのでできるだけ見ないようにしているが、フィクションの胸糞や鬱には一種の中毒性があって、小説でも漫画でもそんな作品にばかり惹かれてしまうのだ。

そんな私がこれまで読んできた中で「コイツは鬱だ……」と大いにへこんだ作品をご紹介したい。

なお一口に鬱漫画といってもいじめによる鬱・虐待による鬱・恋愛負け組による鬱・友人との確執による鬱など様々だが、今回はそれら全部ひっくるめて、特にジャンル分けせず語っていく。

ブラッドハーレーの馬車

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エログロの巨匠沙村広明が描く残酷少女悲劇。

きらびやかなスターを夢見ていた孤児の少女たちが馬車に乗せられ連れて行かれた先は想像を絶する生き地獄。

あしながおじさんは死んだ。お前が人身御供になるんだよ!!!!と畳みかけてくる容赦ない(性)暴力と不幸の数々。

オムニバスの連作集で一話ごとに主役が交代するのだが、二話目の上げて落とすオチがとてもキツい。しんどい。

最終話にて諸悪の根源ともいえるある人物が犠牲者となった少女たちを悼んである行動をするのだが、それが非常に胸糞悪すぎて本を破りたいレベルの殺意が芽生える。

ミスミソウ

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このへんはガチ。鬱漫画における履修必須科目なので知ってる人も多いのでは。

田舎に越してきた都会の美少女が凄惨ないじめを受け、挙句家族を焼き殺される。その後もいじめはエスカレートする一方で、主人公は憎悪に駆り立てられ復讐に転じるのだが……。

誰も何も救われない陰惨な話。

主人公の境遇が悲惨なのはもちろんだが、いじめっ子たちや無責任な担任がどうしてそうなってしまったのかの背景もちらほら掘り下げられるので鬱に拍車をかける。

しかし人体はあんな豆腐のようにスパスパ切れないのでちょっと素に戻る。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

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桜庭一樹原作の鬱ラノベのコミカライズ。

原作の挿絵に慣れていると正反対のキャラデザにちょっとひっかかるが、こちらも完成度が高くて面白い。

砂糖菓子のように繊細でスッキリした絵柄と、センシティブな表現がバランスよくマッチしている。

片方はひきこもりの兄の世話を余儀なくされる母子家庭、片方は元芸能人の父親に虐待される父子家庭。

そんな抑圧された女子中学生2人が出会って歪な友情を育むものの、待っていたのは予定調和のバッドエンド。

残酷な世界で2人、出会ってしまった少女たちの出口のない逃避行を描く鬱百合としても読みごたえある。

愛と呪い

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新興宗教を信仰する家庭に生まれ、幼い頃から父親に性的虐待、母親に身体的虐待を受け続けた愛子の半生を描く漫画。

平成初頭を生きた人なら誰しもあの頃の空気がフィードバックせざるえない傑作。もっと話題になってほしいいやなるべき(断言)。

虐待の描写も陰惨なんだけど、それによって正常な感覚が歪んでしまった愛子が同級生に気持ち悪がられて疎外される展開がとてもツライ。

悪ふざけに見せかけ父親に唇を吸われ、それを母親や祖母をはじめとする他の家族が笑って見ている環境で育った愛子は、唯一まだ汚されておらず相手に差し出せるものを必死に考え抜いた末、片想いの男子へのラブレターに

「〇〇くんとセックスしたいです」

と書いてしまい、好きな人や友達にどん引かれる。

この手のしんどすぎるエピソードがいやってほど出てきて「おねがいもうやめて!これ以上追い詰めないで!」と叫びたくなる。

世界鬼

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母親の失踪後預けられた親戚の家で、家族全員から凄まじい虐待を受ける女子中学生。

こちら側の世界を浸蝕する異形の敵、世界鬼を倒す為に選ばれ世界を救済する使命を授けられたが、異能の代償に求められたのは近くにいる人間の命だった……。

主人公がイカレてる。ていうか登場人物がほぼ全員イカレててマトモな価値観の持ち主がいやしない。

なにせ戦うと周囲の人物が死ぬ→じゃあ虐待してる親戚(合法的に)殺せるじゃんやったね!→葬式ヒャッホー!なのだ。

親戚が死んだ嬉しさの絶頂で失禁する主人公なんて前代未聞。

初っ端からエグい虐待描写を見せ付けられたあとにこの展開なのであっけにとられる。

他にも幼少時に両親のセックスを目撃したのがきっかけでド淫乱に目覚め、小学生で担任を誘惑したのを皮切りに援助交際にハマるキャラクターがでてくる。

バイブを突っ込んだまま戦闘する女キャラクターなんてどこの成人向けエロ漫画だよとツッコミたいが、この漫画じゃフツーにいるしフツーにヤバい。

空が灰色だから

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一話完結オムニバス鬱漫画。鬱じゃないのもあるけど殆どが鬱。

主人公は中高生が多く、その年代(思春期)特有の焦りや嫉妬や葛藤や確執、気になる異性や友人や家族とのすれ違い行き違いが描かれて、モヤモヤした後味の悪さを残す。

セリフ回しが独特でハッとするようなフレーズがでてくるのも良し。

とくに推したい鬱エピソードは自分のせいで頭がおかしくなった親戚に再会したら杞憂と思わせやっぱり自分のせいで皆不幸になってた話と、甲子園を目指して挫折した大好きな野球部の彼をひたむきに応援していたら全てが裏目にでていた話。

性格がよくて以前から淡い恋心を持っていた高身長女子を、周囲もやってるから自分もありと思い上がっていじっていたらマジ泣きされた話もキツイ。

バーバ・ヤガー

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鬱の巨匠きづきあきらの作品群の中でも個人的に気に入ってる作品。

ちなみにきづきあきら(×サトウナンキ)作品はほぼ全部鬱なので上質な鬱を摂取したければ作家買いしてハズレなし。

最近の作品ではネカフェで売春する貧困女子を炎上系YouTuberがカモにする「奈落の羊」、ひきこもりの子供や虐待親を処分する仕事人を描いた「無敵の人」がなかなかにエグい。

(離婚した母子家庭の小学生が、家庭に問題を抱えた同級生の少女2人と過ごすひと夏を描いた「さよならハルメギド」もいいぞ。ラストがとても……とても酷い)

「バーバヤガー」の裏テーマはヤンデレ鬱百合。

主人公たちが小学生の時に行われた子供会のツアーで、引率の女性が失踪した。それが発端となって、女性の失踪に関するある出来事を目撃した少女たちの運命が狂っていくフォークロアサスペンス。

主人公はさばさばした性格でだれからも好かれるボーイッシュなショートヘア美少女。

そんな主人公をストーカーして生ごみを漁り、生理周期までバッチリ把握している元いじめっこ(下剋上されて現在いじめられっこ)。

このストーカー・犬丸(女)の主人公への依存っぷりが常軌を逸して物凄くって、しかも登場人物ほぼ全員狂っててマトモな人物がいやしないから、読んでてどんどん鬱々してくる。

むちむちプリンな女体がいたぶられるエロティックな描写も素晴らしいし、物腰柔らかな好青年に擬態したサイコパス眼鏡が好きなら必読。


not simple

 

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めっちゃへこむわ……。

家族の愛情に恵まれず孤独に成長した青年と、そんな彼に秘めた想いを寄せるゲイの青年を主軸にしたヒューマンドラマ。

イアンの幼少期から現在に至る境遇が筆舌に尽くし難く辛すぎて胸が痛い……一体彼がなにをしたっていうんだ……。

鬱漫画って大抵エグい描写やエゲツない不幸の畳みかけで読者の精神を削ってくるんだけど、本作は非常にストイックで淡々とした表現で愛情に恵まれずどんどん虚無に食われていく1人の男の半生を描いていて、それがまたしんどい。

この世界のどこかにイアンのようなだれかがいるかもしれないと想像させるだけの力を持った作品なのは認めるけど、読んだあと物凄く削られる。

犬・犬・犬

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この中では一番マイナーかもしれないがどん詰まりの鬱さでは既出作品に負けず劣らず。

小学生の頃に自分を虐待する両親を殺害したのがきっかけで感情が麻痺し、「マヒしたケンちゃん」を縮めマヒケンと呼ばれる青年。

町工場で働きながらヤクザの汚れ仕事を請け負い、水商売の女性とセックスに溺れ漫然と日々を過ごしていたが、そんな彼にある1人の社会府適合者との出会いが転機をもたらす。

まず主人公のマヒケンの静かなイカレっぷりがすごい。菩薩のように穏やかな無表情でヤバすぎる拷問をする。ショッキング。

マヒケンを巡る男女関係も複雑で、ある意味疑似家族的な閉じたコミュニティを形成するのだが、その結末が本当に凄惨で救いがたい。

マヒケンを偏愛しすぎて頭がおかしくなったヤクザの親分という同性愛要素までぶちこまれて心をかき乱す。

番外編~web漫画~

河童

新都社のサイトで連載されてる漫画。

人間関係が閉塞した田舎のいやらしさや陰湿ないじめ、女親の娘に対するなんともいえないねちっこい過干渉や嫌がらせが描かれている。

ヒロインの母親が「あんたは百姓の子ォやからこんなとこまできたらいけんよ」と、新しくできたスーパーにやってきた主人公(小学生の男の子)を笑顔で諫めるシーンがとても怖い。

そのあと主人公の母親に「殺虫剤は身体に毒やけんね」と、自分ちの庭にできた蜂の巣駆除を命じるのがまた怖い。

私は殻座

pixivで公開されてる時田さんの漫画。

宇宙飛行士の母親が宇宙に発ったあと、まだ赤ん坊の妹の世話を任された小学生の女の子の視点で語られる話。

いやおかしいだろ。

担任も同級生もマスコミもおかしいだろサイコパス万歳かよ寂しさこらえてけなげに頑張る幼女に人権ないのかよこの世界。

最初に読んだ時は衝撃を受けた。

 

というわけで印象に残ってる鬱漫画をまとめてみた。有名どころも多いが、少しでも鬱漫画を求めている人の参考になれれば幸いだ。


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