1952年4月9日 「もく星号墜落事故」

1952年4月9日、日本航空（JAL）のマーチン2-0-2型機が、東京から大阪へ向かう途中で伊豆大島に墜落し、乗員乗客37名全員が死亡するという航空事故が発生しました。

当時、日本航空はアメリカのノースウエスト・オリエント航空とのウェットリース契約により、アメリカ製のマーチン2-0-2型機を使用していました。この機体は、国内線での運用に特化したものではありませんでしたが、当時の日本の航空業界は発展途上にあり、国内における運航には不可欠な機体不足が懸念されていました。

事故当日、JAL518便は、東京の羽田空港を出発し、名古屋を経由して大阪に向かう予定でした。機体には、乗客23名と乗員14名の計37名が搭乗していました。羽田空港を出発してから1時間半ほど経過した後、518便は伊豆大島に到着し、同空港への進入を開始しました。

しかし、進入中のパイロットが濃い霧のために視界が悪くなり、滑走路を見失ってしまいました。そのため、パイロットは進入を中断し、機体を上昇させていきました。しかし、この時にはすでに機体が山腹に接近しており、最終的に機体は島の山腹に激突し、乗員乗客全員が死亡するという悲劇的な事故となりました。

事故原因は、パイロットの技術不足と設備の不備が主な要因とされています。当時、日本の航空業界はまだ発展途上にあり、設備や技術面での不備が多かったため、この事故を教訓に、航空業界全体で安全基準の向上に取り組むことが求められるようになりました。

また、この事故は、当時の日本の航空業界にとって、国内線での運航における技術的・人的不備を克服するための契機となり、航空業界全体で安全性の向上に向けた改善策が進められることになりました。その一つが、パイロットの訓練や技術の向上です。また、機体の整備や安全性確保についても強化されました。

さらに、日本航空はこの事故を機に、アメリカから機体を借りるウェットリース契約から脱却し、自社での機体購入を進めることになりました。これにより、日本航空は国内線での安定的な運航を実現し、現在では国内外で高い評価を得る航空会社の一つとなっています。

この事故は、日本の航空業界にとって大きな悲劇であったと同時に、安全性の向上に向けた重要な契機となったことから、現在でも航空事故の調査や安全性の維持に向けた取り組みが継続的に行われています。