メイン画像

#67【葛飾北斎】諸国名橋奇覧「すほうの国きんたいはし」

#67【葛飾北斎】諸国名橋奇覧「すほうの国きんたいはし」


皆様こんにちは!
絵画インストラクター松本です。

葛飾北斎の「諸国名橋奇覧」
(しょこくめいきょうきらん)
は全11図。

11図


今回は「すほうの国きんたいはし」の解説です!

 

「すほうの国きんたいはし」

「すほうの国きんたいはし」
(すおうのくにきんたいはし)

アーチが美しい!!

そして雨の表現が逸脱!
細い直線が
斜めに降る雨を表現しています。

すほうの国きんたいはし

錦川にかかる錦帯橋のむこうには
岩国城が描かれています。

そして驚くべきは
現在と比較すると・・・。

山口県

同じです!
息子が写真と絵を比べて
「歴史ってすごい!」と驚いていました。

五連のアーチが美しいですね。
現代においても
錦帯橋の技術は高く評価されていると
岩国市公式ホームページに紹介されていました。

写真右上の岩国城は
平成になって復元されたものです。

日本三名橋は諸説ありますが、
江戸時代に架橋された
「日本橋(東京都)」
「錦帯橋(山口県)」
「眼鏡橋(長崎県)」
が三名橋として有名です。
(選者は定かではありませんので
民間で広まった説となります。)

錦帯橋の歴史
1673年 建設
1950年 台風で崩壊
1953年 再建が完了
2004年 橋体部分の架け替え工事が施工

台風で被害をうけても
コンクリート製にしないで
木製で再建されていることが
いかに地元の方々に愛されている橋なのかわかります。

北斎の構図 定番をいれる


北斎が描いた時代には
岩国城は廃城となって存在していませんでしたが
(現在の岩国城は再建されたもの)
この景色といえば!ということで
描かれているのだと思います。

錦帯橋といえば、
錦川!
岩国城!
ということで定番をいれて
絵を見る人々を楽しませてくれる
絵となっています。

しかし、雨の細い直線は
彫師の方は苦労しただろうな、と思いました!
浮世絵は版画なので
もし私だったら失敗していたでしょう。Σ(゚Д゚)

橋を作る職人、
絵を描く職人、
彫る職人、
色を刷る職人、
多くの人々が自分の仕事に誇りをもっていたと思うと
日本に生まれて良かったです!

「すほうの国きんたいはし」の
解説でした。

これで諸国名橋奇覧の全11図の
解説は終わりです。

読んでいただきありがとうございました。
それではまた次回!
(^^♪

アカウントを作成 して、もっと沢山の記事を読みませんか?


この記事が気に入ったら 絵画インストラクター松本 さんを応援しませんか?
メッセージを添えてチップを送ることができます。


この記事にコメントをしてみませんか?


絵画インストラクターの松本です。大人がゆったり楽しめる美術系のお話をお届けします。どうぞよろしくお願いいたします。

おすすめの記事
2023/07/16 04:24 - 絵画インストラクター松本
2023/07/16 04:09 - 絵画インストラクター松本
2023/07/10 16:45 - 絵画インストラクター松本
2023/07/8 06:42 - 絵画インストラクター松本
2023/07/6 01:49 - 絵画インストラクター松本
2023/07/5 06:46 - 絵画インストラクター松本