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【File.2】桃源郷~自らセフレな女でいることを選んでいた紗枝子のダメ恋

【File.2】桃源郷~自らセフレな女でいることを選んでいた紗枝子のダメ恋


はじまり

タイトルにある桃源郷は「世俗を離れた別世界」と訳されます。

たとえ彼女になれなくても、彼に身体を求められているときだけは、その時間だけ、その空間だけが別世界であるかのように、私がこの世界に必要とされ、存在していても許されることの証でした。

そんな彼との出会いから紹介していきたいと思います。

 

第一印象は最悪

私が新入社員として彼の部署に配属されたことがきっかけでした。

その当時、私は22歳で彼は23歳です。

彼の第一印象は冷たくて、自己中心的という最悪なものでした。

緊張している私が話しかけても笑顔もなくて、目も合わせない感じ。

複数人の新入社員が1人の先輩から教わるような場面でも、彼は1人で前のめりになって周りのペースを考えずに進めるような人でした。

私自身が仕事覚えが早い方ではなかったため、彼のような自信家タイプは苦手でした。

 

 印象の変化

ある時、彼の印象がガラッと変わる出来事がありました。

私が仕事で困った時、そっけない態度とはいえサラッと助けてくれたのです。

私が「ありがとう」というと、ニッコリ笑顔を見せてくれました。

今まで無愛想な人だと思っていたので、そのツンデレなようなギャップに、私は一瞬でやられてしまったのです!

それに私は、学生時代から自分より勉強も仕事もできるような男性を好きになる傾向があり、彼がピッタリ当てはまってしまったのです。

その後、彼と2人でOJTを受ける機会に多く恵まれたこともあり、仕事終わりに2人で飲みに行ったり、上司と部下という間柄だけではなく、個人的にどんどん距離が縮まっていきました。

そして季節が夏に変わった頃、彼に「部屋を見てみたい」と言われました。

こうして運命の分かれ道となる日が訪れたのです。

 

禁断の関係

私の部屋に彼を招き入れると、しばらくビールを飲みながら、ふたりでたわいもない話をしていました。

ほろ酔い気分で彼のひざを枕代わりに、私が寝転んでくつろぎ始めると、どんどんエッチな雰囲気になりました。

当たり前ですが、こうして一線を越えることとなったのです。

幸か不幸か、お互いに身体の相性が物凄く良いと感じました。

それからというもの、定期的に彼が家に来て、ただただ求め合うというパターンが日常化していきました。

私は彼の彼女になりたかったのですが、彼には学生時代から長く付き合っている彼女が居て、別れる気は全く無い様子でした。

彼と昼間にどこかへ出かけたり、2人で写真を撮ったりといった思い出もありません。

いつもヤリたい時だけ連絡をしてきて、セックスして帰って行く、といった感じです。

でも、私はそれでもよかった。

 

私にしか見せない顔

今思えば、何故あんなに夢中だったんだろう?と思います。

やっぱり恋は盲目と言いますか、手に入らないと思うと、余計に欲しくなるんですよね。

それに、職場では真面目な顔をして仕事をする彼を見ると、私にしか見せない、いやらしい顔を思い出し、興奮するんです。

彼が私を必要としてくれている、彼女はダメだけど、私にだけ本当の顔を見せてくれている、いつか私を選ぶかも、などと思い違いをしていたのだと思います。

彼とのセフレ関係は3年にも及びました。

その間に、実は私も他の人と付き合ってみたりもしたのですが、やっぱりカラダの相性的に彼が良いと思ってしまい、どの人も長続きはしませんでした。

職場でイライラしたときなどは、私からも彼を呼び、カラダを求めました。

そのときだけは彼は私を下の名前で呼んでくれ、私のことだけを見てくれます。

そうすると、どんな精神安定剤よりも効果的で、イライラがスッと落ち着いていきます。

その時間が永遠に続けば良いのに、とさえ思っていました。

 

気づき

それは、今の旦那と出会ったときでした。

私は25歳を迎え、そろそろ結婚を前提にお付き合いができる人を探さないと!と思っていた矢先、グループ会社合同のイベントで今の旦那に出会いました。

彼もまた私好みの年上で、見た目にもカッコよい外国人でした。

最初の頃は、彼が外国人だったこともあり、私たちは英語で会話をしていました。

彼は海外支店ではあるものの、私と同じような仕事内容の部署だったため、よく話が弾みました。

それに、英語圏の人ではないのですが、私よりも英語が上手で、自分より勉強も仕事もできるような男性が好きな私は、ますます魅かれていくようになりました。

決定的だったのは、日本語で会話をしたときです。

日系企業の海外支店で働く人なので、日本語もある程度上手なのですが、カタコトで話すため、話すペースがゆっくりになったり、英語で話していたときの仕事ができる男の雰囲気が一気に舌足らずになったり、とにかく可愛らしいのです!

セフレの彼に恋をしたときもそうですが、やっぱり私はギャップに弱いようで、完全に恋に落ちました。

 

満たされるということ

彼も私を気に入ってくれたようで、出会って2週間ほどで正式に付き合うこととなりました。

とは言っても、彼は会社合同のイベントが終わったらすぐに母国へと帰ってしまいましたから、超遠距離恋愛となってしまい、頻繁には会えませんでした。

今まで外国の人とは付き合ったことがありませんでしたが、日本人男性に比べて愛情表現をすごくたくさん言ってくれました。

毎日「愛してるよ」などの言葉を言ってくれ、連絡もマメにくれたため、会えなくても心は満たされるようになり、”愛されていると錯覚すること”で精神安定を肉体関係に求めていたセフレを必要としなくなりました。

もちろん今の旦那と付き合い始めた後もセフレからのお誘いはありましたが、愛されている自信からなのか、きっぱりと断る心を持てるようになりました。

その後に結婚をし、私は仕事を辞め、旦那の母国で生活を送るようになりました。

セフレとも完全に縁が切れました。

 

さいごに 

今30代になって思うことは、なんであんな人が好きだったんだろう?ということです。

10代後半〜20代前半頃は恋に盲目になって、追いかける恋愛を好みがちでした。

でも、この経験から少なくとも私は、女性は男性から追われて、愛される恋愛をした方が幸せに近づけると思っています。

「ガツガツ追われると冷める」や「優しいだけの男性は恋愛対象に見れない」という私の周りの女性意見もありますが、恋愛と結婚は別で、結婚をするなら、「男らしく想いを伝え続けてくれる人」や「優しくて気配りのできる男性」が絶対良いと思います。


今考えると、セフレは俺様気質で若いうちはドキドキ出来て良いけれど、100%結婚向きの男性ではありませんでしたから。

もし、私が今でも恋愛気質でそうした男性を追いかけていたなら、きっとこの結婚生活はうまくいかなかったでしょう。

旦那からの真摯な愛を真摯に受け止め、私からも愛を送りあえる関係が持てて、今は幸せです。


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