初恋相手が、私の人生初めての彼氏でした
私は中学校を卒業すると同時に親の都合で引っ越し、住み慣れた裏路地の繋がりすべてを把握し尽くした風景から、一転してゼロからのスタートをしました。
公立高校の入学式で隣になった彼は、見た目はちょっとヤンキーぽいのに面と向かっては恥ずかしいのか、上手に話せない、私にはちょっと新鮮なタイプの男の子でした。
右も左もわからないこの土地。
ほぼ同じ中学出身の人たちが集まるクラスの中、まだ友達のいない私は席が近かった彼を含め、何人かでLINEを交換しました。
そのおかげでみんながよく利用する雑貨店や、人気の駅前のカフェなどの情報に困ることはありませんでした。
ですから、ここでの生活に慣れ始めてきた頃、彼から急にLINEで告白をされた時は、全然気づかなくて、いつから私を好きに!?とビックリしたものです。
休み時間に普通の会話をしたり、放課後みんなで遊んだりと仲良くなっていたし、付き合わない理由もなく断りにくかったので、とりあえず付き合ってみることにしました。
とりあえず、というと聞こえが悪いかもしれませんが、そもそも恋愛をすること自体が初めてだったので、人を好きになる気持ちもよく分からなかったのです。
けれど、彼のことを【彼氏】として意識し始めたとたん、どんどん特別な気持ちが胸の奥の方に湧いてくるのが分かりました。
初めての感情!これが、恋愛!?
例えば教室で目が合うだけで嬉しかったり、休み時間にふざけている彼の声が廊下に響いて聞こえただけでドキドキしたり。
私以外の女の子と仲良くしてるのを見たらモヤモヤしたり、私もクラスの男子と仲良くしてるのを彼に見せつけて反応を伺ったりしたこともありました。
ほかにも、彼とのトーク画面をスクショしてぽやーっと眺めたり、返信した瞬間から既読になるのを延々と待ってみたり。
放課後は一緒に帰ったり、休日には待ち合わせてデートもしました。
それといって大きな喧嘩になることもなく、毎日がとても楽しくて、私は彼のことがどんどん大好きになっていきました。
彼の変化
付き合って一年が過ぎた頃でしょうか。
彼は交友関係が広がり、部活を通して他校にも友達ができ、私以外に新しい楽しみを見つけたようでした。
私との連絡や予定を疎かにすることが多くなり、今までは連絡もデートのお誘いも彼からがほとんどでしたが、だんだんと私ばかりになっていました。
そんな時、ようやく彼から「話がある。」と連絡が来たので、久しぶりに待ち合わせることになりました。
彼からの連絡がとても嬉しくて、そのLINEを見直すたびに、キャッ!と飛び起きて正座をしてみたり、ゴロゴロとベッドの上で転がったりしました。
当日の服装や話すこと、行きたい場所など想像してはムフフ♪という気分でした。
でも、急に彼から連絡だなんて、どうしたのかな、と不安な気持ちも湧き上がってきました。
まあ、女の勘というは当たるといいます…。
何日も前から洋服を決めて、髪をセットして、早起きしてメイクを頑張った当日、彼からの「かわいいね」を待っていた私に告げられたのは、「冷めたから別れたい。」という無慈悲な言葉でした。
振られました。
人生で初めての彼氏、初めての失恋でした。
彼のことを一番大好きだった時に振られたので、とても落ち込み、トラウマのようにそれから約4年間、彼のことを引きずりました。
彼の面影が消えない
友人から「男を忘れるには男しかない。」と言われたことで、別れてから4年の間、彼を忘れるためにたくさんの男性と恋愛をしました。
どの彼とも最初は楽しいのですが、結局上手くいかず別れてしまい、別れるとまた彼を思い出しては辛くなることを何度も繰り返していました。
別れた寂しさを埋めるためにまた彼氏をつくり、"常に彼氏がいないと寂しい" とか "別れたら彼氏に使っていた時間を何に使ったらいいのか分からない"という不安感もあり、いつしか生活のすべてが恋愛というような、恋愛体質、恋愛依存的になっていました。
その時その時の彼氏に冷たくされても、他の女の子と浮気をされても、別れたくない一心で、我慢をするようになりました。
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