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#2【葛飾北斎】富嶽三十六景「江都駿河町三井見世略圖」

#2【葛飾北斎】富嶽三十六景「江都駿河町三井見世略圖」


皆様こんにちは!
絵画インストラクターの松本です。

コロナワクチンの第1回目を打ってきました。
打つ方も打たない方も
一緒にこの時期を乗り越えていきましょうね!

それでは絵の解説です。


葛飾北斎ってどんな画家?
  • 江戸本所割下水にうまれる(1760-1849)
  • 浮世絵(木版画)の風景画というジャンルを築く
  • 画狂老人と呼ぶほど絵に人生を捧げる
  • 引っ越し93回!
  • 金銭管理が下手で画料はほぼ借金返済に
浮世絵「富嶽三十六景」って?
  • 全46枚!
  • 当初は36枚の予定が人気が出たため10枚追加された
  • 富士山を色々な場所から描く

富嶽三十六景「江都駿河町三井見世略圖」こうとするがちょうみついみせりゃくず


お正月のウキウキ感満載の絵ですね!

富嶽三十六景

手前には呉服屋さん。
お正月の初売りはきっと商売魂も燃えたと思います。
青空には凧が揺れています。

江都(こうと)とは江戸の別の呼び方です。

富士山
お正月の富士山はとても縁起がいいですね!
富士山

瓦師(瓦職人)
3人の瓦師が描かれています。
江戸時代に桟瓦(さんがわら)という今までにない軽い瓦が発明されました。
それから徐々に庶民層にまで瓦の屋根が普及していきました。
江戸時代以前は、瓦はお寺やお城に限られていたといいます。
瓦師

「寿」の凧
旧字体の「寿」。
めでたい意味の他、長命を祝う意味もあります。
凧

「現金掛け値なし」
絵の両側に三井越後屋の看板が見えます。
呉服屋としては画期的な正札どおりの値段で現金で販売したそうです。
全体的に呉服の値段が下がり、庶民に人気だったとのこと。
現金掛け値なし

看板

駿河町は現在の日本橋室町のこと

 今でも日本橋室町の江戸桜通りには日本橋三越本店があり、入口のライオン像をテレビで見たことのある方は多いのではないでしょうか。江戸時代に創業したお店が現代も続いていると思うと歴史を感じますね!
三井越後屋の歴史
1673年 創業
1904年 株式会社三越呉服店 設立
1935年 日本橋三越本店 本館が完成

現在の日本橋室町の様子
日本橋室町

 今も昔もこの通りは栄えていたのですね。
タイムスリップしたら三井越後屋で買い物したいです。(^^♪

 銀座の三越銀座店のライオン像は、新型コロナウイルスで大変ななか、営業を再開した際にマスクをつけていてニュースになっていました。(2020年5月30日)
 あれから1年たってワクチン接種が徐々に広がっています。ライオン像もマスクをする時代がくるなんて誰も予想しなかっただろうなと思います。コロナに負けず、これからもずっとお店の歴史を重ねてほしいです!

北斎の三角の構図

 絵でも音楽でも「繰り返しの心地よさ」があると思います。江都駿河町三井見世略圖では三角の構図が繰り返されています。

構図
大小さまざまな三角が配置されることで視覚的な心地よさと面白さが感じられます。
富士山が三角形なのでそれを活かした構図です。

見る人を楽しませようとする北斎の遊び心が光る1枚です!

7月の真夏にお正月の絵を見るのはちょっと違和感がありましたか?(^^;)
私は家族と過ごすクリスマスとお正月が好きなので「早く年末にならないかなぁ」と思ってしまいました。

以上「富嶽三十六景 江都駿河町三井見世略圖」の解説でした!
次回は「富嶽三十六景 東都駿臺(とうとするがだい)」です。
お楽しみに!

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