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#7【葛飾北斎】富嶽三十六景「五百らかん寺さゞゐどう」

#7【葛飾北斎】富嶽三十六景「五百らかん寺さゞゐどう」


皆様こんにちは!絵画インストラクターの松本です。

アニメーターの頃「女の子が貝殻を持ってまじまじと見る」という原画を描きました。
が、貝殻が描けなくて苦戦したのです。
先輩の修正が入り何とか仕上げたのですが・・・。

「色々な物事を知らないと絵って描けないんだ・・・!」

という当たり前のことに気付いた出来事でした。
(^^;)

タイトルに「さざえ」が入っていたために
思い出したエピソードです。
(回廊がらせん状だったということで
絵に貝殻は出てきませんがっ。)

それでは解説です!

葛飾北斎ってどんな画家?
  • 江戸本所割下水にうまれる(1760-1849)
  • 浮世絵(木版画)の風景画というジャンルを築く
  • 画狂老人と呼ぶほど絵に人生を捧げる
  • 引っ越し93回!
  • 金銭管理が下手で画料はほぼ借金返済に
浮世絵「富嶽三十六景」って?
  • 全46枚!
  • 当初は36枚の予定が人気が出たため10枚追加された
  • 富士山を色々な場所から描く
  • 鮮やかな青「ベロ藍」プルシアンブルーの使用
  • 西欧諸国でジャポニスム(日本趣味)の要因となる

富嶽三十六景「五百らかん寺さゞゐどう」ごひゃくらかんじさざえどう

五百らかん寺さゞゐどう

富嶽三十六景といえばこの絵!と見た覚えのある方も多いと思います。

グレーの広い部分は隅田川。その向こうに富士山が見えます。
五百羅漢寺3階からの眺望です。見物客がくつろいでいますね。

さざえ堂と呼ばれたのは回廊がらせん状だったことに由来します。

富士山
雲一つない空が爽やかです。
富士山

旅人
夫婦と思わしき二人が巡礼の旅をしています。
旅人

オシャレな人
羽織の模様が素敵です。
オシャレな人

武士
刀を差しています。
武士も富士山見物を楽しんだのですね。
武士

前帯の女性
前帯は既婚者の締め方。お子さんと富士山見物。
親子

五百羅漢寺は現代の江東区大島

五百羅漢寺

西大島駅の建物の左側に石碑が見えますでしょうか。
周辺は建物が多く今は富士山が見えませんが「五百羅漢跡」とあります。
ここに五百羅漢寺あったと思うと感慨深いですね。
(^^)

五百羅漢寺自体は安政の大地震のあと、目黒に移っています。

透視図法を活かした北斎の構図

透視図法

透視図法では平行な線は一点に集中します。
その集中点のことを消失点といいます。

五百羅漢寺さざえ堂では富士山に消失点があり、見ている人が集中する仕掛けです。

登場人物が皆うしろ姿なので、まるで自分もそこにいるよう。
高いところから眺望を楽しむという感覚は、江戸時代も今も変わらないのですね!
(^^♪

以上「富嶽三十六景 五百らかん寺さゞゐどう」の解説でした。
次回は「富嶽三十六景 青山円座松」(あおやまえんざまつ)の解説です。
お楽しみに!!

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