#7【葛飾北斎】富嶽三十六景「五百らかん寺さゞゐどう」
#7【葛飾北斎】富嶽三十六景「五百らかん寺さゞゐどう」
2021/08/13 24:50 |
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皆様こんにちは!絵画インストラクターの松本です。
アニメーターの頃「女の子が貝殻を持ってまじまじと見る」という原画を描きました。
が、貝殻が描けなくて苦戦したのです。
先輩の修正が入り何とか仕上げたのですが・・・。
「色々な物事を知らないと絵って描けないんだ・・・!」
という当たり前のことに気付いた出来事でした。
(^^;)
タイトルに「さざえ」が入っていたために
思い出したエピソードです。
(回廊がらせん状だったということで
絵に貝殻は出てきませんがっ。)
それでは解説です!
葛飾北斎ってどんな画家?
富嶽三十六景といえばこの絵!と見た覚えのある方も多いと思います。
グレーの広い部分は隅田川。その向こうに富士山が見えます。
五百羅漢寺3階からの眺望です。見物客がくつろいでいますね。
さざえ堂と呼ばれたのは回廊がらせん状だったことに由来します。
富士山
雲一つない空が爽やかです。
旅人
夫婦と思わしき二人が巡礼の旅をしています。
オシャレな人
羽織の模様が素敵です。
武士
刀を差しています。
武士も富士山見物を楽しんだのですね。
前帯の女性
前帯は既婚者の締め方。お子さんと富士山見物。
西大島駅の建物の左側に石碑が見えますでしょうか。
周辺は建物が多く今は富士山が見えませんが「五百羅漢跡」とあります。
ここに五百羅漢寺あったと思うと感慨深いですね。
(^^)
五百羅漢寺自体は安政の大地震のあと、目黒に移っています。
透視図法では平行な線は一点に集中します。
その集中点のことを消失点といいます。
五百羅漢寺さざえ堂では富士山に消失点があり、見ている人が集中する仕掛けです。
登場人物が皆うしろ姿なので、まるで自分もそこにいるよう。
高いところから眺望を楽しむという感覚は、江戸時代も今も変わらないのですね!
(^^♪
以上「富嶽三十六景 五百らかん寺さゞゐどう」の解説でした。
次回は「富嶽三十六景 青山円座松」(あおやまえんざまつ)の解説です。
お楽しみに!!
アニメーターの頃「女の子が貝殻を持ってまじまじと見る」という原画を描きました。
が、貝殻が描けなくて苦戦したのです。
先輩の修正が入り何とか仕上げたのですが・・・。
「色々な物事を知らないと絵って描けないんだ・・・!」
という当たり前のことに気付いた出来事でした。
(^^;)
タイトルに「さざえ」が入っていたために
思い出したエピソードです。
(回廊がらせん状だったということで
絵に貝殻は出てきませんがっ。)
それでは解説です!
葛飾北斎ってどんな画家?
- 江戸本所割下水にうまれる(1760-1849)
- 浮世絵(木版画)の風景画というジャンルを築く
- 画狂老人と呼ぶほど絵に人生を捧げる
- 引っ越し93回!
- 金銭管理が下手で画料はほぼ借金返済に
- 全46枚!
- 当初は36枚の予定が人気が出たため10枚追加された
- 富士山を色々な場所から描く
- 鮮やかな青「ベロ藍」プルシアンブルーの使用
- 西欧諸国でジャポニスム(日本趣味)の要因となる
富嶽三十六景「五百らかん寺さゞゐどう」ごひゃくらかんじさざえどう
富嶽三十六景といえばこの絵!と見た覚えのある方も多いと思います。
グレーの広い部分は隅田川。その向こうに富士山が見えます。
五百羅漢寺3階からの眺望です。見物客がくつろいでいますね。
さざえ堂と呼ばれたのは回廊がらせん状だったことに由来します。
富士山
雲一つない空が爽やかです。
旅人
夫婦と思わしき二人が巡礼の旅をしています。
オシャレな人
羽織の模様が素敵です。
武士
刀を差しています。
武士も富士山見物を楽しんだのですね。
前帯の女性
前帯は既婚者の締め方。お子さんと富士山見物。
五百羅漢寺は現代の江東区大島
西大島駅の建物の左側に石碑が見えますでしょうか。
周辺は建物が多く今は富士山が見えませんが「五百羅漢跡」とあります。
ここに五百羅漢寺あったと思うと感慨深いですね。
(^^)
五百羅漢寺自体は安政の大地震のあと、目黒に移っています。
透視図法を活かした北斎の構図
透視図法では平行な線は一点に集中します。
その集中点のことを消失点といいます。
五百羅漢寺さざえ堂では富士山に消失点があり、見ている人が集中する仕掛けです。
登場人物が皆うしろ姿なので、まるで自分もそこにいるよう。
高いところから眺望を楽しむという感覚は、江戸時代も今も変わらないのですね!
(^^♪
以上「富嶽三十六景 五百らかん寺さゞゐどう」の解説でした。
次回は「富嶽三十六景 青山円座松」(あおやまえんざまつ)の解説です。
お楽しみに!!
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臨場感がありますね~!一緒になって、富士山を見ている気分になります。見物客はみんな後ろ姿ですが、雄弁に心情を語っていて「さすが北斎」と思いました。さざえ堂と富士山の間の灰色っぽい空間は沼?ただの土地?そこだけ不思議に思いました。本当に何もわからないド素人ですみませんっ。でも、今回も勉強になり、楽しかったです!ありがとうございました!
48ライターチョコお茶様
49コメントありがとうございます!灰色っぽい空間は隅田川の川面です。ご指摘ありがとうございます。修正して記事に反映させていただきますね。言われてみれば何で灰色っぽい色なのだろう?と不思議に思いましたが、資料が見つけられず、謎のままで申し訳ありません。
(^^;)
くつろいでいる人々のほとんどを後ろ姿で描くというのが粋だなぁと思いました。46枚すべてに見どころがあり、全てが代表作といえるほどのクオリティを保つ「ザ・職人技!」が素晴らしいなあと思います。読んでいただきありがとうございました!
(^^ゞ
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