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#11【葛飾北斎】富嶽三十六景「礫川雪の且」

#11【葛飾北斎】富嶽三十六景「礫川雪の且」


皆様こんにちは!
絵画インストラクターの松本です。

北斎の記事を書く前、一番にすること。
それは絵の題名の読みを調べることです。
旧字体や見慣れない字があり、
調べないとタイトルが読めないという・・・。

今回も(^^;)調べました。
「礫川雪の且」の「且」は「旦」の
間違いだったのではと言われていまして
「巨匠でも題名を間違うことあるんだ」
と親しみを感じました。
(もしくは彫師の方が堀間違えた?)

そんな苦労話も楽しんでいただけたらと思う美術談話です。
ではでは富嶽三十六景の11枚目の解説です!

葛飾北斎ってどんな画家?
  • 江戸本所割下水にうまれる(1760-1849)
  • 浮世絵(木版画)の風景画というジャンルを築く
  • 画狂老人と呼ぶほど絵に人生を捧げる
  • 引っ越し93回!
  • 金銭管理が下手で画料はほぼ借金返済に
浮世絵「富嶽三十六景」って?
  • 全46枚!
  • 当初は36枚の予定が人気が出たため10枚追加された
  • 富士山を色々な場所から描く
  • 鮮やかな青「ベロ藍」プルシアンブルーの使用
  • 西欧諸国でジャポニスム(日本趣味)の要因となる

富嶽三十六景「礫川雪の且」こいしかわゆきのあした


礫川雪の且

富嶽三十六景で唯一の雪景色。
夜にふった雪を朝になって「わぁ綺麗だね」と思う気持ち。
江戸時代も今も変わらないのですね。

2階建ての茶屋から雪見を楽しんでいる光景です。

雪の美しい富士山
富士山


ぼかしの技術。
空

三羽の鳥
絵に動きが加わり魅力的に。
鳥

雪見を楽しむ人たち
茶屋

夏ですが、早くも雪の日が楽しみになってきました。
(^^♪

礫川は現在の文京区小石川


現在の文京区小石川
文京区小石川

絵の舞台となったあたりに
公園があります。

礫川公園
東京メトロ丸の内線「後楽園」駅の近くにある公園。
園内には桜が植えられています。
礫川公園

二つの図法が合体している北斎の構図


こちらの絵には二つの図法が合体しています。

遠近法・・・近くのものは大きく、遠くのものは小さく見える
平行投影図・・・近くのものも遠くのものも、同じにみえる

構図

平行投影図はプラモデルの説明書など
物を分かりやすく認識することができる
描き方です。

それと遠くのものは小さく見える
遠近法を組み合わせた一枚です。

遠近法として正しい絵ではありません。
しかし!
重要なのは「絵になっていること」なので、
二つの図法を組み合わせたのだと思います。

常識にとらわれず表現すること。
北斎神の心意気を感じる1枚です。

8月真っ只中に雪の絵というのも
粋ですね。

以上「富嶽三十六景 礫川雪の且」でした。
次回「富嶽三十六景 御厩川岸両國橋夕陽見」(おんまやがしより りょうごくばしゆうひみ)の解説です。
お楽しみに!


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