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#20【葛飾北斎】富嶽三十六景「東海道品川御殿山ノ不二」

#20【葛飾北斎】富嶽三十六景「東海道品川御殿山ノ不二」


皆様こんにちは!
絵画インストラクターの松本です。

今回は春の絵。
美しい桜をご堪能下さい!


葛飾北斎ってどんな画家?
  • 江戸本所割下水にうまれる(1760-1849)
  • 浮世絵(木版画)の風景画というジャンルを築く
  • 画狂老人と呼ぶほど絵に人生を捧げる
  • 引っ越し93回!
  • 金銭管理が下手で画料はほぼ借金返済に
浮世絵「富嶽三十六景」って?
  • 全46枚!
  • 当初は36枚の予定が人気が出たため10枚追加された
  • 富士山を色々な場所から描く
  • 鮮やかな青「ベロ藍」プルシアンブルーの使用
  • 西欧諸国でジャポニスム(日本趣味)の要因となる

富嶽三十六景「東海道品川御殿山ノ不二」とうかいどうしながわ ごてんのやまのふじ


富士と桜が
なんとも美しい1枚です!!

東海道品川御殿山ノ不二

御殿山は歴代将軍の鷹狩の休憩所であり、
また桜の名所でした。

絵を見ていると
花見に行きたくなります。
(^^♪
日本人はいつから花見を
楽しみだしたのでしょうか。

花見の歴史

奈良時代 貴族が梅の花を愛でる
平安時代 貴族が桜を愛でる
江戸時代 桜の品種改良が進み
     庶民も桜の宴を楽しむ
     三代将軍家光 上野に桜を植える
     八代将軍吉宗 飛鳥山に桜を植える

将軍が率先して桜を植えることで
桜の名所が増え、
庶民も花見を楽しめたのですね。

絵の見どころ解説。

桜と富士山
桜全体はピンク、
花の一つ一つが白色で
丁寧に表現されています。

富士山

ござを敷いて花見
江戸時代も現代もござは花見に必需品!

ゴザ

家族連れ
お父さん、お母さん、子供達。

子供

家族団らんって
いつの時代も心が温かくなりますね。


品川御殿山は現代の品川区北品川


品川区北品川
御殿山庭園の風景です。

御殿山庭園

高台の庭園。
園内には人工滝があり
落ち着いた雰囲気です。
(最寄駅は北品川)

約2000坪と広く
四季を楽しめるので
散策にオススメです!

北斎の構図 日の丸構図

構図的には
大きな円にまとまって
桜が描かれています。

構図

三角でまとめることが多い
富嶽三十六景ですが
今回は大きな円で
迫力のある構図となっています。

中央に円の構図は
日の丸構図と呼ばれています。

構図には心理的な効果があるんですよ!

三角の構図・・・安心、安定
逆三角形の構図・・・不安
日の丸構図・・・主題の主張

ただ写真や絵の構図で
日の丸構図を扱うのは難しいです。
平凡すぎてタブーと思われています。
(^^;)
なので、写真や絵で
日の丸構図を使うときは
「あえてやる」
「ハッキリとした意志がある」
と感じられます。

そしてもう一つ
タブーと思われている構図。

それは「腹切り構図」。
水平線が2分の1、
半分のところにあるのが
確認できますでしょうか。

構図

画面を半分に切ることは
腹切り構図と呼ばれ
見る人を不安にさせます。

ですが、
現代はタブーと思われている
日の丸構図と腹切り構図を使って
不安どころか
春の日差しの温かさを感じる
魅力的な絵になっていますね!!
(^^♪

さすが北斎神!!

私が絵を描くときは
怖くて画面を
中央で二つに割るのは
絶対にできないな~・・・
と思っています。
(^^;)
(自信がないと使いこなせないです。)

北斎は細かく描く前に
構図で遊んでいたんだろうなぁと
感じずにはいられません。

桜と富士山、
人々のしぐさ、構図、
すべてが見どころの「東海道品川御殿山ノ不二」でした。

次回は「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(かながわおきなみうら)の解説です。
日本で、世界で、有名な1枚!
どうぞお楽しみに!!
神奈川沖浪裏


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