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Beija flor #2 Avaricioso Ⅱ

Beija flor #2 Avaricioso Ⅱ


サントメプリンシペ、この国は火山島で島国だ。

赤道近くなので、すごく暑い国。元々治安悪い国だったが、最近少し治安が良くなってはいるみたいだ。だけど、やはり食料不足やインフラ整備が整ってないなどの理由から、治安は悪いまま。強盗、殺人などが行われている。短い時間での旅行ならいいだろう。治安が悪い国とは言え、ロラス島や自然公園、綺麗なオーシャンリゾートがある。楽しめるアフリカ国でもある。

 

塩島は、日本を離れその国に向かっていた。今、船の上に居た。綺麗な青い海を眺めながら、あのUSDはなんだろうか、とか考えながらサントメにゆっくりと向かっていた。すると、船の先端の方からなにやらぶつかった音がした。激しい音だ。

 

〈しおじま〉な、なんだ?

 

急いで、塩島はその音へなる方へむかった。すると、バン! と大きな発砲音が聴こえた。日本ではまず聴き慣れない音だ。

 

先端に着くと、タバコ咥えた目つきの悪い女性が銃を船長に向けていた。船長この船の操縦士、ブラジル人のナシメントさんだ。そのナシメントさんが両足を撃たれ苦しそうに悶えている。痛そうだ。血が出ている。

 

塩島はそのまま見ることしかできなかった。

 

すると、その目つきの悪い女性は塩島の顔を見た。

 

その姿はまるで、クリスティン・スピッツのような美麗な殺人鬼のようだった。

 

その女性は胸ポケットから1枚の紙切れを出して、塩島の顔とその紙切れと、見比べていた様子だった。

 

何回か見比べ終わると、女性は話掛けてきた。

 

「てめぇが塩島か?」とスペイン語だった。

 

塩島は焦っていたのか、慌てていたので、迂闊に日本語で答えてしまった。

 

すると、その女性は銃を撃った。遂に船長の心臓を撃って殺してしまった。おれは恐くて、尻もちをついてしまった。

 

そして、先程の銃口は塩島を向けていた。

 

〈ニーノ〉お前、バカか? ここはJapón日本じゃねえんだ、スペイン語話しやがれ! じゃねぇとこの男殺すぞ?

 

〈しおじま〉せ、船長はもう死んで、ます……

 

〈ニーノ〉あ? うるせえな、そんな事わかってんだよ? 2度殺すぞ? ついでにてめぇも

 

と、そこに女性の腰に身につけていたトランシーバーが反応した。

 

男の声だった。早く用件を済まして戻れという指令だった。

 

〈ニーノ〉了解

 

〈しおじま〉え、

 

〈ニーノ〉おい、そこのお前、お前は私と来な

 

〈しおじま〉え、えー

 

〈ニーノ〉えー、じゃねえよ、殺すぞ

 

そういうと、紐で両手を縛り、女性が乗ってきた小さなボートに乗せられ、塩島は拐われてしまった。

 

〈しおじま〉トホホ……

 

 

 


 

 

その頃、日本。

 

塩島のいた会社、鹿守の社長室では部長の遠北さんと社長の井ノ原さんがなにやら話していた。

 

〈井ノ原〉遠北部長、例の男は大丈夫ですか?

 

〈遠北〉ええ、問題ありません。連絡も入り、サントメに向かってるそうです。そして、あの人らの事も、問題ありません

 

〈井ノ原〉彼でよかったのかね? 本当に任務を遂行できるのかね?

 

〈遠北〉問題ありません。彼にはアフリカの海の藻屑とともにあのデータを消させて頂くこと。それが重要です。なにも問題ないです。それにあのデータにこそ、莫大なお金がかかってます。今回、成功すれば、その報酬4割が弊社に振り込まれる予定です

 

〈井ノ原〉ふふふ、それならあの男はもう戻れないな

 

〈遠北〉元々、居なくてもいい存在。クズでダメ人間です。もし、失敗したらそこらのゴロツキでも雇って始末させましょう

 

〈井ノ原〉そうだな、ところであの男、なんて名前だったかな?

 

〈遠北〉塩島、塩島育登です。まあ、もう居なくなる人間です

 

〈井ノ原〉そうだな、覚えなくてもいいな!全ては金の為! はっはははは!!

 

と、2人で笑っていた。

 

どうやら、塩島のサントメ行きにはワナとその後ろにはとんでもない闇があるようだ。

 

金の為に人をも消す。そんな会社だ。しかも、自分達の地位の確立、保つために塩島はアフリカの海で死んでもらう。そんな思惑だった。さらに、一緒に持たせたUSD、あれにはこの会社での輸入での不正を幾つかしており、このパンデミックの状態により、輸入先での検査を受けることになる。その時やっていた不正がバレるかもしれない。

 

そう、思った会社はそのUSDを最恐マフィア、チロル・グロゥに受け渡す事を考えた。この事は塩島には知らされていなかった。

そして、その額は何億とも言える金額だった。4割とは言え、莫大なお金が入る。まさに、金の亡者ならぬ、金の亡社だ。

 

そして、サントメに向っていた塩島は乗っていた船を襲われ、連れ去らてしまった。

 

絶望的でしかなかった。サントメ行きにされ、乗っていた船を襲われ、目の前で船長殺され、銃口向けられ、そしてついに拐われるという出来事。これは死んだな、と頭を過ぎっていた。何度も。

 

そうなってしまった元日本のサラリーマン。この先、塩島の命はどうなってしまうのか。

 

 

 

ー #2 Avaricioso Ⅱ. 金の亡者2 ー 続く。


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趣味は多趣味です。音楽は欠かせない!
あとですね、書きたいことは「自由帳」という形で進めて行きますので、毎日内容は違いますし、飽きないかなと思われます。
よろしくお願いします。

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