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#31【葛飾北斎】富嶽三十六景「駿州大野新田」

#31【葛飾北斎】富嶽三十六景「駿州大野新田」


皆様こんにちは!
絵画インストラクターの松本です。

今回の絵は
早朝説と夕方説がります。

皆様、
絵をみてどちらか想像してみてください!

葛飾北斎ってどんな画家?
  • 江戸本所割下水にうまれる(1760-1849)
  • 浮世絵(木版画)の風景画というジャンルを築く
  • 画狂老人と呼ぶほど絵に人生を捧げる
  • 引っ越し93回!
  • 金銭管理が下手で画料はほぼ借金返済に
浮世絵「富嶽三十六景」って?
  • 全46枚!
  • 当初は36枚の予定が人気が出たため10枚追加された
  • 富士山を色々な場所から描く
  • 鮮やかな青「ベロ藍」プルシアンブルーの使用
  • 西欧諸国でジャポニスム(日本趣味)の要因となる

富嶽三十六景「駿州大野新田」(すんしゅうおおのしんでん)

農夫の生活を垣間見る一枚!
「お疲れ様でした!」と
声かけをしたくなるような
もうすぐ作業が終わるような雰囲気です。

駿州大野新田

こちらの絵は
●早朝説
●夕方説
と、あるのですが
私は夕方説を押しています。

葦を運ぶのは昼~夕のような気がするし
一日の終わりのような印象を
受けるからです。

皆様は朝と夕、
どちらだと思いますか!?

追記
「霞は早朝に出ることが多い」という
ご意見をいただきまして、
「朝かも!?」と思い
地図で検証しました!
(気象上、霞は霧と分類)
富士山
富士山と富士市の位置、
浮世絵では光が右方向(東側)から
きていることから
朝日説が有力に!!ヽ(^o^)丿
(有力とういか、朝日でいいですよね!?)

貴重なご意見ありがとうございました!
追記おわり 2021/11/09

富士山

青の一文字ぼかしに
富士山の白が浮かびます。
富士山

シロサギ
神社で祀られるなど
神聖な鳥です。
シロサギ
白く、
首がS字カーブで
クチバシや足のシルエットが
細いのが特徴です。

農夫と牛
牛は葦を背負っています。
葦はすだれの材料になります。
農夫と牛
牛の目が怖い!
小学生の頃、
親戚の農家の牛舎で
牛が怖かったことを思い出しました。
(^^;)
ちょっと怖いですが
味わいのある牛の描き方です。

大野新田は現在の富士市

大野新田は
現在の静岡県富士市です。

駿河湾に面していて
富士川が流れています。

富士市「吉原駅」付近からの富士山
富士市「吉原駅」付近からの富士山

江戸時代、
東海道宿場町吉原宿がありました。
(東海道五十三次の14番目)

富士参詣の宿駅としても
賑わっていたそうです!


北斎の構図 リズミカル

牛の足さばきがリズミカルですね!
牛

そして数頭いる牛の背負う葦が
三角の相似が3つ並んでいます。

構図

また手前の沼と
空の霞がリンクして
奥にいくほど
幅がせまくなっています。
遠近

より遠近を感じますね!

農夫の何気ない日常と
リズミカルな構図が
楽しめる一枚でした!

以上「駿州大野新田」でした。
次回「富嶽三十六景 山下白雨(さんかはくう)の解説です。

お楽しみに!

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