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#38【葛飾北斎】富嶽三十六景「遠江山中」

#38【葛飾北斎】富嶽三十六景「遠江山中」


皆様こんにちは!
絵画インストラクターの松本です。

人を描くって本当に難しいと思います。

アニメーター時代、先輩に
「クロッキー(早書き)が一番絵が上達する」
と教わってから今も続けています。
が、もちろん道半ばです。(^^;)

今回の北斎は奇抜な構図が面白いと
取り上げられることが多いのですが、
私がまず思ったのは
人体の把握が神!!
と思ったことでした。

クロッキーでは
重心や全体をとらえることが重要です。

このようなイメージ↓
クロッキー
細かいところを描かなくても
何だか人に見えませんか?(^^)v

人体を捉えた上で
顔のパーツや服を上乗せして描くのです。

もし、人体をとらえていない上に服をきせると
とってもぎこちない絵になります。

北斎の絵は
全ての登場人物に自然なしなやかさがあります!
今回の絵にも
私は思わず見とれてしまいました!!

特に子供を背負い、片手にお弁当を持つ女性が。
(旦那さんに届けにきたもよう)

勉強になります!!
(道ははるか遠く眩暈がしますが・・・(^^;))

それでは富嶽三十六景の38枚目の解説です!

葛飾北斎ってどんな画家?
  • 江戸本所割下水にうまれる(1760-1849)
  • 浮世絵(木版画)の風景画というジャンルを築く
  • 画狂老人と呼ぶほど絵に人生を捧げる
  • 引っ越し93回!
  • 金銭管理が下手で画料はほぼ借金返済に
浮世絵「富嶽三十六景」って?
  • 全46枚!
  • 当初は36枚の予定が人気が出たため10枚追加された
  • 富士山を色々な場所から描く
  • 鮮やかな青「ベロ藍」プルシアンブルーの使用
  • 西欧諸国でジャポニスム(日本趣味)の要因となる

富嶽三十六景「遠江山中(とおうみさんちゅう)」


こんなに大きな木材!!
圧巻です!!


遠江山中

木挽き
(こびき)
大木を製材する職人。
起源は14世紀頃で
大幅に生産能率が
向上したといわれています。
木挽き

前挽き大鋸
(まえびきおおが、まえびきおおのこ)
ひとりで挽くことができる大鋸。
大鋸

焚火の番をする子供
煙が木材とは反対方向へ伸びて
画面に安定感がでています。
焚火

お弁当を届けにきた女性
親近感!!(^^)
お子様のお世話もお疲れ様です!

女性

遠江は静岡県の西部に位置します。

北斎の構図


木材と地面にできた
三角形の空間から
富士山が見えます。

北斎らしい大胆な構図です!!
構図

構図、人物描写、
どれも見応えのある一枚となっています。
(^^♪

以上「遠江山中」でした。
次回「富嶽三十六景 東海道吉田(とうかいどうよしだ)」の解説です。

お楽しみに!


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