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#42【葛飾北斎】富嶽三十六景「甲州三坂水面」

#42【葛飾北斎】富嶽三十六景「甲州三坂水面」


皆様こんにちは!
絵画インストラクターの松本です。

北斎の絵を解説していて気付いたこと。

「遊び心」のある人だということです。
(^^)/

なので見る側の私たちも
楽しんで観賞できるのですね!

葛飾北斎ってどんな画家?
  • 江戸本所割下水にうまれる(1760-1849)
  • 浮世絵(木版画)の風景画というジャンルを築く
  • 画狂老人と呼ぶほど絵に人生を捧げる
  • 引っ越し93回!
  • 金銭管理が下手で画料はほぼ借金返済に
浮世絵「富嶽三十六景」って?
  • 全46枚!
  • 当初は36枚の予定が人気が出たため10枚追加された
  • 富士山を色々な場所から描く
  • 鮮やかな青「ベロ藍」プルシアンブルーの使用
  • 西欧諸国でジャポニスム(日本趣味)の要因となる

富嶽三十六景「甲州三坂水面(こうしゅうみさかすいめん)」


明るい富士山が印象的!
静寂な湖面を

一隻の舟がゆるりと浮かんでいます。

甲州三坂水面

富士山が明るいのは
明け方だからでしょうか。

河口湖から見える富士山


描かれたのは
山梨県南都留郡富士河口湖町です。

河口湖から見える富士山
河口湖

情緒があって
いいですね!(^v^)

北斎の構図


今回の北斎の構図・・・
絵をみていて何か違和感はありませんか?
(^v^)

小3息子に甲州伊沢暁を見せたところ、
「何かズレとるよ!?」
(九州弁です(^^))
と気付いてくれました!

そう!

水面には本来、このような
富士山が見えるはずです。

構図

しかし北斎は
点対称な図形にしています。
現実にはありえません。

また水面の中の富士山は
雪を多くかぶっていて冬模様です。

点対称

夏の富士山と
冬の富士山を
一枚の絵にしています。

「どうして冬景色も絵にいれたのだろう?」

という一つの答えが
対になるものを絵にいれたということです。

「夏」と「冬」、
または「真実」と「虚構」。

富士山の「静」と波の「動」というものが多い中、
こちらの絵は富士山も波も「静」ですが
意味を対にしている
北斎の遊び心が光る一枚です。
(^v^)

北斎の富嶽三十六景は
「この場所はどこだろう?
「何の意味があるのだろう?」
とついつい考えてしまうのが
面白いところですね!

以上「甲州三坂水面」でした。
次回「富嶽三十六景 甲州伊沢暁(こうしゅういさわのあかつき)」の解説です。

お楽しみに!


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