感触の不思議!「触れる」はとてつもない力を持っている!
感触の不思議!「触れる」はとてつもない力を持っている!
「手当」という言葉は、誰もが一度は使ったことがあるでしょう。
お腹が痛くなった時、思わずお腹に手を当てたという経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
温もりや肌触りの良いものは、実はとても不思議な力を持っています。
その実例を見ながら、生活に生かしていくヒントをお伝えしていきます。
◆肌ざわりは、人の性格、印象まで変える?
米国で行われた「肌触り」に関する実験で、次のようなものがあります。
町を行く人にパズルを行ってもらう。ピースは、滑らかなピースとざらざらなピースの2種類を用意した。その後、もらった宝くじをどのように分けたかを調査する。
<結果>
滑らかなピースを触った70パーセントの人→協調的に分けた。
ざらざらなピースを触った75パーセントの人→自己中心的な分け方をした。
肌触りの良いものは、人の心をここまで変えるのです。
また別の実験で、柔らかな布に触った人は、人の印象まで柔らかく優しい捉え方をすることも分かっています。
赤ちゃんを例に挙げてみましょう。
赤ちゃんの肌は、つるつるすべすべ。
可愛さもあって思わず触ろうとしてしまいます。
赤ちゃんに触れるとみんな温かな優しい気持ちになって笑顔になりますね。
それには、赤ちゃんのつるつるすべすべのお肌の感触が心地よいことも関係していると考えられています。
これらの事実を利用すれば、自分の心を優しくするだけでなく、物事の捉え方も変わり、癒しにつなげたり、印象を変えることができたりするということになります。
<生活に活かす知恵>
導ける結論として、自分の印象をよくしたいのなら、肌触りの良いものを身に着けて、適度なスキンシップを心がけましょう。
イライラしたときは、肌触りが良いものに触れて、その優しさを享受しましょう。
◆温もりは、健康にも効く
親しい人(同性、異性問わない)が手や背中を撫ぜるだけで、人はストレスホルモン「コルチゾール」が減少し、幸せホルモン「オキシトシン」が出しやすくなります。
オキシトシンは、ストレスを緩和するので、不安やうつ状態を改善してくれるのです。
人だけでなく、動物や肌触りが良いものでも、心が穏やかになる効果があると報告されています。
次のような実験が、大昔の神聖ローマ帝国で行われました。
<結果>
ほとんどの赤ちゃんが成長できずに死亡した。
このことから分かるように、人には温もりが必要です。
愛情がこもったスキンシップは、人の成長に良い影響をもたらします。
脳に「島皮質」という部位があるのですが、「島皮質」は脳全体のバランスを取り、働きを協調的にすることが分かってきています。
そして、自分の外側の感覚と内側の感覚をつなぐという役割もしていて、重要な部位です。
その大事な脳の部位「島皮質」の神経回路は、幼少期の身体的触れ合いによって発達することが分かっています。
<生活に活かす知恵>
子供の成長のために、幼少期にはめいっぱいスキンシップをしてください。
大人も自分の精神の安定のために、スキンシップを積極的に行ってくださいね。
触れるなら、1秒に5センチくらいの速さがベストです。
これは哺乳類が出産の後子をなめる速度と同じで、人にもストレス緩和だけでなく、体温を一定に保ったり、食べすぎを抑えたりする効果があります。
◆「タッチケア」の考え方から生まれたスウエーデン発祥のマッサージ「タクティールⓇケア」
スウェーデンで行われた実験をみてみましょう。
ラットの背中を人が筆で優しく撫でた。
<結果>
最初は「オキシトシン」は、分泌されなかったが、5分くらい続けると分泌されてきた。
この事実を体現しているマッサージが、1960年代スウェーデンの看護師の経験から考案されたタクティールⓇケアです。
未熟児を担当していたその看護師は、赤ちゃんの母親がするように、優しく包み込むように赤ちゃんに触れていきました。
すると、体重が増えるなど改善が見られたのです。
タクティールⓇケアの名前は、ラテン語の「触れる(Taktllis)」からきています。
その名の通り、背中や手や足を強くもみほぐすのではなく、優しく優しく撫でていきます。
すると、オキシトシンが分泌されてストレスが緩和されるだけでなく、脊髄の痛みを伝える働きが鈍くなり、身体的な痛みが軽減されるそうです。がんなどの治療に役立てられます。
医療現場や介護現場で役立てられるだけでなく、ご家庭や職場でも効果を発揮すると思います。
タクティールⓇケアには、基本のコース、フォローアップのコース、ステップアップのコース、手だけの施術のコース、ライセンス取得のコースなどがあります。
<生活に生かす知恵>
誰かを癒すには、もってこいの資格です。
興味のある方は、一度覗いてみてください。
◆終わりに
現在はコロナ禍ということもあり、人と人との物理的な距離が遠くなってしまいました。
それでも、大切な人とはなるべくスキンシップをはかったり、かわいいペットの毛触りに癒されたり、お気に入りの洋服に袖を通して肌触りを楽しんだりと、幸せホルモン「オキシトシン」を出し、穏やかな心になる手段はいくつかあります。
優しい気持ちでこの時代を生き抜くためにも、良いと思われたらぜひ実践してみてくださいね!
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触れる大事さを再認識しました!小1娘と毎朝手を繋いで登校しています。幸せな時間です~。(^^♪
40絵画インストラクター松本様
40娘さんと手をつなぐ時間は、とても素敵で貴重な時間ですね!特に小さい頃の親の温もりは、大人になっても忘れず、大切に思うものですから。ママの手のあたたかさを感じて、たわいない話をしながら歩く登校時間は、大げさではなく、記憶が薄れても、娘さんにとって宝の時間となるのではないでしょうか。お読みくださり、コメントもありがとうございました!
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