ホリック xxxHOLiC【映画・ドラマ・アニメ・小説・その他レビュー集】
ホリック xxxHOLiC【映画・ドラマ・アニメ・小説・その他レビュー集】
*はじめに
実写映画版『ホリック xxxHOLiC』が2022年4月29日に公開されます。
原作はCLAMP、監督は蜷川実花です。
筆者は蜷川実花の映画をフォローしています。
「フォロー」という言いかたをするのは、別にファンというわけではないからです。作品としておもしろいと思うわけじゃないけど、現代の日本映画の最先端を行く監督の一人だと感じているので、新作が公開されれば見に行きます。
そして実際、蜷川実花でないと作れないような映像がそこにはある。
もともと筆者は蜷川実花の父、蜷川幸雄のファンでした。
蜷川幸雄に関してはフォローではなくファンです。
蜷川幸雄演出の舞台、特にシェイクスピア演劇は、とてもおもしろかった。毎回圧倒されていました。
筆者は大学に英文学専攻で入っていて、大学に入学したあとシェイクスピアの戯曲を読み、そこからシェイクスピアを好きになりました。シェイクスピア演劇が上演されると聞くと色んな劇場に足を運び、その中で蜷川幸雄という人を知ります。
蜷川幸雄演出の舞台で最初に見たのは、さいたまネクストシアターの『蒼白の少年少女たちによる「オイディプス王」』でした。彩の国さいたま芸術劇場のインサイド・シアターで上演されたこの演劇は、コロッセオのように中央の舞台を観客が取り囲む客席の配置がなされていました。俳優の芝居をすぐそばで見ることができ、非常にしびれた記憶があります。
閑話休題、蜷川幸雄についてはまたどこかで触れるとして、その娘が写真家をやりながら映画監督をやっていると聞き、当時の最新作を見に行きます。
蜷川実花監督二作目の映画『ヘルタースケルター』です。
蜷川実花らしい極彩色をぶちこみまくった色彩は新しいと思う一方で、話としてはまとまってないなとも感じました。
この「話としてまとまっていない」点が良くも悪くも蜷川実花映画の特徴であり、筆者がファンになり切れない理由でもあったりします。やはり物語である以上は、なんらかの形で起承転結をつけてほしい。写真じゃないんだから。
本記事ではまず、映画公開前に解禁になっている情報をまとめます。このまとめを執筆している時点では映画はまだ公開されていません。映画を見たら、所感を追記する予定です。
*原作:CLAMP
原作はCLAMPです。
CLAMPはグルーブ名です。個人名でも会社名でもありません。女性四人組の漫画家グループです。
代表作は『xxxHOLiC』のほかにも色々ありますけど、筆者の世代的には『魔法騎士レイアース』(魔法騎士は「マジックナイト」と読みます)や『カードキャプターさくら』なんかが印象に強く残っています。
『魔法騎士レイアース』は当時の少女漫画では珍しく冒険ファンタジーとロボットアクションを合わせたような内容で、男子にも人気が高かったんじゃないかと思います。
筆者もアニメを夢中になって見ていました。特に第二部。
『魔法騎士レイアース』のアニメが放映されていたのは、1990年代半ばです。当時は今と違って声優という職業の認知度は低く、有名なタレントが声優として参加するということも多くはありません。
それこそポケモン映画くらいでしたよ、そんなことができるのは。
アニメとして大ヒットしたわけでない『魔法騎士レイアース』も例外ではありません。有名タレントの出演はなく、レギュラーのキャラクターの声は、有名どころだと緒方恵美、高山みなみ、大塚明夫あたりが務めています。
そんな中、しれっと声優として出演しているが高畑淳子です。
いや、この記事を書くためにレイアースについて調べていたら、出演声優の中に高畑淳子の名前があってびっくりしましたよ。
そりゃあ、キャリアの長い人なので、アニメの声優やってたって不思議じゃないですけど、そんな昔にそんな仕事をしていたなんて。
当時、高畑淳子がどれくらい知名度があったかわかりませんが、有名タレントがゲスト出演! みたいなノリではなさそうなので、なんだかリアクションに困ります。笑っていいのか。
アニメの声優の仕事はそんなにやっていないようですが、同じくCLAMP原作のアニメ『X』にも出演していたりもします。
ちなみにこの記事を執筆している3月下旬時点、YouTubeのTMSアニメ公式チャンネルで1話から3話まで無料公開されています。
*監督:蜷川実花
監督は蜷川実花です。
もとは写真家としてキャリアをスタートさせて、徐々に映像の分野に進出してきた人です。
映画は『ホリック xxxHOLiC』を含め、これまでに五作品監督しています。
以下、公開順に記載。
『さくらん』
『ヘルタースケルター』
『Diner ダイナー』
『人間失格 太宰治と3人の女たち』
『ホリック xxxHOLiC』
映画以外だとNetflixでドラマ『FOLLOWERS』をやったり、AKB48の『ヘビーローテーション』のPVも監督していたりします。
筆者は、蜷川実花監督映画をすべて見ています。
蜷川実花映画の特徴として、以下の点を説明したいと思います。
①物語より映像美、②ハーフ美女祭り、③商業映画で大胆な濡れ場の三点です。
①物語より映像美
「はじめに」にも書きましたけど、蜷川実花の映画は基本的に話がまとまっていません。唯一、『Diner ダイナー』だけがストーリーとして見られるものになっているぐらいで、そのほかは映像美を優先させるあまり、話がとっちらかる傾向にあります。
なので蜷川実花の映画を見る場合には、ストーリーには期待しちゃ駄目です。
求めるべきはストーリーではなく、映像の美しさです。テレビとかネットの動画ではできないような画作りにこそ、蜷川実花の真価があります。
②ハーフ美女祭り
蜷川実花の好みなのかわかりませんが、蜷川実花の映画にはハーフの女優がたくさん出演します。
『さくらん』の土屋アンナ、
『ヘルタースケルター』の沢尻エリカ、水原希子、鈴木杏(ハーフではなくクオーター)、
『Diner ダイナー』の玉城ティナ、
『人間失格 太宰治と3人の女たち』の宮沢りえ、
『FOLLOWERS』の池田エライザ、
といった感じです(被って出演している人は割愛)。
『ホリック xxxHOLiC』にも玉城ティナ、モトーラ世理奈、橋本愛が出ます。
主演の柴咲コウもかすってます。母親がクオーターらしいので、八分の一ロシア人って感じですね。
③商業映画で大胆な濡れ場
蜷川実花の映画といえば性描写です。
下世話かもしれませんが、なんだかんだ言って皆さん気になりますよね。
蜷川実花の映画にはR18指定がついていませんが、有名女優たちがけっこうな割合で脱ぐということでも有名です。
有名な俳優をたくさん使い、大きな企業スポンサーがつく商業映画としてはかなり異例です。
『さくらん』では菅野美穂や木村佳乃が男に胸を揉まれますし(乳首の露出はなし)、『ヘルタースケルター』では沢尻エリカが乳首を露出しながら性行為に及ぶ場面(もちろん性行為をしているふり)があります。『Diner ダイナー』では玉城ティナのシャワーシーンがあるぐらいでしたけど、度肝を抜かれたのが『人間失格 太宰治と3人の女たち』。
なんと、小栗旬が二階堂ふみの乳首をくわえます。
乳首をくわえているっぽく見せているではなく、本当にくわえてるんですよ。
映画館で見ててめちゃくちゃビビったのをおぼえています。マジかよ、こいつら。当時小栗旬はすでに結婚していて、子どももいました。山田優この芝居オーケーしたのか。肝っ玉座りすぎだろ。
『ホリック xxxHOLiC』では誰が脱ぐんでしょうね。ストーリー的に(原作にどれだけ忠実かわかりませんけど)性的な描写はそこまでなかったはずなので、期待は薄いかなとは思ってます。
まあ吉岡里帆が胸の谷間を出した写真が公開されていますので、もっとも可能性があるのは吉岡里帆かなという感じですかね。
ただ吉岡里帆はグラビアもちょくちょくやっているので、「お得感」は薄めかしら。
余談、蜷川実花映画は基本的にコメディー要素はないんですけど、『Diner ダイナー』では井出らっきょが蜷川幸雄コスプレをしたり、『人間失格 太宰治と3人の女たち』では高良健吾が三島由紀夫コスプレをしたりしていて、筆者は映画館で笑いをこらえるのが大変でした。
*脚本:吉田恵里香
脚本は吉田恵里香が担当します。
筆者的にはテレビドラマ、特にアイドル主演ドラマを得意とする脚本家というイメージですが、アニメファンは『TIGER & BUNNY』の脚本家としての印象が強いかもしれません。
以下、代表作です。
テレビドラマ
花のち晴れ〜花男 Next Season〜(杉咲花主演、King & Prince平野紫耀も出演)
DASADA(日向坂46主演)
声春っ! (日向坂46主演)
恋せぬふたり(岸井ゆきのと高橋一生主演。このドラマはいわゆるアイドルドラマではないですが、おもしろかったので記載)
全力!クリーナーズ(HiHi Jets主演)
テレビアニメ
TIGER & BUNNY
アニメ映画
思い、思われ、ふり、ふられ
蜷川実花と組むのは今回が初めてです。
蜷川実花の項目でも説明しましたが、蜷川実花映画ではあまり脚本は重視されない傾向にあるので、吉田恵里香の脚本がどれくらい映画の影響するかは未知数ですね。
*神木隆之介
メインキャラクターの一人、四月一日君尋を演じるのは神木隆之介です。
四月一日は「しがつついたち」ではなく「わたぬき」と読みます。
有名な俳優なので説明不要でしょう。
筆者的には大友啓史監督映画にちょくちょく出ているイメージが強いですね。
『るろうに剣心』(佐藤健主演)の瀬田宗次郎とか『3月のライオン』の桐山零とか。
俳優活動と並行して声優業もけっこうやっています。
スタジオジブリをはじめとした、有名どころのアニメ映画が多いですね。
以下、代表作。
『千と千尋の神隠し』
『ハウルの動く城』
『サマーウォーズ』
『借りぐらしのアリエッティ』
『君の名は。』
『メアリと魔女の花』
『天気の子』
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』
『100日間生きたワニ』
『ドラえもん のび太の恐竜2006』
『ドラえもん のび太の新恐竜』
あれ、『シンエヴァ』出てたっけ? と思ったそこのあなた、実は物語のラスト、成長した碇シンジの声をやっているのが神木隆之介なんです。
気づかなかった。
まあ気づかないほど自然に芝居ができているということなので、そういう意味では神木隆之介の勝ちですね。
こうして見ると、宮崎駿監督映画にも、細田守監督映画にも、新海誠監督映画にも、そして庵野秀明監督映画にも出演を果たしたことになります。日本のアニメ映画監督グランドスラム達成です。
*柴咲コウ
さらにメインキャラクターの一人、壱原侑子を演じるのは柴咲コウです。
こちらもやはり有名な俳優なので説明不要でしょう。
筆者的には、昔なら『オレンジデイズ』(妻夫木聡とともに主演)、最近だと『35歳の少女』なんかが印象に残っています。
『35歳の少女』では、この映画で共演する橋本愛と姉妹役で共演しています。
アニメだと『真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章』、『真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 激闘の章』、ゲスト出演のような感じで『名探偵コナン 絶海の探偵』にも出ています。
吹き替えだとディズニーの『クルエラ』や『マトリックス レザレクションズ』(キアヌ・リーヴス主演)に出ていたりします。
*松村北斗(SixTONES)
はい、ジャニーズです。
筆者もそこまで詳しくはないですが、SixTONESの中では俳優としての露出が多いほうですかね。
主な出演作は以下です。
『レッドアイズ 監視捜査班』(KAT-TUN亀梨和也主演)
『連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ』(上白石萌音、深津絵里、川栄李奈主演)
『恋なんて、本気でやってどうするの?』(広瀬アリス主演)
*玉城ティナ
『Diner ダイナー』の主演に引き続いての出演です。
蜷川実花ファミリーの仲間入りですね。
もとはモデル業をやっている人で、筆者が俳優としてしっかり認識したのは、それこそ『Diner ダイナー』からでした。
元乃木坂46の川後陽菜が推していたのが印象に残っています。
*DAOKO
もともとミュージシャンで、ちゃんとした演技は初めてのようですね。
一番有名な曲は米津玄師とのコラボで作った『打上花火』でしょう。
アニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の主題歌でした。
アニメ映画版『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』は、総監督を新房昭之、脚本を大根仁が担当しています。
出演者は広瀬すず、菅田将暉、宮野真守、松たか子、花澤香菜、梶裕貴、三木眞一郎といった豪華な面々でした。
『打上花火』を発表したのは2017年、翌年の2018年に米津玄師は代表曲『Lemon』を発表します。
『打上花火』の次に有名なのは『もしも僕らがGAMEの主役で』だと思います。
CygamesのCMソングですね。
Cygamesは「M-1グランプリ」「R-1グランプリ」「キングオブコント」のスポンサーをやっているので、それらの番組を生で見ているとよく流れてきます。
蜷川実花との関わりで言うと、『Diner ダイナー』の主題歌として、『千客万来』をDAOKO & MIYAVI 名義で作っています。
*モトーラ世理奈
ボックスコーポレーション所属です。
そうです、井桁弘恵、相武紗季、坂下千里子、中山エミリとかがいる事務所です。
父はイタリア系アメリカ人で、母は日本人らしいです。
蜷川実花好みのハーフ顔ですね。
*趣里
父は水谷豊、母は元キャンディーズ伊藤蘭です。
『ブラックペアン』(二宮和也主演)とか『DCU〜手錠を持ったダイバー〜』(阿部寛主演)とかに出てました。
*西野七瀬
元乃木坂46のメンバーです。
乃木坂46在籍中から俳優活動をしていて、『49』(Sexy Zone佐藤勝利主演、野島伸司脚本)や『電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-』なんかが印象に残っています。
『電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-』は監督を関和亮が務めています。
もともとミュージックビデオの監督をやっていた人で、嵐の「カイト」、藤井風の「燃えよ」、RADWIMPSの「愛にできることはまだあるかい」、星野源の「恋」などを手掛けていました。
乃木坂46を抜けてからはなんといっても『孤狼の血 LEVEL2』(白石和彌監督、松坂桃李主演)でしょう。
この映画で日本アカデミー賞新人俳優賞と優秀助演女優賞をとりました。
アニメだと『ONE PIECE FILM GOLD』に出ていたりします。
バラエティー番組だと『ライオンのグータッチ』とか、もう終わっちゃいましたけど『グータンヌーボ2』にレギュラー出演していました。
*てんちむ
YouTuberの人ですね。
筆者はYouTuberには詳しくないですけど、なんだか聞いたことあるなあと思ったら、あれだ、バストアップ商品で詐欺みたいなことやって炎上してたときにネットニュースで見たんですよ。
なんだかなあって感じです。最近だと違法賭博の疑惑まで出てきてるし、なんでこういう人を使っちゃうかな。
ただでさえ沢尻エリカの違法薬物の事件があったのに。
そういうアウトローはフィクションの中だけにしてほしいのだけど。
一応YouTuberになる前は一般的なタレントとして活動していた時期もあるようで、そのときに映画『テッド』日本語吹き替え版に出演したことはあるみたいです。
*橋本愛
あんまり知られていませんがハーフです。
母がスペイン人で、父が日本人らしいです。
やっぱりハーフ顔やん。
筆者の印象に残っているのは朝ドラの『あまちゃん』と、柴咲コウのところでも触れた『35歳の少女』ですね。
声優はほとんどやっていないようですが、CLAMP原案のアニメ映画『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』に出演しています。
*吉岡里帆
高校の同級生に、「響け! ユーフォニアムシリーズ」で有名な作家、武田綾乃がいるらしいです。
筆者的にはドラマ『カルテット』の印象が強いです。
脚本を坂元裕二、プロデューサーを佐野亜裕美、主演を松たか子が務めました。
『逃げるは恥だが役に立つ』(新垣結衣主演)の後番組で渋いイメージが強いですけど、今となっては『大豆田とわ子と三人の元夫』の前哨戦(?)みたいな位置付けになっていますね。
アニメの声優だと、『名探偵コナン から紅の恋歌』にゲスト出演しているほか、『空の青さを知る人よ』(監督は長井龍雪、脚本は岡田麿里、キャラクターデザイナーは田中将賀)や、『漁港の肉子ちゃん』(企画・プロデュースは明石家さんま、監督は渡辺歩、キャラクターデザイン・総作画監督は小西賢一、脚本は大島里美、美術監督は木村真二、アニメーション制作はSTUDIO 4℃)にも出演しています。
俳優として売れる前はグラビアをやっています。最近は俳優としての露出が増えてきたのでグラビアの頻度は減ってきているようですけど。なので役で胸を出すのはお手の物ですかね?
*磯村勇斗
『仮面ライダーゴースト』で有名になりました。
筆者的には『きのう何食べた?』(西島秀俊と内野聖陽主演)のジルベール役の印象が強いですね。
あと地味に覚えているのは『アバランチ』(綾野剛主演)第1話のゲスト出演。
バラエティー番組だと『ミライ☆モンスター』にもちょくちょく出演しています。
*映画を見た所感
映画鑑賞後に記載予定。
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