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夢の中で笑った母

夢の中で笑った母



忘れないうちに書いておこう

きのう(2022年4月14日)母の夢を見た。

母に会うのは久しぶりで
なんだか元気そうなのが嬉しかった。

そう、ぼくはもう夢の中でしか母に会えない。


2013年1月
ぼくの母は亡くなった。
胃がんを患い、全摘する大手術。
小さな体でそれを乗り越え、しばらくは元気だった。

でも再発した。

病床の上でどんどんやせ細っていく母。

ああ、この人は瘦せていくとおばあちゃんそっくりになる。

そんなことを思いながら弟とかわりばんこで母を見舞った。

治って欲しいと思ったが病魔は冷酷だった。

1月14日、
日付が変わってすぐ、母は息を引き取った。

その日はぼくの誕生日だった。

だからぼくは母の命日を忘れない。
忘れられるわけがない。


本当に最後の方、
母はいつもつらそうだった。

我慢づよい人で決して「痛い」とは言わなかった。

でも、きっと痛かったと思う
つらかったと思う

それでも息子に余計な心配をかけまいと言わなかった。

そんなに我慢せずともよいのにな。

でもそういう人なのだ。


夢の話から大分脱線してしまった。

不思議な夢だった。

大みそかの夜、
ぼくは数人の友達と除夜の鐘を聞きながら
夜の田舎道を歩いている。

そこに母もいた。

母がふいに立ち止まり、
「担当医に電話をかけなきゃ」といってスマホを取り出す。

どうやら病は患ったものの
手術がうまくいき、夢の中で母は少しずつ回復していた。

通話を終えると
母が急に走り出した。

友達の間を縫ってドンドン走っていく。

曲がり角の向こうで
母が両手をひざについて息を切らせている。

振り返る。

言葉はない。

ただ笑って、こう言っているように見えた。


走れた!


本当に嬉しそうな笑顔だった。

思わず抱きしめる。


ああ、良かったなあ。
そう思いながら、
母の背中をポンポンと叩いたところで目が覚めた。


別に感動的な話ってワケでもない。

それでも久しぶりに母に会えたのが嬉しかった。

ただ嬉しかった。

忘れてしまわないうちに記録しておこうと
いまこれを書いています。








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