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昭和なスナックの日常5

昭和なスナックの日常5


小説風 本当にあったお話
ある夜のとあるスナックでの出来事。
 
そこは昭和な雰囲気のスナック。
レトロ感漂う店内。
お客が15、6人も入れば満席になる。
そんな店内に今夜もお客がやってきた。
 
今夜もいつものように扉が開く。
カラン、カランと音がする。
そしていつものようにママが声を掛ける。
ママ
「いらっしゃいませ」

いつものようにお店を開け、お客さんとの世間話に花が咲き、程好い疲れが残ったある夜の出来事。

楽しんでもらえたようで、その日の最後のお客を気持ちよく見送ったママ。

そろそろ閉めようとカウンターから奥の部屋に移動して、片付けをしているときのこと。

何か違和感というのか、視線?、いや、誰かいる?と、感じた。
真後ろに誰かが立っているのがわかった。
ママが後ろを振り返ろうとしたときだった。
一瞬で恐怖が襲ってきた。
後ろから両手で首を掴まれた。

両手でジリジリと締め付けてくる。
とっさのことで、声が出ない。
それでも必死の抵抗をする。

相手は男性、自分より背が高い、それほど高くはないようだ。
突然の招かざる客?は、ママを甘くみていたようだ。
シニア世代の年齢だから、何も抵抗しないと思ったのだろう。
ママは、運動神経もよく体力もある。
フルマラソンもやっているし、毎日ジムに通って鍛えている。

強盗が目的か、わいせつが目的かはわからないが、ママは一瞬のスキをついて逃げ出した。

時間は深夜24時、辺りは寝静まった頃で、助けを呼ぶには不利な時間帯。
それでもママは、必死に逃げた。
走ることには自信がある。
直ぐ様警察に通報する。

警察が来てお店に戻ったが、犯人がいるはずもない。
大事には至らなかったが、ママの恐怖心はなかなかとれなかった。
犯人は見つからなかった。

それからは、少し時間が遅くなってきて、客がいない日は扉に鍵を掛けている。
お店をやっていることは明かりでわかる。
それでもお客は、ママに電話してからやってくる。
「ママ、まだやってるかい?」と。
ママは、いつでも笑顔で答える。
ママ
「はい。やってますよ。お待ちしてますね」
そういうと、扉の鍵を開ける。

週末はアルバイトの女性がいるが、平日や予約がない日は、ママひとりでやっている。
こんなことは二度とごめんだと話してくれた。

スナックを長くやっていると、色々な出来事に遭遇する。
またまだ他にも、想像すらしない出来事が起こっている。

今夜の話はいかがでしたか?
 
非日常が日常のスナックでの一夜の出来事を面白く小説風に描いていきます。
 
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~今回はここまで~
 
   2022年5月28日土曜日
 
      ライター:唯李
 
 
 









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唯李(ゆり)と申します。
stand.fmでオリジナル小説を朗読しています。
小説はモノガタリードットコムでアップしているものです。

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