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#61【葛飾北斎】諸国名橋奇覧「三河の八ツ橋の古図」

#61【葛飾北斎】諸国名橋奇覧「三河の八ツ橋の古図」


皆様こんにちは!
絵画インストラクター松本です。

葛飾北斎の「諸国名橋奇覧」
(しょこくめいきょうきらん)
は全11図。

11図


今回は「三河の八ツ橋の古図」の解説です!

「三河の八ツ橋の古図」


「三河の八ツ橋の古図」
(みかわのやつはしのこず)
三河の八ツ橋の古図

こちらの橋は
北斎が想像して描いた八ツ橋です。
古図=古い絵という意味で
古くて存在しないものに
思いをめぐらせたのですね!

三河の国・・・愛知県東部
八ツ橋・・・・伊勢物語に登場
伊勢物語・・・在原業平の旅の歌を集めたもの
「三河の八ツ橋の古図」・・・
伊勢物語の東下り(ひがしくだり)の段を題材にしている
カキツバタ・・・
湿地に群生する紫色の花。
絵にある人々もしばし花に見とれています。

伊勢物語の歌でよまれた和歌「東くだり」

らころも
つつなれにし
ましあれば
るばるきぬる
びをしぞおもう

語句の頭をつなげると
「かきつは(ば)た」になります。

意味は、
身になじんだ唐衣のような妻を残して
はるばる遠くまできた。しみじみと思う。
このような歌です。

北斎の構図


橋が不自然に盛り上がっています。
作るのが大変そうですし、
真っすぐ作ったほうがいいのでは・・・
とツッコミをいれたくなりますが
そこは北斎の遊び心!

人が北斗七星の位置に配置されているのです!

星にあわせて人を配置して
上下の変化のある橋を
思いついたと思われます。

構図

北斎は北斗七星を信仰していました。
名前の「北斎」は「北斎辰政」の略で
北斗七星にちなんでいます。

北辰(妙見信仰)・・・不動の星の北極星を妙見(みょうけん)として神格化
妙見・・・すぐれた目、真理を見通す

星の位置に人を配置する、
私は一つ勉強になりました!
(^^♪
いつかそのような遊び心をもって
絵を描きたいです。

それでは読んでいただき
ありがとうございました。

また次回!
(^^♪

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