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昭和なスナックの日常10

昭和なスナックの日常10


小説風 本当にあったお話
ある夜のとあるスナックでの出来事。
 
そこは昭和な雰囲気のスナック。
レトロ感漂う店内。
お客が15、6人も入れば満席になる。
そんな店内に今夜もお客がやってきた。
 
今夜もいつものように扉が開く。
カラン、カランと音がする。
そしていつものようにママが声を掛ける。

ママ
「いらっしゃいませ」

あや
「あらっ、週末なのに…」

ママ
「そうなのよ」
と、言いながらおしぼりを渡す。
いつものように、儀式になっている検温をする。

今夜は先客が一組。
と、思ったら別々とのこと。
男性ひとりと女性ひとり。

男性はカラオケがお好きなちょっと年配の方だった。
女性は常連さん。

お客
「今夜は幸せだぁ、女性に囲まれて」
と、嬉しそう。

カウンターにはママとバイトの女性がひとり。
このバイトの女性のお話もしたいが、お客の話が一通り済んでからにする。
このバイトの彼女はちょっと変わっていて、ママももう諦めているが、諦めきれない話がある。
お客より面白いかもしれない。
それはまたいつかということで。

今夜はその男性は至極幸せだそう。
女性に囲まれて一人占めできて幸せだと何度もママに話している。

ママ
「そうでしょう、花園よ」

その男性はあやさんがやってきたのがすごく嬉しかったようで、ママがあやさんに連絡して呼んでくれたのだと思ったらしい。
ママは、そんな営業をしない。
だから、違うとわかると尚も奇遇に喜んでいた。

今夜は、カラオケで楽しもうとバイトの彼女にも歌うようにママが促す。

バイトの彼女をみいちゃんとしよう。

みい
「はあい」

あや
「じゃあ、みんなで歌いましょうか、みいちゃん、曲入れた?」
と、あやさんが聴くと、歌う曲は決まっているのだけど、曲名が出てこないと言っている。
あやさんは、さっさと曲を入れた。
男性の分はママが選曲して入れていた。

あら、みいちゃん、今夜は素直に歌うのねとママは思った。
意味深でしょう。
これはまた別の機会にでも。

あっ、ちょこっとだけ。
みいちゃんは、あやさんにライバル心があるようで、あやさんがお客さんからちやほやされるのが嫌みたいで、あやさんには話しかけてこない。
この事はママは気づいていない。

今夜はお客がこないと思ったのか、少し早いが閉めることにしたママ。

あやさんが選曲した曲で終わりにしたようで、あやさんが歌っている間に男性があやさんの分も支払ってくれた。
あやさんがきてくれたのが嬉しかったそう。

あやさんは、今夜は止めておこうかなと思ったのだが、週末だしママの顔を見てから帰ろうと、立ち寄ったそう。
それが間違いだった。

帰るときあやさんが男性より先に帰ろうとしたが、ママに呼び止められたので、その客より後に帰ることにした。
この後ちょっと問題が起こるのだが、これはまたいつか。

今夜の話はいかがでしたか?
 
非日常が日常のスナックでの一夜の出来事を面白く小説風に描いていきます。
 
よろしかったら、「昭和なスナックの日常」の常連さんになりませんか?
 
 
~今回はここまで~
 
   2022年6月5日日曜日
 
      ライター:唯李




 

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唯李(ゆり)と申します。
stand.fmでオリジナル小説を朗読しています。
小説はモノガタリードットコムでアップしているものです。

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