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昭和なスナックの日常12

昭和なスナックの日常12


小説風 本当にあったお話
ある夜のとあるスナックでの出来事。
 
そこは昭和な雰囲気のスナック。
レトロ感漂う店内。
お客が15、6人も入れば満席になる。
そんな店内に今夜もお客がやってきた。
 
今夜もいつものように扉が開く。
カラン、カランと音がする。
そしていつものようにママが声を掛ける。

ママ
「いらっしゃいませ」

いつものようにお客が入ってくる。
いつもの常連さんで賑わう。
そのひとりがママに聞く。

お客
「ママ、となりの店は閉まっているのかい?」

ママ
「そうなんですよ、もう辞められたみたいですね」

お客
「以前は昼間だけやってたみたいだけど、もう閉めたのかな」
少し残念そうなお客だった。

ママ
「そうね、残念ですね、夜もやってる時期もあったんですけどね、寄る年には勝てないという話しですね」

お客
「ママは、まだ大丈夫だね」
と、言いながらも少し心配そうにママを見る。

ママ
「さあ、それはどうしでしょうかね、でもまだまだ頑張りますよ」
と、いつもの笑顔で返す。

お客
「そういえば、隣の店はあんな名前じゃなかったような気がするけど…」
と、お客がまたママに聞くと何かを思い出したように話し出した。

ママ
「そうそう、お隣はね、もう何回か名前もお店の経営者も変わってるんですよ」

ママが知っているだけでも三回は変わったと以前話してくれた。
ママは話を続けた。

ママ
「以前ね、今のママがやるよりだいぶ前の話ですよ、もう時効かな」
と、ちょっと話し声が小声になった。

ママ
「もう何十年も前のことだけどね、そのスナックのママが刺されて亡くなられたの」
と、ささやくようにママが言う。

聞いていた客は、えっという顔でびっくりする。
ママは話を続ける。

ママ
「普通ね、血の雨が降るとか、刃傷沙汰があった物件て、居抜きで家賃が安くなったとしても借りたくないと思わない?」
と、少し呆れた感じでママは話を続ける。
「それがね、すぐ借り手が見つかったのよ、でね、そのママというのが変わっていてね、人の旦那様に手を出して離婚させて自分がその男性の奥様におさまったってわけなの、そのあとすぐにお店も辞めたわ」
「その結婚した相手の男性はかなりの年上でね、飲食店をやってる方だったのね、それでお店を辞めて、女将におさまったってわけ、すごい人もいるもんだねって、しばらくは噂になってたわよ」

お客は、何がすごいのかもうわからなくなっていた。
全部がまともじゃないから、理解ができなかった。

ママ
「離婚された前の奥様はね、おきれいで優しくて感じのよい方でね、評判も良かったんだけどね、まあこれ以上は言わないでおくわ」

障害があればあるほど燃えるという人もいるが、他人を犠牲にしてまでも、得たい欲求とは一体なんなんでしょうか。
 
愛することは自由ですが、愛されるにはそれなりに覚悟が必要ということでしょうか、皆さんは、愛されてますか?

さて、本日はここまで。
今夜の話はいかがでしたか?
 
非日常が日常のスナックでの一夜の出来事を面白く小説風に描いていきます。
 
よろしかったら、「昭和なスナックの日常」の常連さんになりませんか?
 
 
~今回はここまで~
 
   2022年6月7日7火曜日
 
      ライター:唯李
 
 
 














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唯李(ゆり)と申します。
stand.fmでオリジナル小説を朗読しています。
小説はモノガタリードットコムでアップしているものです。

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