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昭和なスナックの日常14

昭和なスナックの日常14


小説風 本当にあったお話
ある夜のとあるスナックでの出来事。
 
そこは昭和な雰囲気のスナック。
レトロ感漂う店内。
お客が15、6人も入れば満席になる。
そんな店内に今夜もお客がやってきた。
 
今夜もいつものように扉が開く。
カラン、カランと音がする。
そしていつものようにママが声を掛ける。

ママ
「いらっしゃいませ」

「あら、お久しぶりですね」
と、ママの声が続いた。

少し酔った感じの老紳士が立っていた。
久しぶりにやってきたお客のようだった。

コロナ禍でお客の足は遠退き、スナックのママは苦難を強いられている。

それはお客も同じで、乗り越えなければならない試練を抱えている。
それでもこうして、来れるようになるのは嬉しいと、ママがいるこの店の扉を開く。
そんなお客が増えてきた。
今夜もそんなお客のひとりだった。

この店のお客の平均年齢を上げてしまいそうなお客ではあるが、久しぶりでもママはしっかり覚えている。
名前も、どんな人で、何と呼んでいたのかも、全てが元のままのように時間かタイムスリップしていく。

お客はそれが心地好い。
ママの笑顔と昔も今も変わらない対応に思わずお客も笑顔になる。

今夜のお客は、バイトの女性を見て、初めましてのように話していたが、その彼女ももう10年近くいるのだから、勿論知っているが、話を合わせる。

お客
「お嬢さんは、結婚をしているのかい?」と質問してくる。

バイトの彼女や女性のお客の素性が気になるのか、年齢や既婚かを聞く。

たまにいる。
家庭環境を聞いて、説教じみたことをいう人が。
ここは、そんなことを話すところではないから、話をそらす。

ママ
「久しぶりに歌声を聞きたいわ」
と、カラオケに誘う。

お客
「そうだな、あの曲にしようかな」

ママは、わかりましたとあの曲を選曲してお客にスタンバイしてもらう。

今夜も歌で盛り上がる昭和なスナックの一夜はいかがでしょうか。

非日常が日常のスナックでの一夜の出来事を面白く小説風に描いていきます。
 
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~今回はここまで~
 
   2022年6月12日日曜日
 
      ライター:唯李
 
 
 
 



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唯李(ゆり)と申します。
stand.fmでオリジナル小説を朗読しています。
小説はモノガタリードットコムでアップしているものです。

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