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昭和なスナックの日常17

昭和なスナックの日常17


小説風 本当にあったお話
ある夜のとあるスナックでの出来事。
 
そこは昭和な雰囲気のスナック。
レトロ感漂う店内。
お客が15、6人も入れば満席になる。
そんな店内に今夜もお客がやってきた。
 
今夜もいつものように扉が開く。
カラン、カランと音がする。
そしていつものようにママが声を掛ける。

ママ
「いらっしゃいませ」

定刻に、バイトの女性がやってきた。
ジャスト。
入り口で調整しているのではないかと思うくらいの時間に。

ママと目が合う。

ママが、でしょう!と、時計を見る仕草をする。

今夜はいつか話そうと思っていた
あのバイトの女性の話をひとつだけ。

身バレするのはよくないので、今回は詳しくは話しません。

彼女が働くようになったのは、彼女のご主人がこのスナックを紹介したから。

この時点でもう変わった感じが漂ってきませんか?

元々は彼女のご主人がこのスナックの常連さんでした。
彼女が働くようになってから、そのご主人はこなくなったそうです。

いつも、お仲間さんを連れてこられていたそうですから、常連さんを失くしたこたは大きかったようですね。

彼女を雇うと決めたのも常連さんからの頼みだったこともあり、週末だけならと、まあ雇ってみるかなくらいだったようです。
それが辞めるとも言わず、皆勤賞の彼女。
辞めさせるわけにもいかず、今に至っているとか。

彼女、本当に真面目なんですよ。
休みません。

しかし、しかしです。
ママが嘆く理由があるのです。

彼女は美人というわけではなく、笑うと可愛い感じで、声も可愛いのですが、お客に対して愛想がないのです。
トークはしないわ、歌は決められないわで、歌を決めるとなると、デンモク見てだんまりの時間が長いそうです。

「もっと、笑顔!」
と、ママは声を掛けるのですが、
気分が乗らないのか、何かあったのか、ほとんどしゃべらない日もあるとか、ないとか…。

長くいるので、常連さんの中でも話しやすい人とは話しています。
だから、無言というわけではありませんが、盛り上げるとか、話題を提供するとか、気の利いたことはしません。

ママはがっかりしていますが、気長に新人教育中と笑いながら言います。

ママの笑顔が温かい。

がっかりが、これだけではないのですが、これはまた別の機会にでも。

今夜の話はいかがでしたか?
 
非日常が日常のスナックでの一夜の出来事を面白く小説風に描いていきます。
 
よろしかったら、「昭和なスナックの日常」の常連さんになりませんか?
 
 
~今回はここまで~
 
   2022年6月16日木曜日
 
      ライター:唯李


 

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唯李(ゆり)と申します。
stand.fmでオリジナル小説を朗読しています。
小説はモノガタリードットコムでアップしているものです。

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