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辛口英語教育論 (3)

辛口英語教育論 (3)


さて、一昨日から、

This is a pen.:「こんな英文、現実にはまず口にしないだろう!」と、したり顔で烙印を押される典型的な文

をトピックにして、

この種の発言って大方の場合ただの「受け売り」になっていないだろうか?実はあまりにも一方的で一面的な物言いではないだろうか?

という問題提起をした上で、この問題をいくつかの要因に分けて考えてみたい、としました。そして、要因分析として、

 <想像力><有用性><文法><発音>

といった要因を順次取り上げていきます。

と宣言しました。


今日は、<有用性>という要因に関して、一言述べたいと思います。

 <有用性>の問題:

 具体的な個別の文である「This is a pen.」は、実は「X is Y.」というような型が裏にあるわけです。言わば、数学でいう「公式」みたいなものですね。
 つまり、<具体的な個々の文>は、絶えず<裏にある「抽象思考」>とセットで考えねばならない―あるいは少なくともセットで考えた方が遥かに合理的である
 
ということですね。

そして、何よりも<抽象思考>を駆使できるのは、他の動物にはみられない人間のもつ特権です。<抽象思考>を駆使できるか否かは<人間性>の問題と直結する、ということですね。

こうした前提の上に立って、あらためて「This is a pen.」という文を再検討してみましょう。

そうすると、単に「This is a pen.」に留まらず:

<モノの名前を英語で言う>という極めて大事な訓練ができることがわかります。
 This is a ball-point pen.(日:「ボールペン」、英:「ball-point pen」)
 This is a tadpole.(日:「おたまじゃくし」、英:「tadpole」)
 This is a spatula.(日:「へら」、英:「spatula」)
 etc.

さらには、英語圏の人を自宅に初めて連れて来て、家の前で、はい一言:
 This is my house.
 etc.

「This is a pen.」は、実は潜在的にはこんなにも便利で<有用な>表現なんだ、ということなのです!


さて、次回は、要因として、<文法>という要因を採り上げてお話ししたいと思います。

どうぞお楽しみに。

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