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The sense of language is essential.

The sense of language is essential.


Tom is one of the most outstanding scientists in the world.
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どう訳しますか?
 トムは世界で最も優れた科学者の一人だ。
でしょうか?

間違いとは言えませんが、<思いっきり英語に引きずられた翻訳調の和訳>ですね。
残念ながら、日本語に対する<語感>がまるで感じられません。

例えば:
 トムは世界でも有数の科学者だ。
 トムは世界でも有数の科学者に数え挙げられる。
 トムは世界でも屈指の科学者だ。
 トムは世界でも指折りの科学者だ。
等、いくらでも<こなれた><自然な>日本語がある筈です。
にもかかわらず、わざわざ<こなれない><不自然な>日本語に移す必要性は一体どこにあるのでしょう。

因みに、上記英文は、
 Tom is among the most outstanding scientists in the world.
とも言えますね。

<自然な英語>と<自然な日本語>との間の往き来というものを普段から心掛けたいものです。
英語圏の人にとり普段頭に浮かぶのは<自然な英語>であり、
日本人にとり普段頭に浮かぶのは<自然な日本語>の筈ですから。

因みに、いちいち訳すな、という意見も世の中にはあって、それはそれで一家言です。
でも、そんなことは言わば<当たり前>です。
特に会話の最中に訳すなどは同時通訳者でもない限り、<非現実的>でしょう。

しかしながら、語学は決して<会話が全て>ではない筈です。
いや、さらにいうなら、<会話>の場合であっても、
 <自然な英語>、<自然な日本語>、<両者間の自然な往き来>
に対するまともな<語感>といったものが潜在的に絶えず想定されて然るべきでしょう。

そして重要な点は、こうした<語感>は一朝一夕に磨き上げることはできない、ということです。
<語感>を大事にしようと心がける日頃の<意識>が第一歩です。
これを怠ると、
 トムは世界で最も優れた科学者の一人だ。
式の残念な和訳に何の違和感も覚えないような<語学音痴>になってしまうのがオチです。

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