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元塾講師が教える 英語学習は発音記号覚えると加速する

元塾講師が教える 英語学習は発音記号覚えると加速する


塾で講師をしていた頃のお話。

ほとんどの生徒が発音記号を読めないという事実に驚きました。
読める人から見ると、彼らがどうやって単語を覚えるのか気になりました。

すると、様々でしたね。

  1. そもそも発音しない
  2. ローマ字読み
  3. 漢字のように書いて覚える
だいたい、上記のようなパターンです。

1.の「そもそも発音しない」というのは致命的です。
その理由は簡単。
今はリスニングがとても重要視されているからです。
英語の発音は日本語とは大きく異なります。
ですから、日本人が何の勉強もしないままでは、英語の発音はできません。
人間の耳は自分が発音できない音は、聞き取りにくいようになっています。

ここから言えることは。
もうわかりますよね。

発音が正しくできない音は聞き取りにくいのです。
そしてリスニングに悪影響します。
テストや入試のリスニングの配点を見てください。
めちゃくちゃ高いでしょ?!

今はネットで簡単にネイティブの発音を聞くことが可能です。
だったら発音記号など覚えなくてもいいのでは?
と思われるかもしれません。

確かに一理ありますが、効率面を考えると発音記号を覚える方がよいのです。
耳から音声として入力される情報は、アナログ情報です。
アナログ情報は勉強という面では非常に効率が悪いのです。

発音記号を知っていれば、聞こえた音を記号に一致させることができます。
つまり発音記号を知っていることで、アナログ情報ではなく記号として認識できるのです。
これは相当大きなメリットです。

話は逸れますが、絶対音感という言葉をご存知だと思います。
世にあふれかえる、あらゆる音が音階(ドレミ)になる能力です。
例えば救急車の「ピーポー」はドレミで言うと「シーソー」らしいです。
私にはわかりませんけど。
さらにドップラー効果をともなうと「シ♭ーソ♭ー」になると。

つまり発音記号を知らない人は、絶対音感がないのと同じです。
耳から入った音声情報を記号化や数値化ができないのです。
それに比べて、発音記号と実際の音が一致する場合はどうでしょう。
耳から入った音が、どの発音記号に該当するか判断しながら聞き取ることができます。
これを日々やっていけば、圧倒的にリスニングは有利です。
特に小さい頃に英語に触れなかった人は、一日でも早く発音記号を習得することをお勧めします。

もう一つ利点があります。
それは単語を覚える時です。
発音記号を見れば、どう発音すればいいかわかります。
つまり、かなりネイティブに近い音を自分で発することができるわけです。
その音を口で出し、耳で聞く、スペルを見る。
これを繰り返すだけで、単語は効率的に覚えられます。
やがて、どのようなスペルがどの発音記号になるのかというパターンがわかってきます。
こうしてながーいスペルの単語も、簡単に記憶できるようになります。

2.のローマ字読みには、とんでもない欠点があります。
日本人は「r」も「l」も同じように「ラリルレロ」と発音します。
しかし、実際には両者の発音は全く異なります。
ローマ読みで覚えると、この区別ができなくなります。
ただしく違いを踏まえた発音をしていれば、「r」と「l」を間違う可能性はゼロです。

また、子音単独の場合、日本人は「オ」段の発音っぽく覚えてしまいます。
たとえば「hat」を「ハット」と覚えます。
実際は違います。子音単独の場合は、日本語なら「ウ」段に近いのです。
どちらかと言えば「ハットゥ」に近い(厳密には違いますけど)
それでも無理やりローマ字風に覚えようとしますが、限界があります。
「ハット」なら「hato」と「ハットゥ」なら「hatu」と書いてしまう人も出てきます。
だからこその発音記号なのです。
ただしく子音単独として発音して覚えれば、スペルミスは激減します。

3.の書いて覚えるは、愚の骨頂です。今すぐやめましょう。
今でも学校の先生の中には、この方法を推奨する人がいます。
ハッキリと言います「時間のムダ、シャーペンの芯のムダ」です。
すぐにやめさせなければなりません。

もし、あなたが、あるいはお子さんが2.や3.のような単語の覚え方をしていたら、
今まで相当な時間の無駄遣いをしてきています。
いますぐに発音記号を覚えさせ、発音し、聞きながら覚えるようにしましょう。

それだけで英語の学習時間は相当減るはずです。
その浮いた時間を別の教科の勉強時間に割り当てましょう。

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元塾講師です。大阪や奈良の進学塾で講師をしていました。塾の裏側、受験対策、効率的・効果的な勉強方法など、受験生や保護者の方々のお役に立つ記事を書いていきます。

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