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#4 私は笑える子供だった

#4 私は笑える子供だった



子供って、バカじゃない。
バカじゃないんだよ。




大人が難しい話してても、大体理解できてたりするし。
子供なりに、気を使ったりもできるんだ。





子供が無知でバカだと思ってるのは、そうであって欲しいって思ってる大人だけ。


自分だって、子供だったくせに。
自分だって、バカな子供じゃなかったくせに。





大人になった途端、バカな子供じゃなかった自分の事は忘れ。
子供はバカだと思い込む。





そう。
私も、バカな子供じゃなかった。






笑えたんだ。

あんな事があったのに。




何もなかったふりして、笑えたんだ。






「今日は、行かない」





いつものように、
「お兄ちゃんの所、遊びに行っといで」
そう言った母に対して私は言った。






兄は不思議そうに私を見て。
一人、家で昼寝でもしようと思っていた母は、顔をしかめる。






……あ、無理だな。






そう思った。

母は、私たちに遊びに行って欲しいんだ。







息抜きがしたいんだろう。
一瞬で不機嫌になる母に、私は諦めた。






「……やっぱ、行こうかな」






「遅くならないようにね!」







途端に機嫌が良くなる母に、分かった。と笑う。

笑えるんだ、私は。

そういう時でも、笑えるんだ私。







お兄ちゃんの家に行く道中、兄は行かない。と言った理由を聞いて来たと思う。

でも、なんて言ったかは覚えてないけど。

本当のことは、言ってなかったと思う。








まあ、その理由を兄が知るのはすぐのことだったんだけど。






「おー、来た来た!桃鉄やろうぜ!」






私と兄が来るなり、"いつも通り"に笑って出迎えるお兄ちゃん。



そして、"いつも通り"に笑う私。






今日は、兄がいるから大丈夫。







と、なぜそう思ったんだろう。




このお兄ちゃんも、子供はバカだと思ったんだろう。

小学6年生からしから、そりゃ1年生の兄もましてや幼稚園児の私もバカにみえたんだろう。






何も分からない
何も気づかない


そんなバカにみえたんだろう。





それは、エスカレートしていった。

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