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#10 何も感じない

#10 何も感じない




声がする方を見ると、兄が目を開けてこちらを見ていた。


私は勿論、お兄ちゃんも驚きのあまり声を発しない。




そうこうしているうちに、起き上がった兄は。
私たちの布団を、バッとめくりあげる。





そして、そこにはお兄ちゃんと繋がっている私の姿。


「……なに、してんの?」






さほど驚くことも無くいう兄。
今思えば、やはり私たちが何をしているのか気づいていたんだろう。







「……いや、あー……」

と、やばい!って顔のお兄ちゃんが慌てて私から離れる。







私は、さも他人事のように反応せずそのまま微動だにしなかった。
バレたことの焦りもなかったし。
助かった。とも、なんか違う。






うん、本当に無だったと思う。
この時の感情は、あまり思い出せない。







「‥‥‥‥あ、そうだ。お前もやってみるか?」







………は?








焦りに焦ったのか。
本当に、何を言い出したのか。








お兄ちゃんが放った言葉に、少なからず驚く私。
さすがの私も、それは……







そう思ったのだが、兄の言葉に私は諦める。


「……どう、やるの?」








「……へ、へへ。あのな!こっち来い!!」







兄の反応に、仲間が出来た!と、喜ぶように。
急にワクワクしだすお兄ちゃん。






そして、兄も。
前のめりで、お兄ちゃんのいうことを聞く。








私たちは。
私と兄は。






性に関して、早い段階で知りすぎたんだと思う。

そこらへんに落ちていた、エロ本。

親の間近での行為。

その行為で子供ができるとか、そういうのは知らないのに。

なんか、そうい雑誌を見ると体が反応しちゃう。とか。

そういう、快楽的なのを先に知ってしまった。






私は、まだ快楽的なのは分かっていなかったが。
兄は違う。





男だから、体も反応するし。
女の私より、そういうことに興味津々だったのだろう。






血のつながった兄弟で、そういうことをしてはいけないことも。
そういう、駄目な部分の知識を得ないまま進んでしまった。






それに加え、身近で信頼するはとこのお兄ちゃんがこんなんじゃ…。





何が”悪”か、分かるはずもない。






大人になった今となっては、仕方のないことだったのかもしれない。
環境が悪かった。
それで、全てが片付くのかもしれない。






何も、感じない。
何も、感じてない。






そう思っていただけかもしれない。
私の心は、空っぽになった。








「ここにな、入れるんだ」







体は正直で、すでに反応していたらしい兄。


私の脚を開き、場所へと誘導してあげるお兄ちゃん。







「……どうだ?気持ちいいだろう?」







悪そうな顔のお兄ちゃんと、初めての感覚に我を忘れたように動く兄。






私は、これからどうなるのだろうか?

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うまくできない|甘えるのは苦手|親が毒か私が毒か|正しいは時に間違いだと|だから離れるを選択し|私は元から居なかったと|そう思っていて欲しい|私は今幸せだから

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