＃12　問題児の方が楽

＃12　問題児の方が楽

どうせ私は悪役 /

2022/11/29 02:36 | 882 文字

はとこのお兄ちゃんは、高校生になり。
急にモテだし、いつの間にか私との関係は終わっていた。

その代わり、兄との関係は続いていた。

なんてことはない。
はとこのお兄ちゃんが、兄に変わっただけだ。
まあ、それも私に初潮が来るまでの話。

父の暴力も、続いていた。
機嫌が悪ければ、急に殴ってくるのは変わらない。

夏の時期になり、舞の練習で私たちを殴るのも変わらない。
その光景を、引きながら見る大人たちも変わらない。

たまに。
問題児となり悪さばかりする私を、意識がなくなるまで殴った。

まあ、でも。
これは、私が悪いか。

子猫は、相変わらず生まれては消え。
を、繰り返す。

私だけ変わった。

友達に酷いことを言っては、泣かせるのはしょっちゅう。
新しい靴を履いてきた子の靴に、泥を入れたし。
近所の駄菓子屋さんでは万引きばかりし。
田舎なので、店に入ってもなかなか出てこない店主がいる店のレジからお金を取ったり。
お母さんの財布から、お金を取ったり。
友達の家にあった、親がしていた500円玉貯金からお金取ったし。

母には、たくさん頭を下げさせてしまった。

そんなことばかりしているから、私がやってない事でも私のせいにされることも多くなった。

小学生高学年となり、担任呼ばれた私。
身に覚えのない事の確認をさせられ、知らないです。やってないです。と、言っても勿論だが信じてもらえなかった。

「あなたしかいないでしょ！？」

と、言われたとき。
なんか、分からないけど。

ふっ、と。
消えた感覚になった。

「…ごめんなさい。」

そういうと、満足そうにする担任。
私であってほしいんだろう。
自分が担当するクラスに、問題児が何人もいては困るのか。

なんなのか知らないが。
私がやったと思ってほしいんだろう。

今更落ち込んでどうすんだって話なんだけど。

だったら、まともに生きてろよ。って。
問題起こしてなきゃ、こんなことになってない。って。

でも、私はますます捻くれたきっかけになった。
じゃあ、先生が求める問題児でいなきゃね。
いつも、そうでなくちゃね。って。

楽勝だよ。
だって、いい子のなり方なんか知らんし。

今からいい子になれるわけないじゃん。

＃12 問題児の方が楽