報道機関の存在意義とは?毎日新聞がオフレコ取材を報道するに至った過程とは?
報道機関の存在意義とは?毎日新聞がオフレコ取材を報道するに至った過程とは?
挨拶と、この「備忘録」サイトの目的と、そしてお願い (topview.jp)
↑全体の主旨や目的等についてまとめました(固定記事)です。初めましての方は、こちらもよろしくお願いします。
岸田首相のスピーチライター(荒井秘書官)の差別発言、そして…… (topview.jp)
↑に備忘録として書いた荒井秘書官について、「オフレコなのに報道していいのか」みたいな意見も見受けられました。
ですが、報道機関の存在がそれでいいのでしょうか?相手は政治家です。誰が普段はどんな考えをしているのか?どんな信条に基づいて政治を行っているのか?、というのも私たちは知るべきことなのです。それに、「オフレコだらけ」の取材なんて、それはもうジャーナリズム精神を捨てた、ただの、自民党の広告塔でしかないと思うのです。
この件について、毎日新聞が報道に至った過程を公開しましたので紹介します。
毎日新聞はなぜオフレコ取材の内容を報道する決心をしたのか?
オフレコ取材報道の経緯 性的少数者傷つける発言「重大な問題」 | 毎日新聞 (mainichi.jp)
全文はこの記事を読んでいただくとし、ここでは該当箇所を引用します。
本社編集編成局で協議した結果、荒井氏の発言は同性婚制度の賛否にとどまらず、性的少数者を傷つける差別的な内容であり、岸田政権の中枢で政策立案に関わる首相秘書官がこうした人権意識を持っていることは重大な問題だと判断した。ただし、荒井氏を実名で報じることは、オフレコという取材対象と記者の約束を破ることになるため、毎日新聞は荒井氏に実名で報道する旨を事前に伝えたうえで、3日午後11時前に記事をニュースサイトに掲載した。
2023.02.04 毎日新聞
重大な問題だと認識しつつも「オフレコだし」とへつらうことなく報道することを決心したということが改めてわかりました。毎日新聞も、まだジャーナリズム精神が死んでいなかったということでしょう。本人には報道する旨伝えていますしね。
問題発言だと強く認識できたのは毎日新聞だけだった?
ここで気になるのは……このオフレコ取材には毎日新聞以外にも他の報道機関の人もいたということです。それも約10人ほど。それでも、これを報道したのが毎日新聞だけだったという事実。
つまり「問題発言だ」と強く認識でき、国民に伝えるべきだと考えることができたのが毎日新聞だけだったということにもなるのでしょうか。その点は残念でなりません。
報道機関の存在意義とは?
今回の件に限らず、オフレコ取材から報道されたケースは過去にもあります。そのたびに、国民の方から「オフレコ取材のはずなのに約束を破っていいのか」という意見も出たりします。
ですが、そもそも報道機関の存在意義って?と考えてしまうのです。
私たちは報道機関に何を求めているのでしょうか?
私たちの代わりに監視し、取材し、調査し、批判してくれることを求めているはずです。政治家が、本当の国民のために仕事をしてくれているのかどうか。社会問題が隠されていないかどうか。そういったことを私たちが知るために。
報道機関はただの伝書鳩、しかも権力側にとって都合のいい話だけを伝えてもらうための媒体であればいい、ということではないはずです。権力側の機嫌を取るお仕事ででもないはずです。
あとがき
毎日新聞にもまだまだジャーナリズム精神が残っていたということなのだろうと思います。「差別発言か」「差別発言とも捉えられかねない」ではなく「差別発言」と言い切ったことからしても。
今の日本の報道機関(新聞だけではなくテレビニュースも含めて)は、今死にかけていると感じています。私は戦前・戦中を知らない世代ですが、この時代の報道機関になりつつのあるような雰囲気を感じています。
自民党に都合の良いニュースを「垂れ流す」「大本営発表」ばかりで、批判もろくになし、国民にとって都合の悪いことは報道しない、ただ、野党の悪口だけは出す、そんな感じになってきて10年以上経ちます。
もう少し踏ん張ってほしいものです。地方の新聞はまだまだ頑張っているというのは感じられるので。
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