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辛口英語教育論 (5)

辛口英語教育論 (5)


さて、4日前 <https://topview.jp/t62ce434d521e2-4642> から、

This is a pen.:「こんな英文、現実にはまず口にしないだろう!」と、したり顔で烙印を押される典型的な文

をトピックにして、

この種の発言って大方の場合ただの「受け売り」になっていないだろうか?実はあまりにも一方的で一面的な物言いではないだろうか?

という問題提起をした上で、この問題をいくつかの要因に分けて考えてみたい、としました。そして、要因分析として、

 <想像力><有用性><文法><発音>

といった要因を順次取り上げていきます。

と宣言しました。


昨日からは、<文法>―とりわけ、彼我の、つまり日英の<文法>の相違点―という要因に関して、述べています。

<文法> (2)

昨日 <https://topview.jp/t62d220a5968b5-4693> の最後で、あり得る反論として以下を挙げました。

  ちょと待ってよ。例えば「七夕のとき警官<ら>が出てた」って言えるし、それから、「人々」「山々」「家々」という言い方だって日本語でするじゃん!

っていう声=反論が聞こえてきそうだ、ということでしたね。

さて、これに対する再反論です。

まず、「七夕のとき警官<ら>が出てた」から。

 police officers(英語:<複数形>)
   vs.
 「警官<ら>」(日本語:<ら形>)

両言語における決定的な違いは:

  英語の「police officers」には「police officer」以外のメンバーが含まれないのに対して、日本語の「警官<ら>」は「警官」以外のメンバーが含まれていても構わない(極端なことを言うと「泥棒」が含まれていたっていい w)

という点です。また、<ら形>や<たち形>は、(童話など特殊な文脈を除き)「無生物」や「菌類」等には使いません。そういう意味でも、英語の<複数形>と日本語の<ら形>とは性質上同じではありません。

次に、「人々」「山々」「家々」について。

 結論から言うと、people ≠ 「人々」、mountains ≠ 「山々」、houses ≠ 「家々」

ということです。例えば、英語では「two people」という表現が可能です(現に「Two People」というタイトルの映画がかつてありました)が、日本語で「二人の人々」と言ったら、おそらく母語話者であることを疑われると思います。(因みに、件の映画の邦題は「二人」でした。ホッ。w)
同様に、「昨日田舎道を運転したんだが、さびれた村で、家々が2軒しかなかった/2軒しか家々がなかった」と日本語母語話者は言うでしょうか?「いえいえ w」言いませんよね。

要するに、日本語の「人々」「山々」「家々」は、条件として、単に「複数いれば/あればいい」というのではなくて「かなりの数/結構な数がいる/ある場合にしか使えない」ということです。


もう少し言いたいことがあるのですが、少々長くなってきたようなので、この続きはまた明日にしましょうか。


では、明日以降もどうぞお楽しみに~。

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