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辛口英語教育論 (11)

辛口英語教育論 (11)


さて、10日前 <https://topview.jp/t62ce434d521e2-4642> から、

This is a pen.:「こんな英文、現実にはまず口にしないだろう!」と、したり顔で烙印を押される典型的な文

をトピックにして、

この種の発言って大方の場合ただの「受け売り」になっていないだろうか?実はあまりにも一方的で一面的な物言いではないだろうか?

という問題提起をした上で、この問題をいくつかの要因に分けて考えてみたい、としました。そして、要因分析として、

 <想像力><有用性><文法><発音>

といった要因を順次取り上げていきます。

と宣言しました。


7日前からは、<文法>―とりわけ、彼我の、つまり日英の<文法>の相違点―という要因に関して、述べています。

<文法> (8)

昨日 <https://topview.jp/t62d97369a5d5b-4798> は、

 <言語間に優劣を想定する>ような発想は、言語学の世界では<とうの昔に廃棄>されており、
 言語間にはトータルで見ると言語学が言うように<言語間に優劣はなく>、
 言わば絶妙な「兼ね合い(trade-off relation)」の関係 =「シーソー関係」が存在する。

という興味深い点を確認し、また発音に関しては、

 日本語:音節構造単純 → 同音異義語が相対的に多くなる → 駄洒落を作りやすい
 英語:音節構造複雑→ 同音異義語が相対的に少なくなる → 韻文で行末音を揃える「押韻」は難しい技術となり、作者の<腕の見せ所>となる

という点を見ました。

もう一点だけ興味深い点を付け加えると、名詞を文法上いくつかのクラスに分ける<類別詞>のうち、

 文法上の<性>の区別:ドイツ語・フランス語など

に着目すると、面白い点が見えてきます。

例えば、ドイツ語の名詞は性の区別があるために、なるほど獲得上は英語よりも相対的に厄介なわけですが、
でも獲得後は、人称代名詞で置き換えた場合、<性>の違いを反映するので、例えば:

Der Stift → er
die Tinte → sie
das Notizbuch → es

となる結果、人称代名詞だけで「どれを指しているか区別がつき」ます。

これに対して英語では、少なくとも名詞に性の区別がないために、なるほど獲得上はドイツ語よりも相対的に楽に見えて、
でも獲得後は、人称代名詞で置き換えた場合、<性>の違いが反映さえず、例えば:

the pen → it
the ink → it 
the notebook → it

となってしまう結果、「人称代名詞だけでは、どれを指しているのかわからなくなってしまう」ことになる訳です。

これも、面白い「兼ね合い(trade-off relation)」の関係 =「シーソー関係」ですね。


では、明日以降もどうぞお楽しみに~。

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