C# から Excel ファイルを扱うライブラリ3選（ClosedXML/EPPlus/NPOI）

C# のプログラムから Excel ファイルを取り扱いたい。

実はそれ、ライブラリを入れるだけで解決します。

C#（というか .NET）で Excel ファイルを読み書きできるライブラリには、次の3つがあります。

• ClosedXML
• EPPlus
• NPOI

それぞれざっくり紹介します。

ClosedXML

Excel ファイル（OOXML 形式）を扱うためのライブラリです。

Microsoft が公開している Open XML SDK を簡単に扱えるようにする目的で開発されています。

ライセンスは MIT ライセンスです。
商用/非営利を問わず、使用・改変・再配布が可能です。

ちょいちょい開発が停滞してしまう印象です。

たとえば、、、
0.76.0 (2014/12/16 リリース) の次がリリースされたのは 2016/09/15 の 0.80.1 。
0.94.2 (2018/12/18 リリース) の次がリリースされたのは 2020/04/15 の 0.95.0 。
0.95.4 (2020/12/16 リリース) の次がリリースされたのは 2022/06/29 の 0.96.0 。

が、一応、現在では解消されているようです。
0.97.0 のコメントに「プロジェクトはしばらく中断していましたが、現在は前進しています」とあります。
（Project has been on hiatus for a while, but things are now moving forward.）

EPPlus

ClosedXML と同様、Excel ファイル（OOXML 形式）を扱うためのライブラリです。

活発にメンテナンスされている印象です。最新バージョンは2024年6月18日公開の 7.2.0 です（2024年6月25日現在）。

バージョン 5 から商用ライセンスと非商用ライセンスのデュアルライセンスに変わりました。

商用ライセンスと非商用ライセンスのちがいは、以下のとおりです。

商用ライセンス： 商用利用するときに必要なライセンスです。
EPPlus を使用する開発者ごとに1つのライセンスが必要になります。
ライセンスには、サブスクリプションライセンスと永久ライセンスの2つがあります。

非商用ライセンス： 非営利で利用するときはこちらのライセンスになります。
Polyform Noncommercial ライセンスに従います。
無料で利用でき、自由に配布・変更できます。

バージョン 5 より前は LGPL ライセンスでした。
無償で利用・改変・再配布が可能ですが、場合によってはソースコードの開示義務が生じます。

商用でも無償利用できるバージョンは v4.5.3.3 が最後になります。
ただ、公開から4年以上も経っているため、さすがにもう古いです。

NuGet のページにも「レガシーでありメンテナンスされていないため非推奨」と出ています。
（This package has been deprecated as it is legacy and is no longer maintained.）

NPOI

Apache POI プロジェクトの .NET バージョンです。

ClosedXML/EPPlus とは異なり、Excel 2007 以降のブック（*.xlsx）（OOXML 形式）はもちろん、Excel 97-2003 形式のブック（*.xls）（BIFF8 形式）も扱うこともできます。

ライセンスは Apache License 2.0 です。
商用利用・改変・配布等が可能です。

どれを使うべきか

商用利用する場合、どのライブラリにすればよいでしょうか。

Excel 97-2003 形式のブック（*.xls）も扱いたいなら NPOI 一択です。
さすがにこのケースは、もうなさそうな気はしますけど。

Excel 2007 以降のブック（*.xlsx）だけでよいなら、開発停滞が解消された ClosedXML で良いのではないでしょうか。
無償で最新バージョンを使えますし。

ライセンスを購入できるなら EPPlus でもよいでしょう。

特に理由なく LGPL ライセンス版（v4.5.3.3）を使うのはおすすめしません。
すでにメンテナンスも停止されていますし、メリットはないかと。
最新の ClosedXML では実現できず、EPPlus v4.5.3.3 ならできることってなさそうな気がします。