今週のマーケットまとめ・来週の戦略
今週のマーケットまとめ・来週の戦略
目次
先週のマーケットまとめ
【経済指標・イベント】
<3月消費者物価指数(CPI)>
前年同月比3.5%上昇、市場予想を上回る
ガソリンや住居費が上昇の主な要因、FRBの利下げ見送り観測が強まる
前月比は0.4%上昇、市場予想を上回る
ガソリンと住居費がCPIの半分以上を占める
自動車保険や修理費が大幅上昇、ヘルスケアや衣料品も上昇
食品・エネルギーを除くコア指数は0.4%上昇、前年比3.8%上昇
モノの価格は0.1%上昇、ベース除くと0.2%下落
サービスは0.5%上昇、ベース除くと0.8%上昇
エコノミストはFRBのインフレ目標に向けた道のりに障害との見方
<3月FOMC議事要旨>
当局者はインフレの高止まりと高金利の長期維持に懸念
FOMC参加者は高インフレの不確実性を指摘、最近のデータは低下の確信を示さず
一部の当局者は金利制約の緩和とインフレ上昇圧力のリスクを指摘
FOMCは高金利維持とインフレ目標回帰の議論を行う
住宅インフレが鈍化、一部は生産性向上でインフレ鈍化と成長を主張
経済指標とインフレ率の期待外れが懸念される
移民動向の経済への影響評価が難しいと指摘
FRBは2022年以来金利を維持、昨年以降は5.25-5.50%に据え置き
<3月生産者物価指数(PPI)>
3月のPPIは前月比0.2%上昇、市場予想を下回る
サービス価格上昇と財価格下落で相殺、インフレ懸念緩和の可能性
前年同月比は2.1%上昇、前月比は鈍化
エコノミストはインフレ懸念に警戒、政策担当者は指標待ち
サービス価格は0.3%上昇、投資関連費用が3.1%上昇
一部の価格上昇、航空運賃は2.2%上昇、宿泊料金は3.8%下落
財価格は0.1%下落、ガソリンなど一部下落
食品・エネルギー除いたコア指数は0.1%上昇、2.8%の前年同月比
食品・エネルギー・貿易サービス除いたコア指数は0.2%上昇、2.8%の前年同月比
<4月ミシガン大消費者信頼感指数>
速報値は77.9で、3月の79.4から低下
調査ディレクターは大統領選を踏まえ、景気動向の判断を保留する消費者が多いと述べた
1年先の期待インフレ率=2.9%から3.1%に上昇
5年先の期待インフレ率=2.8%から3.0%に上昇
インフレ期待の上昇はFRBが望まないが、安定的で制御されているとの見方もある
消費者信頼感指数の低下はガソリン価格の上昇を反映した可能性が高い
金融市場参加者と多くのエコノミストは、FRBの利下げ時期の予想を6月から9月に大幅に後ずれさせ、年内の利下げ回数も3回から2回に引き下げた
【地政学リスク】
イスラエルがシリアのダマスカスにあるイラン大使館周辺を攻撃
イランが報復を表明、イスラエルのガラント国防相と軍トップが米中央軍司令官と会合
イスラエルはイランや代理勢力の攻撃を警戒、軍は新たな指示を出しておらず警戒を続ける
外交使節団の一部が避難、警備が強化される報道。イスラエル外務省はコメントを控える
インド、フランス、ポーランド、ロシアなどが中東への渡航を控えるよう呼びかけ
ドイツはイランとイスラエルの緊張関係と国民の安全を懸念し、イランからの出国を呼びかけ
米国家安全保障会議はイランによる攻撃を脅威と認識し、詳細は明らかにしていない
【まとめ・視点】
FRBはしつこいインフレに苦戦しているが、一部には安定的で制御されているとの見方もあり、捉え方がまちまち。
為替は、利下げ観測が遠のき、ドル買いが進む。
介入の警戒感はあるが、下がってもすぐに買われる状況を見ると、まだ介入までには余地があると判断できる。
日銀の立場から考えても、無駄にできる弾の余裕はないので、しばらくは口先介入でしのぐだろうと考えられる。
また、実際に介入をするとなれば、利上げとの相乗効果を狙った方が効果的なので、急激な上昇でなければ、155円付近までは上昇傾向が続くと思われる。
そんな中、イラン報復の警戒感から地政学リスクが一気に高まり、原油とゴールド・コモディティが高騰する
ゴールドに関しては、昨日の値動きから調整局面に入りそうな気配もあるが、不確実な状況と週末であることから、短期投機筋が一旦利確しただけに過ぎない可能性も大きいと見ている。
ビットコインについては、ゴールドがこれだけ強いと上がりにくい状況ではあるが、トレンド反転とは言い難く、日足では上昇ウェッジ形成中とも判断できる。
来週の戦略
来週の経済指標は、景況感を示す指数が多く、インフレ指数の発表はないため、全体的に方向感を欠く相場展開が予想される。
4/20はビットコイン半減期到来予定日だが、そこへ向けての売り圧力は強くなりそうだ。
ただ、高金利でもインフレ懸念が消えない限り、下がれば買われる状況は続くと考えられる。
注目は半減期よりも、再来週のPCEコアデフレータだと思われるので、そこまでは勝負を控えたいが、短期的には60,000~65,000ドル付近でのプライスアクションがあれば買っていきたい。
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