メイン画像

運賃値上げに応じない大手と取引終了 運送会社の意識を変えた米企業のドライバーファースト1

運賃値上げに応じない大手と取引終了 運送会社の意識を変えた米企業のドライバーファースト1


アイ・ティー物流は、千葉県大網白里市に拠点を置く運送会社です。主に港に届く輸入貨物を関東地域に運びます。この会社を経営する田中仁一さんは、創業以来大手企業と取引を続けてきましたが、2023年3月になってその取引をやめる決断をしました。その理由は、物流の2024年問題や米国企業との取引を通じて感じた日本の運賃の低さにあります。田中さんは「適正な運賃の実現が必要だ」と述べており、安全教育などのコストをかける際にも運賃が適切でないことが支出を圧迫していたと説明しています。
 
田中さんは子供の頃からトラックが好きで、トラックドライバーとしてキャリアをスタートさせました。その後独立し、アイ・ティー物流を2007年に設立しました。現在の従業員数は26人で、32台のトラックを運行しています。主に海外からの輸入貨物を取り扱い、大井ふ頭に到着する電子部品などを関東地域の工場に運びます。
 
2023年に大口取引から撤退した背景には、荷主の仕事が運賃が低いことと、2024年に導入される規制の影響があります。この規制により、トラックドライバーの労働時間に制限がかかり、コストの面でも厳しい状況となりました。田中さんは運賃交渉を試みましたが、理解を得られず取引を終了しました。幸い他の取引で売り上げを回復できたため、大きな影響はなかったとのことです。
 
田中さんは長年、運賃が適正でない現状に苦しんできました。90年代から運輸業界では過当競争が激化し、運賃が低下していったことがその背景にあります。アイ・ティー物流の営業利益率も1~3%という狭い範囲で推移しており、原価割れの仕事も引き受けざるを得ない状況にありました。アメリカ企業との取引を通じて、日本の運賃の低さを痛感した田中さんは、適正な運賃設定の重要性を改めて強調しています。

アカウントを作成 して、もっと沢山の記事を読みませんか?


この記事が気に入ったら 70TRANSPORT さんを応援しませんか?
メッセージを添えてチップを送ることができます。


この記事にコメントをしてみませんか?


軽貨物の冷凍冷蔵をメインでやってます。最近アフェリエイトも始めました。
合同会社を立ち上げてるところです。

おすすめの記事