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魔法外科医は癒やし系少年~涼波ハルカの進撃-01 ☸ ハルカのメイド服

魔法外科医は癒やし系少年~涼波ハルカの進撃-01 ☸ ハルカのメイド服


魔法外科医は癒やし系少年~あらすじ

魔法外科医って結構、大変なお仕事。さらに転生者の受け入れまで。ほのぼのあり、シリアスあり、アクションあり、ギャグあり、ほどよくエッチもありの逆異世界転生ファンタジー。


<ロビ様、血管とかひとつずつ繋げていますけど、ぶわぁって治る治癒魔法というのは無いのですか?>
<あるよ。あるけど、あれ、障害が残るんだ>
<どういうことでしょうか?>
<切れた患部がぴったり合っていれば綺麗に治るんだけど、ずれているとそのまま治っちゃってリハビリが大変なんだ。特に太い血管や筋肉はちゃんとやらないと>
<なるほど、勝手に元通りになるわけじゃないんですね>
<そう。だから、障害を残さないよう、元通りに結合していくんだ>

(ハルカの世界では、魔法って、随分と便利なものと解釈されているんだな)


※本小説は、「小説になろう」、「カクヨム」、「アルファポリス」、「ノベルバ」、「ノベルビア」にも投稿しておりますので、お好みのサイトで読んでいただければ幸いです。

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魔法外科医は癒やし系少年~涼波ハルカの進撃-01 ☸ ハルカのメイド服

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「なんか、すごい二週間だったな」

 

 ロビは大あくびをしながら目を覚ました。ここはウリシア王国のオリシス家の別宅、ロビ=クルーガが王立学院中等部に通うために住んでいる屋敷である。

 

(あれ、ハルカ、いないや)

 

 ロビが寝る時に、同じベッドにいたハルカの姿が見えなかった。サンダルも無くなっているので、非常事態ではなさそうだ。

 ロビは服を着替え、ダイニングへ行ったが、奥の厨房でウグルスが朝食を作っているだけだった。ダリアの部屋の方から声がするので近づいてみると、その隣のハルカの部屋からだった。

 

 ロビはドアをノックした。

 

「入っていいかな」

「ロビ様、入る、大丈夫」

「ハルカ、ダメよ……いえ、ご主人様のことは言うことを聞かないといけないですね。どうぞ、お入りください」

 

 ロビが部屋に入ると、ハルカは全裸で布の上に立っていた。ハルカの横に目をやると、メイド服が置いてある。

 

「あ、着替え?もしかしてメイド服、できたの?」

「はい。あの、ロビ様、この状況でなんとも思わないのですか?例えば、急に飢えた肉食系魔石獣になってしまうとか」

「まさか、僕は魔石獣じゃないしヒト族だよ」

「でも、股間が大きくなりました」

「そりゃ、ハルカ、かわいいし。でも理性はあるよ。せっかくだからメイド服、着せるところ見たいな」

「わかりました」

 

 クルーガ家のメイド服は、獣人族でもヒト族に変装することができるようになっており、機能性に優れ、ヒト族の召使いも同じメイド服を着ている。

 

 ダリアはハルカに身振りと簡単な言葉で説明しながら、メイド服を着させ始めた。まずはコルセットだ。胸から腹部、背中を覆う下着のような服で、それほどきつくはないが、胸を持ち上げるための立体的な形をしている。

 

 一人で着れるようボタンは前側についており、コルセットの胸の下の辺りには帯のような布が通っている。胸の下で縛り、コルセットの位置を固定するものだ。ハルカは自分で結んでみせた。

 

「あら、ハルカ、結構、器用なのね。その縛り方でいいわ」

「ありがとうございます」

 

 尻尾は、縮めると太く伸ばすと細くなる編み方をした筒状のメッシュで軽く締め上げている。これはクルーガ家の発明品で、獣人族を保護した後、それを隠すためのものである。獣人族の尻尾はふさふさしているが、軽く締めるだけで想像以上に細くなる。

 

「この状態で尻尾を通して、尻尾の付け根まで上げるの。そして片方を尻尾の付け根で押さえながら伸ばしてね」

「あっ、はっ」

「あ、ごめんね、後で拭いてあげるから」

「自分で拭く、できます」

「いえ、私が拭いてあげたいの」

 

(ダリア、ハルカのこと好きなのかな)

 

 次は短剣ダガーを携帯するためのスカート内に隠れるホルダーを付け始めた。クルーガ家の召使いが出かける時は、全員、短剣ダガーを隠し持っている。男性の場合は膝の下に付けてズボンで隠している。

 

 ダリアはクルーガ家のものと違い、両側にホルダーが付いたものを使っている。ハルカもダリアが使っているものと同じ形のものだ。今は試着ということで、ダリアは短剣ダガーも付けた。

 

「ハルカ、これはお出かけの時に付けてね」

「はい」

 

 そしてダリアは、下着を履かせた。下着はブライズと呼ばれる薄い布でできたズボン状のものが多いが、クルーガ家では太ももに短剣ダガーを装備するため、チギリ形の布で腰の横で紐を結ぶものを採用している。

 

「今は発情期だけど試着だから。ここを縛って」

 

 ダリアは優しくハルカに話しかけた。

 

 スカートは、動きやすいツーピース構造になっている。クルーガ家は時折襲撃を受けることがあり、ツーピース構造であれば、腰に剣などをぶら下げるためのベルトを付けても、上半身の動きに影響を与えない。

 

 スカート丈はひざ下ぐらいで、武器を太ももに隠しても取り出しやすいことを考慮している。また、獣人族がスカート内で尻尾を巻き付けて隠すため、これ以上、短くしていない。

 

 上着の丈はスカートに少しかかるぐらいで、背中がやや大きめに開いており、胸元はあまり開いていない。これは獣人族の髪がうなじの下まで生えているため、自然に髪の毛が垂れるようにするためである。

 

 これも一人で着れるように、ボタンは前に付いている。

 

 他家の召使いはメイド服を着るとき、フリルの付いたカチューシャを付けるが、クルーガ家のメイド服では帽子をかぶる。

 

 帽子は一見ゆったりとした柔らかい素材に見えるが、実は固く、獣耳を押さえる役割がある。また、取れにくいように後ろ側にある紐で頭の締め付け具合も調整できるようになっている。

 

 最後に肩から掛ける大きなフリルのある白いエプロンを付けたら、クルーガ家特製メイド服への着替え完了だ。

 

「ロビ様、何か言ってあげてください」

「あ、うん、ハルカ、とても似合っている。かわいいよ」

「ありがとうございます」

「ダリア、今日も素敵だよ」

 

 ロビはダリアを抱きしめて、頬を舐めた。仲の良い狼獣人族の挨拶……というのを以前聞いたからだ。

 

「もう、ロビ様ったら。そんなに気を使わなくてもいいです」

「前にウグルスに言われたこと、気にしているんでしょ?」

「え、ええ、あの、オリシス家から早朝、戻られた時のことですよね、覚えてくださっているのですか?」

「うん、まあ、聞こえたことぐらいは」

 

 ロビはハルカの部屋に置かれていた他の包みを眺めていた。

 

「メイド服は二日前に届いていたのですが、ティラーナ教授がお見えになるとのことで、掃除をしていたため試着する時間が無くて」

「気にしなくていいよ。冒険者の服は?」

「あちらは少々時間がかかりますので、来週以降になるかと思います」

「そっか、ちょっとデザインが特別だからね」

 

 ドアをノックする音がした。ウグルスも狼獣人族、すぐにロビの声で場所を特定したようだ。

 

「ロビ様、もうすぐ朝食の準備が整います。ダイニングにいらしてください」

「うん、わかった。じゃあ、みんな行こうか」



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 ダイニングに行くと、ウグルスとダリアが料理を並べ始めた。ハルカもメイド服を着てその気になっているようで、ダリアに教えてもらいながら料理やフォーク等をテーブルに並べた。

 

 ロビは、いつものようにハルカを自分の隣の椅子に座らせた。

 

「今日の料理も美味しそうだね。じゃあ、頂きます」

 

 今日の朝食は、サラダにパン、ポテトに揚げた白身魚、それにいつものシチュー風のスープである。シチュー風のスープは、厨房のかまどにかけたまま具材を追加したものである。朝は具の少なめにしてスープとして飲み、夜は野菜や肉を足して食べる。

 

「ロビ様、魚、美味しいです。見る、できますか?」

「ああ、これ?うーん、これ、あまり見ない方がいいような……ウグルス、まだキュートフィッシュ、残っている?」

「はい、厨房の桶におります」

 

 朝食が終わりハルカも一緒に片づけを行うと、ロビはハルカの手を引いて厨房のさらに奥の方へ連れて行った。

 

「この子だよ」

「大きい、かわいい」

「そうなんだよ。かわいいからさ、目が合うと殺したく無くなっちゃうんだよね。でも、これが美味しいんだよ」

 

 ロビが見せたのは、トカゲを太らせたような手足のある平べったい魚で、桶の中で狭そうに丸くなっていた。瞳は黒くて愛嬌があり、少々気持ち悪くもないが眺めていると抱きかかえたくなる。

 

「あたし、殺す、無理。抱っこ、大丈夫?」

「噛まれないように気を付けてね」

 

 ハルカはキュートフィッシュの脇を抱え桶から引っ張り出した。

 

<ロビ様、やっぱりこの子、可愛いです>

<ハルカ、キュートフィッシュも魔石獣の一種で、実は『魅了』という魔能力があるんだ>

<もうダメです。やっぱり食べることができません>

 

「でも、ウグルスが調理してくれたら食べないとダメだよ」

「わかりました。クク、ココ、見てます」

「あ、クク、ココ、食べちゃダメだからね」

 

 朝食後、ロビの部屋に戻り、元気のないハルカを励ましながら、語学を教えた。

 

<ハルカの世界では、魚はどんな風に売っているの?>

<切ったものとか、そのままのものもあります。でも、あんなに可愛くないです>

<そっか。切った魚はどんなふうに売っているのかな>

 

(『接触念話コンタクトカム』)

 

<魚が売っているところ、ちょっと思い出してみて>

<こんな感じです>

<へー、お皿に入っているんだ。売っている最中に腐ったりしないの?>

<はい、この場所は冷たくなるようになっていて、魚なら数日持ちます>

<買って帰ったらどうするの?すぐに料理するのかな>

<いえ、冷蔵庫といって、冷やしたり凍らせたりする器具があります>

<なるほど、ハルカの世界は誰でもそれを買えるの?>

<そうですね、ほとんどの家庭にあると思います>

<素敵な世界だね。僕もこの世界を何とかしたいな>

<便利ですけど、それほど、素敵な世界でもありません>

<そっか>

 

 ハルカは少しの間、黙っていた。そして念話で話し始めた。

 

<あの、ロビ様、その……>

<どうしたの?>

<もう一人のハルカが、後ろからでいいので、ちょっとして欲しいって言ってます>

<今はどっちっていう感覚はあるの?>

<……無いです。あの、あたし、して欲しいです。でも、後ろからというのは獣人族のものだと思います>

<うん、いいよ。自分でスカートまくり上げれる?>

<恥ずかしいです。お願いします>

<次は自分でスカートをまくり上げるんだよ。いいね>

<わかりました>

 

 ロビは自分のズボンを少し下にずらし、ハルカのスカートをゆっくりとまくり上げた。

 

「あっ」

 

 ハルカがなまめかしい声を上げた。



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理系Hラノベ作家みならい。主にアニメ実況感想レビュー。ネタバレしない程度にレビュー記事を書いています。記事を読んでからアニメを観てい頂ければ感動?をシェアできること間違いなし!
申し遅れましたが名前は綿串天兵(WATAKUSi SOLABe:ワタクシソラベ)です。

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