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Beija flor #5 Avaricioso V

Beija flor #5 Avaricioso V


よくあるお店を開いたときのベルの音と共に塩島、ロナックらはBAR『 CORNERSHOPコーナーショップ 』。お店の外観、店内は至って普通のBARだ。このBARを経営するのはマスターでもあるロコ・シャハムだ。この人は見た目は目つきの悪い短髪のお兄さん。だが、無精髭が目立つ。でもマスターらしい風貌している。落ち着いた感じだ。

 

店内に入ると、マスターは軽く会釈した。4人は空いているカウンター席に腰を掛けた。

 

座るとさっきまでグラスを布巾で拭いていたマスターが声をかける。

 

 

〈ロコ〉なにを呑まれますか?

 

〈ロナック〉俺はラヴァーズマティーニを貰おう

 

〈ロコ〉はいよ

 

〈ニーノ〉パッソア、ロックで

 

〈塩島〉げっ!?

 

〈ラディ〉あ、僕も同じので

 

〈塩島〉え!?

 

〈ロコ〉はい

 

すると、即座にラヴァーズマティーニというカクテルを作った。その後、パッソアをそのままロックで注ぎ、お酒を提供した。

 

〈ロナック〉ロコさん、今日はここで待ち合わせなんだ、あんまりこいつらに飲まさないでくれ

 

〈ロコ〉それはお隣のグルジア人に言ってくれ、もう3杯目だぞ

 

〈ロナック〉ったく

 

〈塩島〉え!?

 

〈ロコ〉で? あんたは? ここはBARだ何か酒を頼め

 

〈塩島〉そ、ソルティードッグで……

 

すると、塩島の前でソルティードッグを作り、提供をする。

 

それを見ていた、ラディが絡んだ。

 

〈ラディ〉君、今日はとことんツイてない日だろ? もっと頼めよ? このパッソアなんてどうだ? 20度は日本人は飲めないか? おっと、失礼こんな外人とは付き合えないか? 負けるのが怖いか? そうだよな、20度なんて日本人は飲めないね

 

〈塩島〉なに? 見せてやるよ、たかが20だ、おい! パッソアもってこい!

 

パッソアを飲むことになった。塩島は数秒でパッソアのロックを飲み干した。

 

〈塩島〉おい、そこの銀髪野郎! 日本の男児の強さ魅せてやるよ

 

〈ラディ〉良い度胸だ!

 

すると、その2人の戦いが始まり直後ある人が何かに気づいた。ロコはグラスを拭いていたが手を止めた。

 

〈ニーノ〉ん?

 

〈ロコ〉……

 

そして、ロコは急に大声で叫ぶ。

 

〈ロコ〉 おい! てめえら! 避けろっ!

 

と、叫んだ。

 

そこに静かに店内が爆破した。先程、外にいた男が放った弾がお店に当たった。

 

〈ロナック〉なに!?!?

 

お店は発破技士の大きな爆発で壊したかのようにお店そのものがバラバラになってしまった。完全にはまだ壊滅してない。壊滅的と言ったところだ。

 

辺りは灰色の埃まみれだ。ほとんどの人は死んでいる。特にドア近場にいた人は可哀想だ。その中、カウンターに身を潜め助かったロナックらが居た。

 

〈ラディ〉な、なんだ? 急に

 

〈ロナック〉大方あいつらかな

 

〈ラディ〉あ〜

 

〈ニーノ〉シーっ!

 

ニーノは銃を取りだし、息を潜める。

 

破壊されたドアのほうからなにやら話し声が聴こえる。

 

〈アクセルキ〉おれは世界一のマフィア、チロル・グロゥのアクセルキ様だ…… ってもうみんな死んでるから聴けやしねえか…… だが、さっきから生きたやつの臭いがする

 

〈ロナック〉あいつは、アクセルキだな、今回の本当の首謀者といったところか

 

〈塩島〉え……ぇ、なん、なんなんだこの状況??

 

と、塩島は今の状況が呑み込めず震えていた。

 

〈ロナック〉ん? お前生きてたのか?

 

〈塩島〉さっきのおっさんが叫んでくれたおかげでね

 

〈ロコ〉おっさんいうな!

 

〈ロナック〉助かって悪いが、お前にはちょっと荷が重いんじゃぁ?

 

〈ラディ〉で、どうするよ

 

〈ニーノ〉よし、こいつを囮にしよう

 

ニーノは塩島を見る。

 

〈塩島〉なんだと! おれは囮なんて嫌だぞ!!

 

と、カウンターから身を出して、大きな声で嫌がった。

 

〈ロナック〉あ

 

〈塩島〉え?

 

〈アクセルキ〉ん、お前は……

 

〈塩島〉あ……

 

〈ニーノ〉お前バカか??

 

と、ニーノも立ち上がりカウンターから身を出す。

 

〈アクセルキ〉ニーノ!?

 

〈ニーノ〉自分から囮に行くとはな!

 

〈塩島〉ふざけるな!

 

〈ロナック〉おいおい

 

〈ニーノ〉あ……

 

〈アクセルキ〉おい、お前なんでここにいる? アフリカの海で死んだときいたが?

 

〈塩島〉勝手に殺すな!

 

〈ロナック〉しょうがないな

 

〈アクセルキ〉おい、ニーノ! そのガキなんでここにいるんだ!?

 

〈ニーノ〉さーな? ロナックにきけ

 

〈ロナック〉勝手に人を売るんじゃねえ!

 

と、ロナックも立ち上がり身をさらけ出す。

 

〈ロナック〉あ……

 

〈アクセルキ〉よう、ロナック、説明してもらおうか?

 

〈ロナック〉まったく、なにか勘違いしてるようだがお前はもううちの客じゃねえよ、エセ野郎

 

〈アクセルキ〉あ? なんだと? おれは天下のチロル・グロゥのアクセルキだぞ?

 

〈ロナック〉それにエセ野郎と言ってんだ

 

〈アクセルキ〉なんだと? ロナック、感謝しろよ? 俺はまだお前のだ、ただしお前を殺しにきた死神だけどな!

 

〈アクセルキ〉それに俺は、この臭いが好きなんだ、この顔! そしてこの死の臭い…… ふふふ、たまんねえな

 

〈ロナック〉サイコパス野郎が

 

すると、アクセルキは時前の拳銃で撃ってきた。

 

ロナックはさっとカウンターに隠れる。

 

〈ロナック〉あぶねえ、あぶねえ

 

〈アクセルキ〉おい! てめれら出てこい! こいつらを殺せ!

 

そういうと、アクセルキの後ろからズラズラと沢山の軍兵たちが銃を持ち、店内に入ってきた。

 

〈アクセルキ〉さーて、楽しもうか?

 

〈ニーノ〉やれやれ、どうんだよ?

 

〈ロナック〉まったく、いけ好かないやつだな、ニーノ! 少し相手してやれ! それに俺も続く! ラディ! あんたは、グロゥと受信を求めろ!敵が少なくなって、ここを抜けられるようになったら、裏口から俺たちの乗ってきた車に乗り込むぞ!

 

〈ラディ〉わかった!

 

〈ロナック〉ニーノ! 行けるか!?

 

〈ニーノ〉誰に言ってんだ? あたしは天下のニーノ様だ

 

と、ニーノはカウンターの上に乗り、銃をぶっぱなした。

 

〈塩島〉ちょっとまて! おれは!?

 

〈ロナック〉あんたは…… ここに残るか、あるいは……

 

〈塩島〉一緒に連れてけ!ここでは死にたくない!

 

〈ロナック〉わかったよ、俺の後ろにいろ

 

〈塩島〉ああ

 

各々の銃撃戦が始まった。パッとニーノを見ると、笑顔だった、笑っていた。暴れるのが嬉しそうだった。

 

〈塩島〉なんなんだよ?

 

ロナックは少しづつ動きながら、裏口を目指す。

 

〈塩島〉おい! ちょっとまて! あのバーテンはどうするんだよ!

 

〈ロナック〉あいつは大丈夫だ! あれでも元イスラエル軍の軍兵だ、それにあのカウンターはこういうのを考えた末にの頑丈なバーカウンターさ

 

〈ロコ〉そのカウンターももう傷だらけで壊れ掛けてるけどな!

 

ロコは隠し持っていた小機関銃で、カウンターに隠れつつ、身を守りながら応戦していた。

 

〈塩島〉な、なるほど……

 

〈ロコ〉ラディ! てめえもさっさと移動しやがれ!

 

〈ラディ〉わ、分かってるよ!

 

ラディは銃は持っておらず、平和主義なので銃を撃つことはない。この仲間の事務的存在。

 

〈ラディ〉うわ、こえうぇ!

 

とロナック、塩島に頭を低くして近づく。

 

〈塩島〉あんた、なんか普通の人みたいだな

 

〈ラディ〉え? あ、ああ、まあ

 

〈ロナック〉早くいくぞ!

 

と、移動を早める。

 

〈ロナック〉くっそ! 敵が多すぎる! 裏口にちら寄れん!

 

そう、この敵は殺しても殺しても蟻のようにわいてでるような軍隊だ。

 

〈ロナック〉くっそ!!

 

〈塩島〉おいおい! どーすんだよ!

 

〈ロナック〉うるせえな! お前もやってみろ!

 

〈塩島〉うっ……

 

すると、裏口近くに来たはいいものの、敵が一人いた。

 

〈ロナック〉トスウじゃねえか、そこどいてもらおうか

 

〈トスウ〉そうはいかねえな、今はお前の敵なんでね

 

2人は1歩も動かない。お互い銃を撃つタイミングを測っているのだろう。他でドンパチしているのに、音が響いてうるさい中、なぜかこの小さな空間だけ静かだった。

 

この勝負、どちらが早く撃ち抜くのか。

 

そして、ロナック、塩島らはここから抜け出せるのか。

 

 

 

 

※ ロコ・シャハム

 

 

 

ー #5 Avaricioso V. 金の亡者5 ー 続く。


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趣味は多趣味です。音楽は欠かせない!
あとですね、書きたいことは「自由帳」という形で進めて行きますので、毎日内容は違いますし、飽きないかなと思われます。
よろしくお願いします。

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