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Beija flor # 8 descanso

Beija flor # 8 descanso


ここグアテマラにある街、ラウルペリ。港から車で10分程にある悪党が集る街がこのラウルペリだ。

 

船が港について、1番最初に目につくのが港の隣にある小島。誰でも行ける、1分あれば全てが見渡せるほどの小さい島だ。なんとも言えない何も無い島なのだが、変わった事と言えば、なぜかその島の中心には大きなイエス・キリストが貼り付けられた銅の十字架がある。普通なら、安らかな顔をされているのだが、このキリストは苦しそうな、怒ったような般若のような怖い顔をしている。ここに来ると『死』のイメージを植え付ける為だろう。

 

ここは、大悪党が集る街、ラウルペリ。

ラウルペリは一年中暑い気候だ。ジリジリと蜃気楼の中今日は悪党たちは仕事はせずに気ままに過ごしていた。

港から5分ほどの所にツバメ商事会がある。普通の3階建ての一軒家だ。

 

ー ツバメ商事会内 ー

 


 

 

今日は、休日だ。大きな黒いクッション性のあるソファーに座り、ロナックはウイスキーを飲んでいる。

そこに、塩島が入ってくる。もう塩島が勤めて2週間だ。4人ともこの家に住んでいて、共同生活だ。

 

〈サル〉やあ、ロナック今日も呑んでるのかい?

 

〈ロナック〉サルか、どした?

 

〈サル〉休日を使って、商品の売り上げ計算しようと思って

 

〈ロナック〉ご立派なもんだな

 

〈サル〉なに呑んでる? 見かけないボトルだな

 

〈ロナック〉こいつは、モンバッチョ12年さ

 

〈サル〉へえ〜 聞いたことないな

 

〈ロナック〉まあな、だが美味いぞ? 呑んでみるか?

 

そこで、サルは机に置かれたボトルを手にする。

 

〈サル〉ラム酒? 珍しいな、あんたがラム酒呑むなんて、後、こんな度数のもの呑めないよ遠慮する

 

〈ロナック〉そうか……

 

〈サル〉ん? どうした? 浮かない顔だな

 

〈ロナック〉何も無いさ、ところでラディは?

 

〈サル〉ラディなら自分の部屋に居るんじゃないか?

 

〈ロナック〉そうか

 

と、ロナックは立ち上がりリビングをでた。

 

ロナックは階段に上がり3階に行く。この家は、1階にリビングがあり、キッチンやバスルーム、冷蔵庫などがある。2階にロナックとニーノの部屋、1つの空き部屋があり、3階にサルとラディの部屋がある。階にはそれぞれトイレが設置してある。

 

ロナックは3階に着くと左の部屋をノックした。

 

すると、ガチャッと扉が開きラディが眠そうに出てくる。

 

〈ラディ〉なんだい? 朝から?

 

〈ロナック〉朝って、もう11時だが? ところで、これからやることあるか?

 

〈ラディ〉いや、特に? 今もネットサーフィンしてたけど?

 

〈ロナック〉よし、ちょっと出かけるか? いいもの見せてやるよ

 

〈ラディ〉いいもの?

 

〈ロナック〉ああ

 

2人はリビングに降りた。外へ出る扉はリビングを通らないとでることはできない。

 

〈サル〉あれ? どこ行くんだ?

 

〈ロナック〉ちょっとラディと出かけてくる、ニーノを頼んだぞ

 

〈サル〉了解

 

と、そこにニーノが起きてくる。

 

〈ロナック〉ちょうど良かった、少しだけラディと出かけてくる

 

〈ニーノ〉はいよ〜ぉ

 

そう言うと、ロナックとラディは外に出た。

 

〈ロナック〉と、言っても本当にそこまでだがな

 

と、5分ほどあるいた。着いたのは、マルチェロ屋と書かれた車屋だった。その店に入ると、マルさんが話しかけてきた。マルさんはこの車屋の店主でいつもロナックや他の悪党達が修理や売買などを目的にやってくる。

 

〈マル〉やあ、ロナック来たか! こっちだ

 

2人はマルに連れ奥に進む。

 

〈マル〉さて、お前のお目当てを探しておいた

 

マルさんは風呂敷みたいな大きな布を取った。すると、そこにはシボレーカマロ、1991年式ブラックカマロが姿を現した。

 

〈ロナック・ラディ〉おお〜!!

 

〈ラディ〉これはタマゲタケ!

 

〈ロナック〉ラディのやつ興奮して言葉が……

 

〈ラディ〉ロナック! こいつは上物だぜ! 1991年式のブラックカマロだぞ! 今やお目に見かけないほどの珍しいタイプだ! しかもブラックカラー! かっこいいな!

 

〈ロナック〉気に入ったか? 言ったろ? いい物見せてやるって

 

〈ラディ〉なるほどな

 

〈ロナック〉よし! マルさん納車するから鍵くれ

 

〈マル〉へいへい

 

〈ラディ〉な、なんだと!?

 

〈ロナック〉まあ、なんだ? この前地球の裏側まで吹っ飛んだからなその埋め合わせだ

 

それに対して、ラディはめちゃくちゃ喜んでいた。多分、今までで1番喜んでいた。その顔はまさしくマーライオンが吐かずに笑顔に口を開いている様子のようだった。

 

車の鍵を貰い、ラディはエンジンをかける。

 

そこにはカマロらしいド太い、いかにも厳つい旧車のようなエンジン音が聴こえる。

 

〈ロナック〉さて、帰ろうか、安全運転で頼むよ

 

〈ラディ〉了解!

 

と、アクセルを踏み、車を走らせた。家まではすぐ着いた。ラディは横にある倉庫にカマロを停る。

 

〈ラディ〉さて!

 

〈ロナック〉俺は中に入るが?

 

〈ラディ〉洗車するか!?

 

〈ロナック〉あ、あぁ…… ほどほどにな

 

そう言い、ラディはそのまま洗車を始め、ロナックはリビング家に入って行った。

 

〈サル〉おかえり、外でラディの声が聴こえたが?

 

〈ロナック〉あ、ああ、まあ今日は倉庫に張り付いてるだろうよ

 

〈サル〉は? そうか…… よくわからんが?

 

〈ロナック〉ニーノ、モンバッチョは?

 

〈サル〉さっき俺がセラーに片付けたよ

 

〈ニーノ〉だとよ

 

〈ロナック〉すまない……

 

そう言うと、ロナックはセラーの扉を開け、モンバッチョを取り出し、先程座っていたソファーに座った。

 

そして、またモンバッチョを呑み始める。普段はここでニーノはお酒好きなので貰おうとするのだが、この日は、なぜか言おうとしなかった。

 

呑み始めて30分頃。昼過ぎに扉がコンコンと、鳴りサルが扉を開けた。そこには、男性が立っていた。水色、青色のような髪色に短髪。メガネを掛けていて、ブルーアイにどこか気品のある風貌にネクタイにスーツ。サルは、なぜかどこかで見覚えがあるようにみえた。

 

〈トスウ〉やあ、ロナック久しぶり

 

〈ロナック〉トスウ

 

〈サル〉トスウ!? あの時ロナックに撃たれたあのトスウ!?

 

〈トスウ〉そう! あの時…… ていやな言い方するね、まあ間違ってないけどさ

 

〈サル〉なんで!? 生きてたのか?

 

〈トスウ〉その前に入っていいかな?

 

そう言うと、トスウは中に入る。

 

テーブルを挟み、ソファーに座る。そしてタバコの火をつける。

 

〈トスウ〉ふぅ〜…… まず俺はフリーの殺し屋だ、アレじゃあ死なねえよ

 

〈ロナック〉よく言うな、俺がずらさなきゃ死んでたくせに

 

〈トスウ〉ははは! たしかに! そのモンバッチョ、懐かしいな、頂いても?

 

〈ロナック〉サル、グラスを

 

すると、サルはグラスを用意した。グラスにはモンバッチョが注がれ、トスウも呑み始める。

 

〈トスウ〉懐かしい味だな、身に染みるよ。ロナック、今日はなんの日か忘れてないだろ?

 

〈ロナック〉忘れてねえよ

 

〈トスウ〉そうか

 

と、トスウはグラスに注がれたモンバッチョをイッキに呑みほした。

 

〈トスウ〉ロナック、あんたを迎えにきた。今日は0663オロロゾの日だ、家の前にレパードを寄せてある

 

〈ロナック〉そうか、じゃあ行こうか

 

〈トスウ〉今日は一緒に灯らそう

 

〈ロナック〉そうだな、お前ら少しここを頼んだぞ

 

〈ニーノ〉はーいよ

 

〈サル〉了解

 

〈トスウ〉あれ? そういえばもう1人は?

 

〈ロナック〉外で洗車してる

 

〈トスウ〉そうか

 

〈ロナック〉さて、そろそろ行こうか

 

トスウとロナックは外にでて、トスウの乗ってきた馬車レパードに乗り、ある場所に向かった。

 

リビングではサルが不思議そうに考えていた。

 

〈サル〉なあ、ニーノ0663の日ってなんだ?

 

ニーノはソファーに寝転びながら応えた。

 

〈ニーノ〉さーな? 知らねえ、名前は聞いたことはあるが、詳しくは知らん

 

〈サル〉そっか〜

 

サルは更に0663の日、ロナックについてこの日は考えていた。気になっていた。

 

0663の日はロナックやトスウ、他の悪党の大幹部達が関連し、ある事件が関係している。

それが今日6月9日だ。それは、ある人が関係している。

 

その事件とは何なのか。恐ろしく残忍で言葉にするのに躊躇うほどの事件だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ トスウ・ラリッサ・ロペス(お兄さんキャラデザ練りメーカー)

 

 

 

ー ♯8 descanso . 休息 ー 続く。


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趣味は多趣味です。音楽は欠かせない!
あとですね、書きたいことは「自由帳」という形で進めて行きますので、毎日内容は違いますし、飽きないかなと思われます。
よろしくお願いします。

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