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『楽園追放 -Expelled from Paradise-』批評

『楽園追放 -Expelled from Paradise-』批評


楽園追放 -Expelled from Paradise- 75点
 
 2014年に公開された、虚淵玄脚本のアニメ映画だ。
 上映時間は二時間足らずで、テレビアニメと違って尺が短かったこともあってか、虚淵玄特有の難解さはおさえめである。
 筆者が見ている虚淵玄脚本のアニメとしては、作中の時代がもっとも進んでいる(西暦2400年?)。人間が意識だけの存在となっていて、肉体を捨てている。人工的に肉体を作成できるため、肉体が代替可能になっている。このあたりは『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』に似ている。メインの二人(アンジェラ・バルザックとディンゴ、草薙素子とバトー)の関係性も、似ている部分があるように思う。
 ストーリーは、虚淵玄が脚本に参加したテレビアニメ『翠星のガルガンティア』と同じで、ジェームズ・キャメロンの『アバター』型である。異世界(本作の場合は電脳世界)の主人公が、旧世界の人と関わりを持つ中で、価値観が変わっていく話だ。
 旧世界と対比するためか、電脳世界「ディーヴァ」は、かなり社会主義的な世界として描かれている。『PSYCHO-PASS サイコパス』のシビュラシステムのような監視者を置くことはこれまでにもあったが、ここまで強い監視社会が設定されたのはおそらく初だ。
 本作が気に入った人は、『翠星のガルガンティア』もおすすめする。
 

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ポップカルチャー評論家
専門分野は映画、ドラマ、小説、アニメ
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