男受けだけを狙う超硬派な日曜劇場的政治・軍事ドラマ『沈黙の艦隊 シーズン1 ~東京湾大海戦~』批評
男受けだけを狙う超硬派な日曜劇場的政治・軍事ドラマ『沈黙の艦隊 シーズン1 ~東京湾大海戦~』批評
79点
2024年にAmazon Prime Videoで配信されたAmazon Originalドラマです。
シーズン1は全8話で、1話あたり約60分です。
2023年に映画版が公開されましたが、これはドラマ版の第4話くらいまでを
編集したものなので、もう序盤の序盤で終わっちゃいます。
リアルタイムで映画館に見に行った筆者は、「なんだよ、続編ありきじゃねえか」と
強く思った記憶があります。
それならそうと、配信ドラマの序盤を編集したものですよってアナウンスしてくれればいいのに。
監督は吉野耕平です。
長編映画の監督経験はそれほどないですが『ハケンアニメ!』が有名でしょう。
『ハケンアニメ!』はアニメ制作の話なので
『沈黙の艦隊』みたいなごりごりの軍事もの撮れるのかしら
と思っていましたが、いやはや見事なVFXで。
主演の大沢たかおがプロデュースを兼ねていることも話題になりました。
企画自体はロシアのウクライナ侵攻や台湾有事より前に始まっていたあたり、
引きの強さを持っていますね。
持っている人は天が味方してくれるものだと、つくづく思いました。
松岡正剛の千夜千冊で原作漫画が取り上げられています。
ネタバレ気味なので見る場合は注意です。
内容ですが、平たく言うと
ものすごく時間とカネをかけた日曜劇場といった感じ。
基本的に自衛隊員・軍人と政治家しか出てこず、
100パーセント男受けしか狙っていません。
ドラマ版だと女性の登場人物もちらほらいるんですが
これは原作にはない追加要素のようですね。
その分、圧倒的な見ごたえがあります。
潜水艦や魚雷や深海のVFXはもちろん、
日米同盟を念頭に置いた政治的な言及についても
配信というクローズな環境をいかし一切の躊躇も忖度もなく
切り込んでいきます。
地上波のテレビでは絶対にできない芸当です。
シーズン2の制作も決定しているようなので
大沢たかおにはぜひとも頑張ってもらいたいですね。
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