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Beija flor #6 Avaricioso VI

Beija flor #6 Avaricioso VI


この半壊したCornershopコーナーショップは煙に包まれながらあちこちで銃を撃ち合う音がしていた。

 

カウンターの向こうでは煙やホコリなどで微かにしか見えないがニーノとアクセルキの部下達との撃ち合い。カウンターから少しずつ撃ってるのがバー店主ロコさん。

 

そして今、裏口付近で塩島の目の前で自分が死ぬかもしれんと思われる嫌なことが起こっていた。ロナックとトスウとの1対1サシの睨み合い。お互い、腰にある銃をどちらが早く撃ち抜くか、ここでロナックが負ければ塩島たちは此処で終わりだ。

 

その時、アクセルキの部下が吹っ飛んできてカウンターの上にあったお酒の瓶が落ちて、その瓶が割れる。

 

その直後、その瓶が割れるとともにロナックとトスウは銃を抜く。ドーンッ! 大きな音がした。どうやらお互い弾を撃ったようだ。

 

その音に対して塩島はびっくりして目を閉じる。恐る恐る目を開けると、ロナックが立っていた。トスウは撃たれ、胸の近くで血をだして倒れこんでいる。

 

〈塩島〉か、勝った?

 

〈ロナック〉おい! はやくいくぞ! ニーノ! お前も早く着いてこい!

 

〈ニーノ〉オーケー!

 

〈ロナック〉よし! 行くぞ!

 

〈トスウ〉ゴホッ……ヴ……ホッゴ…… はやく行けよ……

 

そんなトスウに無表情で見るロナック。

 

そして、ロナックたちは裏口からお店をでて車に向かう。それに後からニーノも追ってくる。

 

〈ラディ〉もう少しだ!

 

と、車が見えたところで車が爆発する。

 

〈ロナック〉な〜に〜!!

 

〈ラディ〉ま、まさかそんなことが……

 

〈アクセルキ〉フハハハハ! こんな事もあろうかと車に爆弾を仕掛けたのさ!

 

〈ニーノ〉あーぁ

 

〈塩島〉お、終わった……

 

〈ラディ〉俺のカマロが星まで吹っ飛ぶとは……

 

〈ロナック〉ま、また買ってやるよ

 

〈ラディ〉カマロ……

 

〈アクセルキ〉さて! お楽しみはこれからだな!

 

〈ロナック〉ちっ! 走れ! 港までそう遠くはない!

 

と、ロナックらは走ることになった。

 

〈塩島〉まじか〜 と言っても、車で10分ぐらいだったじゃないか! 歩いたら40分ぐらいだぞ!

 

〈ロナック〉つべこべいうな! それに走るんだ!走れば10分ぐらいだ

 

〈アクセルキ〉おいおい、逃げんなよ!

 

 

ロナックたちは走った。すると、ラディに渡したトランシーバから応答があった。

 

アクセルキも走って追いかける。手には1丁の大きめな銃を持っている。

 

〈ラディ〉ロナック! グロゥから連絡きたぞ!

 

〈ロナック〉ああ! 聴かせてくれ

 

その音の先は女の声だった。ロナック達は狭い道の隅っこで見つからないように一時止まり、事情を話し、いま港に向かってる事を伝える。

 

〈ロナック〉という事だ

 

〈グロゥ・ボス〉なるほど、ではそのまま船に乗れ、そして新たな場所を述べる。ベリーズのキーカーカーにて待つ

 

〈ロナック〉キーカーカーか! 遠いが、了解だ

 

すると、そこでなにを血迷ったのか塩島はそのトランシーバをラディから取り、塩島が話す。

 

〈塩島〉おい! いま助けろ!

 

〈グロゥ・ボス〉ん? 誰だ貴様

 

〈塩島〉お前らに拉致られた塩島だ!

 

〈グロゥ・ボス〉塩島? あの日本の男か、それで?

 

〈ロナック〉いや! すまねえ! すぐに向かう! トランシーバ、返せ!

 

〈塩島〉うるせえ! こんな事になってさすがに耐えれん! 言わせろ!

 

その火っ気な勢いのある顔をみせた。その言葉にロナックは黙る。

 

〈塩島〉いいか!もううんざりだ! お前らの都合でこんなんなって! どう責任とるんだ!

 

〈グロゥ・ボス〉ほう? 責任? 何のだ?

 

〈塩島〉おれをこんな目に合わせた責任だ! お前がこの訳のわからん連中雇ってるボスなんだろ!? なら、責任とれよ!

 

〈グロゥ・ボス〉なぜお前如きに責任を取らねばならん?

 

〈塩島〉もう1つ! さっき言った殺し屋? はもしかしたらあんたの部下だったろ?

 

〈グロゥ・ボス〉なに? なにも知らないお前がなぜそれを知っている?

 

〈塩島〉だと思ったよ、この人達のあんたの扱い、あの男の名乗り方、あんたの組織はかなり有名で軍事力を持った組織と考えた。弱い組織なら、この人たちの対応もそれなりになるし、あの男も組織名を名乗ることはない。なら、あんたらは凄く組織力があるんじゃないか?

 

〈グロゥ・ボス〉ほう? 凄いな、それで?

 

〈塩島〉そこでだ、あの男が本当に自分の部下だったのならば、その責任をあんたが取れ

 

〈ロナック〉ばか野郎! 何言ってんだ!?

 

〈グロゥ・ボス〉ロナック! 彼の話をきけ

 

〈ロナック〉……

 

〈塩島〉そこでだ、あんたはそれでいいのか? 部下が暴走、今のところあのデータの取引もできてない、港行って逃げても助かる見込みだってない。そうだろ? 準備してる間にあの男が来て終わりだ、あんたの思い描く計画はパーだ。それに今回はあの男が首謀者と聴いた。面潰れになる前に対処したほうがいいんじゃないか? そしてあんたはこの失態の責任すらとれない組織として広まる。それは避けたほうがいい、そうだろ? それに俺は頭がキレる。役に立つ、ここで助けておいても損はない

 

〈ロナック〉(こ、こいつあのデメララに喧嘩売ってやがる!)

 

ロナックはそんな塩島にびっくりしていた。

 

〈塩島〉それがおれを助ける、つまり責任をとるということだ

 

〈グロゥ・ボス〉なるほどなるほど、…… フッハハハハッ!! なるほどな! 確かになこちらは不利益だ、面白い! 良いだろう! お前を助けてやる! ただ、10分は程掛かる。だが必ず助けてやろう。そして、この先の事については順を追ってまた連絡をする。ロナック! 黄色い倉庫に向かえ、健闘を祈るよ

 

と、ボスは受信を切った。この事態から自分を守るべく交渉したが、塩島の考えなどにグロゥのボス、デメララは賛同した。まさか、成功するなんて誰も思ってなかった。デメララを怒らせて殺されるのがオチだ。

 

〈ロナック〉まさか、こんな事があろうとはな

 

〈塩島〉どうだ! これがジャパニーズの力だ!

 

〈ニーノ〉はーいはい、じゃあ行きましょうか、赤い倉庫に。ここからそう遠くはねえ

 

〈塩島〉黄色い倉庫?

 

〈ロナック〉とりあえず行ってからだ! あそこはグロゥの傘下、つまりこの街用の支部がある倉庫だ

 

ロナックたちは今度は近くにあるチロル・グロゥの支部があるアマリージョという街の黄色い倉庫に向かった。

 

〈アクセルキ〉おお! いたいた! まさか立ち往生してるとは思わなかった!

 

〈ロナック〉おい! 行くぞ!

 

そして、また走った。今日はよく走る日だ。

 

〈アクセルキ〉おいおい! また逃げんのかよ! おれに殺されてくれよ!

 

〈塩島〉そんな殺さてクレヨンみたいな言い方するな!

 

〈アクセルキ〉いいよ、また遊んでやるよ

 

アクセルキはロナック達を追い、歩き始めた。

 

ロナック達はと言うと、走っていた。

 

〈塩島〉ハアハア…… おい、まだ着かないのか?

 

〈ロナック〉もう少しだ! あ! あそだ!

 

走るロナック達の目の前に黄色の倉庫が見える。

 

〈塩島〉やった〜

 

と、安心し切っていた。果たしてこのまま逃げる事ができるのか、塩島は助かるのか。

 

アマリージョにある黄色い倉庫はチロル・グロゥ傘下モルガン率いるAuオーアのアマリージョ支部管理部がある倉庫だ。その中にAuのメンバー達がいる。そのメンバーは選ばれし者しかいない。組織に忠実な部下達で、腕が立つ者達しかいないそうだ。

 

そして、緊迫としたこの中、ロナックはその黄色い倉庫の隅にある重い扉を押した。ロナックはこの倉庫に何回か来たことある。普段重めの扉ではあるがそこまで重くはない。女の子の力でも押せる。

 

だが、この日は特に扉が重く感じた。

 

 

 

 

 

 

 

ー #6 Avaricioso VI. 金の亡者6 ー 続く。


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趣味は多趣味です。音楽は欠かせない!
あとですね、書きたいことは「自由帳」という形で進めて行きますので、毎日内容は違いますし、飽きないかなと思われます。
よろしくお願いします。

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