田んぼ

時雨賢治 /

2024/05/2 12:02 | 317 文字

この時期になると、田植えのために乾いた田を耕し水を張りだす。

田舎で見られる田園風景。

　気をつけるのはタニシでもおたまじゃくしでもヒルでもない……。

まるで鏡のように景色を映す田んぼの中には、田んぼではないそれが潜んでいる。

足を踏み入れたら最後、二度と戻って来れないという静(しずか)田(だ)池(いけ)。

周りが田んぼ故に田んぼだと思い足を入れた時、無限のような底なしに人間も動物もみなそこに沈んでゆく……。

この5月(じき)にならずとも、そこはずっと見えていないのに……不意に迷い込んでしまう自然の錯覚。

人間の脳の誤った認識(バグ)。

#物語 #創作 #詩 #ホラー

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時雨賢治

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