「給食費無償化」を頑張って提案し進めているのは自民党ではない!
「給食費無償化」を頑張って提案し進めているのは自民党ではない!
自民党の茂木幹事長が、小中学校の給食費の無償化を提言するというニュースが流れました。
ところで知っていますか?
各自治体で小中学校の給食無償化が進んでいるのですが、それには基本的に自民党は反対してきている立場だということを。国がしないならせめて自治体でできることを、というのを自民党は反対してきているのです。
国会でも議題として出たことがありますが、自民党はうやむやにしています。
今回はこのことに絡んだ備忘録を。自民党に騙されるなよ、という意味も込めて。
目次
茂木幹事長が給食費無償化の提言を宣言
「全国の公立・小中学校の給食費の無償化を」茂木幹事長、自民党として政府に提言へ | TBS NEWS DIG
少子化対策をめぐり自民党の茂木幹事長はきょう、視察先の福島県で、全国の公立小中学校の給食費の無償化の実現に取り組む考えを示しました。
(中略)
視察後、茂木幹事長は全国の公立小中学校の給食費の無償化について、今週中にもまとめる党の少子化対策のたたき台に盛り込み、政府の方針に反映させたいとの意向を示しました。
2023.03.20 TBS NEWS
過去の国会において、野党は給食無償化を提言している
過去に、直近で言えば去年も国会でも取り上げられています。2つ紹介します。なお、全文だと長くなりますので、わかりやすいよう要点を箇条書きにて、やりとりを紹介します。
■日本共産党:山添拓議員(2022年6月3日 参議院予算委員会)
【山添拓議員】
- 義務教育の無償を定めた憲法26条2項に照らせば、学校給食も無償にすべき
- 学校給食法が制定された、戦後の1954年の参議院では無償を目指していた
- しかし当時は財政上厳しいということもあり、自治体と保護者が負担しあうことになった
- 今の日本においては、財政を理由に学校給食の無償化が実現できないということはないはず
【日本国憲法第26条2項】
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
【岸田首相】
- 国は市町村が実施する給食費等の負担軽減に対する支援はこれまでも行ってきた
- 昨今の様々な経済状況の中で更なる学校給食費の負担軽減を考えなければならない
- 総合緊急対策において低所得者、低所得の子育て世帯に五万円の給付
- 地方創生臨時交付金により給食費の負担軽減を自治体にしっかり取り組んでもらう
- 国はこれを後押ししていく
【山添拓議員】
- 国費で全額無償にしていくという目標を明確にできないか?
【末松国務大臣(文部科学省)】
- 生活保護や教育扶助、就学援助がある
- 給食費無償化はその学校の設置者と保護者の協力のもとで
- 各地域の事情に応じて、今検討してもらっている(国としてではなく自治体にお任せ)
- 無償にしたら、約4,400億円かかる
【山添拓議員】
- 軍事費を5兆円増やしていこうとしているではないか
- そういったお金を子どものために、将来のために出せないか?というのが問われている
- 首相が無償の目標すら語れないのは残念
- 義務教育は無償という条項があるが、それでも政治が決断しなければ無償にならない
- 教育無償化のために改憲というが、憲法ではなく政治の問題だ
■立憲民主党:渡辺創議員(2022年11月29日 衆議院予算委員会)
【渡辺創議員】
- 義務教育段階での給食費無償化については、4386億円で実現できる
- 多くの基金には使い道が明瞭でない資金が大量に積まれている
- 予備費もたくさんある
【岸田首相】
- 給食費無償化は既に実施している自治体がある
- 無償化は学校の設置者である各自治体で判断すべき課題である、それが政府の立場だ
- 子どもたちを守るなら、自治体任せではなく国が判断すべきだ
自治体レベルでも、給食無償化に反対しているのは基本的に自民党
例えばこのサイトでいくつか取り上げている三鷹市。
また、「無償化したいが自治体の財源では厳しいから国に意見書を出そう」という提案に対しても、自民党は反対しています。
ちなみに、自民党以外では国民民主党と公明党も反対のスタンスです。
※ただ、公明党は地域によっては賛成したりしている模様
ちなみに、茂木敏充幹事長ってどんな人?
フルネームは「茂木敏充(もてぎとしみつ)」です。多分名前は聞いたことがある人が多いのではないかと。このニュースで。
- 使用済み歯ブラシを女性党職員に渡して忠誠心を試す
- 自民党と統一教会の組織的関係はないとうそぶく
- 消費税減税するなら年金財源3割カットするぞ、と国民を脅す
- 「茂木さん対処マニュアル」が官僚たちの間にある(普段から怒りっぽくすぐに怒鳴り散らすため)
- 年金を未納していた
- 日本会議のメンバー
※国際勝共連合(統一教会の政治団体)の会員だという話もありますが、確認がとれませんでした。(ただ、共産党に対する発言は勝共の人と似通っています)
これは完全は選挙対策のパフォーマンスだと思われる理由
実は、茂木幹事長が勝手に言い出したことのようです。というのも、このような報道もあるんですよね。
「小中学校の給食費を無償に」自民・茂木氏 政府側は「聞いてない」 [自民]:朝日新聞デジタル (asahi.com)
文部科学省幹部は「うちでは誰も聞いていない話だ」、財務省関係者も「何も聞いておらず困惑している」と話した。
松野官房長官「コメント控える」
2023.03.20 朝日新聞
これは有料記事ですが、無料範囲のところに、このように書かれています。文科省や財務省はともかくとしても、同じ自民党側からも聞いていない状態だということです。
官房長官がコメントを控えたあたり、自民党内において「やっぱり無償化したいね」という土壌すらまったく出きていないということです。かつ、文科省や財務省にも根回しすらしていない…ということで、とりあえず4月の選挙を乗り切ればいいか!ぐらいなのだろうと思われます。
ここで「いや、今度こそはやるんじゃない?」と思うなかれ。やるならとっくにやってますよ、だって10年以上も与党だった自民党ですからね。
それに、先ほども紹介した通り、「野党がずっと言ってきたことを受け入れなかった」のが自民党です。
だったら、既にやる気満々でいる、その準備(金額の確認も含め)が整っている野党の方が、やってくれるんじゃないかと思う方が現実的だと思います。
仮に、本当に実現してくれたとしても、それがまるっと「自民党、そして茂木氏の手柄になる」のはどうにも解せないと感じています。
あとがき
その瞬間のパフォーマンスではなく、本気でやるつもりがあるのかどうか等々、他の要素も組み合わせて考えていかないと、たやすく騙されてしまうことでしょう。
とはいえども、国会までチェックできないと思いますし、自分の地元の議員さんがどうなのかなんていうのもなかなか調べていくのも大変だと思います。
だからこそ、是非、自分の自治体の議会の議案一覧(採決一覧)だけでも読んでみて欲しいです。このことについては、こちらの記事に書いています。あなたの参考になりますように。
統一地方選挙では誰を選んだらいい?選ぶときの考え方を1つ (topview.jp)
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