1976年10月31日 「日本ビクターが世界初の家庭用VHS方式ビデオテープレコーダ『HR-3300』を発売」

1976年10月31日、日本ビクター（現在のJVCケンウッド）は、家庭用エンターテインメントの分野における画期的な出来事をもたらしました。この日、彼らは世界初の家庭用VHS方式ビデオテープレコーダ、HR-3300を発売しました。これは、VHS（Video Home System：ビデオ・ホーム・システム）として知られ、家庭用ビデオ規格の新たな時代を切り開いた瞬間でした。

VHSは、日本ビクターによって1976年（昭和51年）に開発されたもので、同社の登録商標であることを特徴としています（日本第1399409号ほか）。この技術は、映像信号（ビデオ信号）をテープに記録するビデオテープレコーダー（VTR）の形態をとっており、家庭用エンターテインメントに革命をもたらしました。

アメリカのアンペックス（AMPEX）社は、映像信号をテープに記録する技術を初めて商業化し、VTRとして使用しました。しかし、家庭用エンターテインメントの分野では、VTRはカセットテープ型の装置として一般的であり、これらの装置は一般にVCR（Video Cassette Recorder）として知られていました。これらの装置は、映画やテレビ番組の録画と再生を家庭で簡単に行えるようにし、家庭のエンターテインメント体験に新たな次元をもたらしました。

VHSの登場は、家庭で映像コンテンツを記録し共有することが容易になり、映画やテレビ番組の視聴習慣に変革をもたらしました。この技術の導入は、家庭用ビデオテクノロジーの歴史に金字塔を打ち立て、その後のデジタル時代への道を開く重要な一歩でした。VHSは、長らく世界中で規模の大きな市場を占め、多くの家庭で愛され、記憶に残る瞬間を捉えるための道具として使用されました。