1982年9月2日 「国鉄が宮崎県日向市のリニア実験線で開発中の磁気浮上式リニアモーターカーが、世界初の有人走行に成功」

1982年9月2日、日本国鉄（現在のJRグループ）は、宮崎県日向市に位置するリニア実験線で、磁気浮上式リニアモーターカーの世界初の有人走行に成功しました。この出来事は、鉄道技術の進化における画期的な瞬間であり、革新的な交通手段の誕生を示すものでした。

磁気浮上式鉄道、通称"Maglev"は、磁力を利用して車両を軌道から浮上させ、それを推進する仕組みを持つ鉄道方式です。この技術は、磁気浮上という名前が示す通り、軌道と車両の間に磁力による反発力または吸引力を利用します。これにより、車両は軌道から浮上し、軌道との接触がないため、摩擦が極めて少なく、高速での移動が可能となります。

"Maglev"という言葉は、"Magnetic levitation"（磁気浮上）から派生しており、その名前通り、磁力によって浮上する仕組みが特徴です。この技術は、未来の交通手段としての期待が高まり、1971年には西ドイツで初めての有人走行が行われました。

磁気浮上式鉄道の開発には、主に2つの方式が存在します。一つは常伝導電磁石を用いる方式で、これにはトランスラピッドやHSST（高速スカイトレイン）などが含まれます。もう一つは超伝導電磁石を使用する方式で、超電導リニアが代表的です。超電導リニアは、超伝導状態にある電磁石を使用するため、より効率的で高速な運行が可能です。

2015年4月21日、日本の超電導リニアL0系は、有人試験走行で世界最高速度を記録し、驚異の603km/hに到達しました。この記録は、磁気浮上式鉄道の可能性を示すものとして、国際的に注目されました。

この日、国鉄の宮崎県日向市の実験線での成功は、鉄道技術の進歩と交通インフラの未来を明るく照らしました。磁気浮上式鉄道は、高速かつエネルギー効率の良い交通手段としての期待が高まり、今後の発展がますます期待されています。