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ドラえもんに学ぶ「ビジネスシェアの拡大」。

ドラえもんに学ぶ「ビジネスシェアの拡大」。


ドラえもん33巻に収録されたエピソードに登場する

「ドライ・ライト」というひみつ道具を巡る物語の中でそれは登場します。

このドライ・ライトというのは簡単に説明すれば、ドライアイスの反作用版と言える道具して。

これに寒さを宿した水に溶かしたり空気中の成分に触れたりするとこの固形化した光の熱源が溶けて手早くその場を温めてくれるという効能を宿したひみつ道具です。ちょうど時期は寒い冬の季節だったのでのび太の家庭でこのドライ・ライトは大活躍。あろうことにのび太はこのドライ・ライトを使って金儲けする事を企みます

更にはドラえもんを儲かった原資でどら焼き食べ放題という食欲で釣り上げて、彼をドライ・ライトの営業マンとしてこれを売り歩かせますが・・・

  • ところが結果は誰からにも相手にされず。

更には「友達を相手に金儲けするな!」と怒りの声までも上がる始末でしたが・・・

ここでドラえもんは商品を売り込む為のある秘策を考えつきます

  • それは最初は商品を無料で売り込んでその効能を体感的に理解させて購買欲を焚き付けることでした。

なんとこの目論見が大成功

ドライ・ライトの効能に虜になった人々は更なる追加需要を求めてのび太の家に殺到します。

最初は一個100円で売りつけていた商品を需要の増加に伴って価格を5倍に釣り上げて荒稼ぎしていきます。

  • しかもドライ・ライトは22世紀のテクノロジーによる産物なのでドラえもん達による独占市場シェアがこの時点で形成されてしまいました。

金欲にくらんだドラえもんの悪そうな表情が全てを物語ってますね。このように最初に商品やサービスを無料価格で依存させてシェアを獲得して途中から有料へと釣りあげる手法は実際のビジネスの現場でも多く散見されます。

例えばGoogle。

最初はGmailのサービスを無料価格でユーザーを依存させて、圧倒的シェアを獲得後には月額課金制の有料価格へ移行する方針を実際に行なっています。Googleのサービス引っ切り無しの人は生活をスタイルを変えたくないので、思わずそのまま有料課金してしまうことでしょう。AmazonのAmazonプライム会員などの30日無料プランなどもこうした手法が活用されています。

これらは先に紹介したドラえもんの営業スタイルを全く同じです。

この手法を更に自覚的に推し進めたのがソシャゲのビジネスモデルです。

最初はユーザーを獲得するシェアの為に入り口は無料にして、そこから更に高みを目指すユーザーにはガッツリ有料課金で廃課金者へと仕立てあげて黒字にしていく。これらはのび太の家にドライ・ライトを求めて行列をなす人々も追加課金と同じプロセスと言えるでしょう。

最後にこの無料で商品に依存させて後から荒稼ぎするこの商法が原因で戦争が起きた例を紹介します。

それが1840年にイギリスと清(当時の中国)の間で勃発した「阿片戦争 」でした。

イギリスは植民地のインドで栽培したアヘンを最初は無料で清へ輸出して国内をその中毒効果でドップリ依存させた後に価格を釣り上げて荒稼ぎする商法で設けを出していました。このアヘン貿易を通した国内の薬物汚染が原因で戦争が勃発したのは皆さんがご存知のとおりです。

このようにドラえもんのドライ・ライトを巡る物語を通じて我々が学べるのは

  • 供給者目線では「損して得を取れ」
  • 消費者目線では「タダより高いものはない」

以上、二つの教訓を学ぶ事が出来るのです。

 

コマ引用:ドラえもん33巻地底のドライライト」P27:小学館てんとう虫コミックス藤子F不二雄. 


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