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『音』の読み方「ね」と「おと」って何が違うの?

『音』の読み方「ね」と「おと」って何が違うの?


 

詩を書いていましたら、「胸の音(ね)」というワードが出てきて、これは「おと」ではなく「ね」だよねと感覚的に思ったのですが、仔細を知らないので調べてみました!

 

「ね」と「おと」って、どちらを使っても間違いではないのですが、厳密にいうと実は平安時代のころから違いがあったのです。

 

〇「ね」・・・生物の鳴き声、心地の良い音、楽器などの音、人の声、小さな音、情緒的なものなどを表す

〇「おと」・・心地よくない音、大きな音、無生物の音、音全般を表す

 

 

例えば「枕草子」で、次のような一節があります。

「風の音、虫の音など、はた言ふべきにもあらず」

風の音には「おと」、虫の音には「ね」が使われているのですが、この時風の音は大きかったのでしょうか。

と言うより、音感を心地よく感じさせるためにそう読んだのかもしれません。

他の和歌などを見ても「風の音(ね)」とありますから、風の音は日本人にとって情緒を揺さぶる音だったのは間違いありません。

 

しかしながら、楽器の音でピアノなどは「おと」と読みます。

それはピアノが1800年代に入ってきたのに関係があります。

その頃「おと」と「ね」の区別は曖昧になりましたし、琵琶や三味線、琴など和楽器を中心に聞いていた日本人にとっては大きな音と感じたのかもしれませんし、どちらにせよピアノは「ピアノの音色」「ピアノの音(ね)」とする方が情緒がありますね。

 

逆に太鼓の音などは、「おと」がふさわしいように感じます。

 

上記の「胸の音」はやはり「ね」で正解でした。

心地よい感覚を詠ったものだったので、「おと」よりもふさわしかったと思います。

 

以上ご報告でした。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました!


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童話作家を目指している女性です。ゆったりと穏やかに、文章を綴っていきたいです。自作の童話も時々載せますので、よろしくお願いいたします。

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