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1952年8月29日 「ジョン・ケージ作曲の「4分33秒」がニューヨーク州ウッドストックで初演」

1952年8月29日 「ジョン・ケージ作曲の「4分33秒」がニューヨーク州ウッドストックで初演」


1952年8月29日、アメリカの音楽家ジョン・ケージによって作曲された極めて特異な作品、「4分33秒」が、ニューヨーク州ウッドストックにおいて初めて演奏されました。この作品は、ケージの音楽における思想とアプローチが最も明快に表れたものとされ、その奇抜さから広く知られることとなりました。


「4分33秒」は、楽譜上ではその演奏時間が厳密に4分33秒と定められていますが、驚くことに、演奏者には具体的な音を出す指示が含まれていません。したがって、演奏者は楽器を演奏することなく静かな姿勢をとり、聴衆はその瞬間に生じる自然の音を耳にすることとなります。この作品は、演奏者のコントロールを排除し、周囲の環境音や人々の動き、聴衆自身の呼吸やせきなど、無意識に発せられる音に注目するという斬新な試みを試みたものであり、音楽の概念を根本的に再検討するものでした。


ジョン・ケージ自身は、1940年代から沈黙や音のない空間について考察を深めており、無響室での体験や絵画作品などが「4分33秒」の制作への着想源となりました。初演当初は、この作品は賛否両論を巻き起こしましたが、それにもかかわらず、この作品は音楽の枠組みを打破し、伝統的な音楽観念を挑戦するものとして、音楽界に多大な影響を与えました。また、偶然性の手法を用いることで、音楽家の個人的な感情や主観的な価値判断を排除し、客観的な音の存在を引き立てることを試みた点も大きな特徴です。


「4分33秒」は、音楽の新たな可能性を探求する試みとして、音楽家や芸術家たちに多くの問いかけを投げかけ、現代音楽の進化に大いに寄与した重要な作品と言えるでしょう。


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