孫子の兵法
孫子の兵法
<学びをアウトプット vol.6>
「孫子の兵法」
考え抜かれた人生戦略の書の読み方
著者:守屋 洋
二千数百年も前からある兵法書で、春秋戦国時代の兵法家孫武の著と伝えられている。
三国志の英雄、魏の曹操も自ら「孫子」を研究して注釈書を残す。日本では武田信玄が「孫子」から「風林火山」の四文字を借りて旗印にした。また、ヨーロッパでも、ナポレオンが「孫子」を座右の書としていた。
戦術だけでなくビジネスにも応用できるとの事で、マイクロソフトのビルゲイツやソフトバンクの孫正義も愛読書としている。
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「兵は詭道なり」
戦争は所詮、騙し合いである。必要なのに不必要とみせかける。有利と思わせて誘い出し、混乱させて突き崩す。
「智将は敵に食む」
戦争指導に優れている君主は、装備は自国で賄うが、糧秣は全て敵地で調達する。そうする事で人民の軍事物資の輸送コストの負担をなくす事ができる。
「 百戦百勝は善の善なるものにあらず」
100回戦って100回勝ったとしても、最善の策とはいえない。戦わないで敵を降伏させることこそが、最善の策なのである。相手を痛めつけず、無傷のまま味方に引き入れて天下に覇を唱える。
「彼を知り己れを知れば、百戦して危うからず」
敵を知り、己れを知るならば、絶対に敗れる気遣いはない。己れを知って敵を知らなければ、勝敗の確率は五分五分である。敵を知らず、己れをも知らなければ、必ず敗れる。
「敵の崩れを待つ」
昔の戰上手は、まず自軍の態勢を固めておいてから、じっくりと敵の崩れるのを待った。不敗の態勢をつくれるかどうかは自軍の態勢のいかんによるが、勝機を見出せるかどうかは敵の態勢のいかんにかかっている。
「勢に求めて人に責めず」
戰上手は、何よりもまず勢いに乗ることを重視し、1人1人の働きに過度の期待をかけない。それ故、全軍の力を一つにまとめて勢いに乗る事ができる。個人の能力開発は、個人の責任で、組織や指導者はいかにして集団の力を引き出すかに注意を向けるべき。
「人を致して人に致されず」
敵に作戦行動を起こさせるには、そうすれば有利だと思い込ませなければならない。逆に、敵に作戦行動を思いとどまらせるためには、そうすれば不利だと思い込ませる事。
「十を以って一を攻める」
味方は多勢で敵は無勢。多勢で無勢を相手にすれば、戦う相手が少なくて済む。企業経営にあてはめると「兵力劣勢」な中小企業が大企業にしていく事は、一点集中主義。
「迂直の計」
わざと遠回りをして敵を安心させ、敵よりも早く目的地に達する。
「智者の慮は必ず利害に雑う」
智者は、必ず利益と損失の両面から物事を考える。すなわち、利益を考える時には、損失の面も考慮に入れる。逆に、損失を被ったときには、それによって受ける利益の面も考慮に入れる。
「卒を視る事嬰児のごとし」
将帥にとって、兵士は赤ん坊と同じようなもの。そうあってこそ、兵士は深い谷までも行動する。将帥にとって、兵士は我が子と同じようなものである。そうあってこそ、兵士は喜んで生死を共にしようとする。
「人をして慮ることを得ざらしむ」
全軍を絶対絶命の窮地に追い込んで死線させる。それが将帥の任務である。「兵士に死力を尽くして戦わせる為には、死地に置くことだ」と繰り返し説いている。現代の企業では、部下を死地に置いたりすることはできない。しかし、擬似死地の状態をどう作り出すかが、部下のやる気を引き出す一つの鍵。
「上智をもって間となす」
昔、殷王朝が夏王朝を滅ぼして天下統一したとき、夏の事情に通じている伊尹を宰相に登用して功業をなしとげた。このように明君賢将のみが優れた智謀の持ち主を間者に起用して大きな成功を収める。企業にしても、新しい分野に進出を図るときは、社内で十分な準備を整えるのはもちろんであるが、その分野に熟達した人物を参謀に迎えて、より万全の態勢をとるべき。
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▼感想
兵法書であるが現代に転用できる点が多々ある。
勝負事があれば相手をいかに欺くか。
戰と言っても、人対人。人(敵)をいかに欺くかによって勝敗が分かれる。
兵力の差、国力の差で勝利の一つの要因となるが、数が多ければ国が大きければ勝てるという事ではない。
自軍をいかに力を失わずに敵に降伏させるか。敵の力もできるだけ失わずに自軍に取り込むか。
敵に作戦行動を起こさせるにはそれをすることによって有利と思わせるような仕組み作り、作戦行動を思い止まらせるにはそれをすることによって不利になると思わせる仕組み作りが大事。力で操作するのでなく仕組みを使って操作する。
子供でも悪い所を直そうとするのでなく、その悪い所は同時に良い所でもあって、物事の両面を観る癖を作る。いい所、悪い所、選んでいるのはいつも自分。
独立して世の中に打って出るには、自分が何が好きて何が得意か何が苦手か(己れを知る)と、時代の流れを読む為に知識、情報を得る。(彼を知る)そこから、企業が簡単にコピーできないことを一点集中で攻める。
人(子供)を育てる(成長)には、いかに擬似死線に立たせるか。擬似死線までとは言わないが、人に頼れない状況をいかに作るか、自分しか頼れる者がいない状況を作る事がとても大切。
ここで学んだ事を忘れずに生活に取り入れていく。
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